繰り越した「通帳」をその都度、迷わず処分する母。問題はないのでしょうか?
配信日: 2024.09.08
紙の通帳はページに限りがあるため、最後のページまで記帳されたあとは新しい通帳に繰り越されます。その際、古い通帳はすぐに処分してしまってもいいのか、迷う人もいるかもしれません。そこでこの記事では、通帳の処分について適切な対応方法をご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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繰り越した通帳をすぐ処分しても基本的には問題ない
繰り越し済みの通帳は、基本的には今後の取引において使用することはなく、処分自体は問題ありません。
古い通帳を処分すれば、物理的なスペースが確保でき管理も簡単になります。とくに、複数の銀行口座を持っている場合、それにともない通帳も増えてしまうため、整理整頓の手間を省けるでしょう。
しかし、処分には注意が必要です。古い通帳にはお金の出入りの記録や、個人情報が記載されているため、単に燃えるゴミとして捨てるのは避けるべきでしょう。
自分で処分する場合は、個人情報が分かる部分を黒の油性マジックなどで塗りつぶしたり、シュレッダーやはさみで細かく切ったりするなどして、情報漏えいを防ぐ必要があります。
また、通帳を繰り越すタイミングで銀行窓口に処分を依頼することが可能なケースもありますが、受け付けていない銀行もあるため、古い通帳が必要ない場合は繰り越しする際に銀行窓口に相談してみましょう。
通帳の繰り越し方法
通帳の繰り越しは、窓口に通帳を持参するか、あるいはATMで行います。一部、繰り越しできないATMもあるため注意しましょう。窓口ではスタッフが繰り越し処理を、ATMでは通帳を挿入し、画面の指示に従うことで新しい通帳へ繰り越しされます。
繰越時には、新しい通帳に最新の取引まで記帳されているか、繰り越し後の残高が正しいか確認しましょう。
通帳を保管すべきケースとは
繰り越し済みの通帳は基本的に処分してしまってもOKですが、特定の目的で過去の取引記録が必要になる場合など、保管しておいた方がよいケースがあります。例えば住宅ローンを利用する予定がある場合、過去一定期間の通帳のコピーを求められることがあるため、前の通帳が必要になる場合もあるでしょう。
また、自営業やフリーランスの人も、確定申告などのために5~7年分の通帳を保管することが望ましいといえます。そのほか、相続手続き中の場合も、故人の通帳は手続きが完了するまで保管が必要です。
デジタル通帳への切り替えも検討しよう
通帳の繰り越しや管理が面倒な場合は、デジタル通帳へ切り替えるのもひとつの方法です。デジタル通帳には、記帳・発行の手間や繰り越しが不要で、盗難や紛失のリスクが低減するといったメリットがあります。
また、スマートフォンやパソコンで残高や取引内容を確認できるため、ATMや窓口に行く時間を節約でき、長期間の取引を照会する場合にも便利です。ただし、一般社団法人全国銀行協会によれば、デジタル通帳に切り替えると紙の通帳は使用できなくなるため、慎重に判断しましょう。再び紙の通帳を使用したい場合は、窓口で手続きが必要です。
なお近年、金融機関で新たに口座を作る場合、紙の通帳発行に手数料がかかるケースが増えてきました。手数料は銀行により異なり、条件によっては対象とならない場合もありますが、1年ごとに550円(税込み)かかったり、通帳発行・繰り越しごとに1冊1100円(税込み)かかったりなどさまざまです。その点で、デジタル通帳の利用は節約にもつながるといえます。
繰り越した通帳は原則処分してOKだが、場合によっては保管すべきケースもある
繰り越し済みの古い通帳をすぐに処分するのは、基本的に問題はないといえるでしょう。処分により保管のためのスペースが必要なくなり、管理の手間が省けます。
通帳には個人情報が含まれているため、処分する際は重要な部分を塗りつぶす、細かく裁断して捨てるといった処置をしたうえで破棄しましょう。
ローンの申請を考えている、自営業やフリーランスなどで確定申告が必要である場合や、相続手続き中の口座の通帳などは処分せず保管しておきましょう。こうしたケースでは、過去の取引明細の情報が必要になるためです。
また、デジタル通帳に切り替えれば、長期間にわたる取引履歴の確認が簡単になり、必要に応じて通帳を処分できます。状況に合わせて最適な方法を選びましょう。
出典
一般社団法人全国銀行協会 教えて!くらしと銀行 デジタル通帳に切り替えると何が変わる?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー