更新日: 2024.09.01 その他暮らし

70歳の父が健康のために「ガムを噛むように」指導されたそうです。むしろ虫歯になってしまわないでしょうか…?

70歳の父が健康のために「ガムを噛むように」指導されたそうです。むしろ虫歯になってしまわないでしょうか…?
高齢になり身体や知能に衰えが出始める頃、ガムをかむと衰えを防げるともいわれることもあるようです。しかし、ガムをかむことで歯に悪影響を与えて虫歯にならないか、心配な方もいるでしょう。
 
本記事では、ガムをかむことで得られる効果と、歯に与える影響を詳しく解説します。ガムにかかる1ヶ月あたりの費用と、虫歯になった場合にかかる費用も解説するためぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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ガムをかむことで健康に影響があるのか

株式会社ロッテと東京大学高齢社会総合研究機構による共同研究によると、65歳以上の高齢者がガムをかむことで、さまざまな機能に効果があると分かりました。
 
ガムをかむ習慣がある方とガムをかまない方の能力差をみていきましょう。表1の結果は1474名の自立高齢者(65歳以上)に対して実施されたテストです。
 
表1

テスト内容 ガムをかむ習慣がある人の点数 ガムをかむ習慣がない人の点数
オーラルフレイル有症率 約0.6 約1
握力 約29キログラム 約28キログラム
開眼片足立ち 約48秒 約43秒
MMSE(認知機能試験) 29点程度 28.5点程度

出典:株式会社ロッテ・東京大学高齢社会総合研究機構「ガムを噛む高齢者に関する調査」を基に筆者作成
 
オーラルフレイルとは軽微な口内の衰えを意味し、口内が衰えると以下のような症状が発症します。


・固い食べ物がかめない
・むせる、食べこぼす
・口の中が渇く
・口の臭いが気になる
・滑舌が悪い
・自分の歯が少ない

このような症状があらわれると、オーラルフレイルが進行しているおそれがあるようです。調べによるとオーラルフレイルは、ガムをかまない人ほど進行しやすいといわれているようです。
 
身体機能や認知機能試験においても、ガムをかむ習慣がある人の方が高い結果が出ています。口の筋肉は体の筋肉と同じように、使わないと衰えてしまいます。
 
食事をとる際によくかむことも必要ですが、ガムをかむことで口内を鍛えるのもいいでしょう。
 

シュガーレスガムなら虫歯予防にもなる

ガムをかむと唾液が出やすくなるため虫歯予防にも効果的ですが、砂糖が多いガムの場合、虫歯になりやすいため注意が必要です。ガムをかむ際は、砂糖が含まれていないシュガーレスガムを選びましょう。
 
口内の渇きは虫歯や口臭の原因となるため、ガムをかんで潤いを維持しましょう。
 

毎日ガムをかむ場合にかかる費用

ここからはガムにかかる費用をみていきましょう。販売されている店舗にもよりますが、キシリトールガム14粒入りの値段は150円程度です。
 
一日14粒を消費すると仮定すると、1ヶ月(30日)あたり、ガムにかかる費用は約4500円となります。毎日2粒ずつ消費する場合は、1日あたり20円程度、1ヶ月あたり600円程度なります。
 

虫歯になった場合にかかる治療費とガムの費用はどちらが高い?

ここからは虫歯になってしまった場合にかかる費用を解説します。
 
厚生労働省が公表した「令和3年(2021)年度 国民医療費の概況」によると、65歳以上の方にかかる歯科治療費は3万4600円程度です。上記の費用は年間であるため、月に換算するとおよそ2800円です。
 
このことから、1日に14粒消費した場合はガムの費用の方が高くつきますが、1日に2粒程度であれば治療費の方が高くなることが分かります。
 
なお、実際の治療費は虫歯の程度によって差がでてくるため、詳しくはかかりつけの医師へ相談してみてください。
 

ガムをかむことで虫歯を防いで身体機能と知能機能も高くなる

ガムをかむと唾液がでるため口内が洗浄され、虫歯予防に効果的です。さらに、ガムをかむ習慣を身につけると口内や身体機能を良くし、認知予防にも効果があります。
 
ただし、ガムの種類によっては虫歯になる可能性があるため注意が必要です。砂糖がたっぷり使われた甘いガムをかむと、虫歯菌に餌を与えるため悪影響を及ぼすおそれがあります。
 
虫歯になってかかる費用は3万円程度で、ガムにかかる費用は1ヶ月あたり4500円程度です。歯にいいガムをかむと虫歯予防にもなるうえ、身体機能、知能機能を高めるとされていますので、虫歯にならないガムを積極的にかむといいでしょう。
 

出典

株式会社ロッテ・東京大学高齢社会総合研究機構 ガムを噛む習慣のある高齢者は口腔機能のみならず、身体機能、認知機能が高いことが明らかに
厚生労働省 令和3(2021)年度 国民医療費の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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