車を売却したら、一方的に「修復歴があったから減額する」と言われました。すでに修復歴は伝えていたのですが、本当に応じる必要はあるのでしょうか…?
配信日: 2024.08.31
本記事では、中古車の売却における買取店とのトラブル事例を挙げ、対処法などを解説します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
未だに後を絶たない中古車買取トラブル
2023年は、大手中古車販売会社のスキャンダルが大きな話題となりました。渦中にあった会社のネットでの口コミを見ると「中古車売却に関するトラブル事例」が多数報告されています。
ネット社会となった今においてもトラブルが後を絶たないのが、中古車買取に関するトラブルです。これは大手だから安心、というわけではありませんので、対策法を含めて方策を練っておく必要があります。
ケース別・減額請求されたらどうする?
表題の場合、ユーザーと買取店の間で買取金額の合意があったにもかかわらず、車を引き渡した後に一方的に買取金額の減額を求められた、という事案です。この場合、査定時における行動によって泣き寝入りしなければならないのかが決まってきます。詳しく見ていきましょう。
修復歴を伝えたうえで買い取ってもらった場合
最もオーソドックスなケースは、査定時のヒアリングの段階で正直に車の修復歴などを伝えていた場合です。
この場合、基本的には修復歴などを考慮した査定金額が算出されているはずです。にもかかわらず減額要求をしてくるというのは、明らかに業者側に落ち度や悪意があると言えます。こういった場合、買取店の営業担当者の要求に応じる必要はありません。
修復歴などを隠して回答していた場合
車に重大な瑕疵(修復歴や故障)があっても、正直に伝えず査定をしてもらい、査定をした営業担当者がそれに気付かなかった、というケースを想定してみましょう。この場合、買い取りを依頼したユーザーに重大な過失があります。
場合によっては買取店から詐欺として訴えられる可能性があります。そうならないためにも、車に故障などがあれば包み隠さず伝えるようにしましょう。
中古車買取トラブルに遭ったらどうする?
車の故障などを伝えたにもかかわらず減額要求をされた場合、本来であればその要求を拒否することができますが、悪質な業者の場合、それに応じないことも十分にあり得ます。そのような場合はどのように対処したら良いのか、本項で解説します。
消費者センターに相談する
車買取の事業者団体である一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)に、車の売却に関する専門の消費者相談窓口が設置されています。中古車の取引で不安に思ったりトラブルになったりした場合には、無料で相談することができます。
第三者に入ってもらう
修復歴がないのに修復歴があると主張された場合、別の専門家に車を見て判断してもらう、という方法もあります。一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)では、有料ではありますが公平な立場で自動車を査定してくれます。
協会専属の査定士による査定はセカンドオピニオンとしても有効なものとなりますので、トラブル発生時には問い合わせて車を見てもらうのも良いでしょう。
「相手はプロだから」と信用せず知識をつけよう
中古車買取店のスタッフは一般消費者からすれば「車のプロ」であることには変わりませんが、悪意をもって査定をすること、またミスもあり得ます。トラブルに巻き込まれないためにも、業界や商品に関する知識をもつことが大切です。何事も十分に知識を蓄えて臨むようにしましょう。
出典
独立行政法人国民生活センター 増加する中古自動車の売却トラブル-強引な勧誘やキャンセル妨害も-
一般社団法人日本自動車査定協会 査定協会の主要業務 査定協会による査定
執筆者:宇野源一
AFP