釣りだと非効率なので「投網」をして魚をゲットしようと思います。これって「密漁」になりますか?法的に大丈夫ですか?

配信日: 2024.09.09

この記事は約 4 分で読めます。
釣りだと非効率なので「投網」をして魚をゲットしようと思います。これって「密漁」になりますか?法的に大丈夫ですか?
近年のアウトドアブームやコロナ禍の影響から、釣りや素潜り、潮干狩りなど海のアウトドアを趣味にする人が増えているそうです。水辺の楽しみ方は人それぞれですが、海の生き物を狙う際、法律上取ってはいけない魚種や禁止されている漁法が存在します。今回は、魚をゲットする際の漁具、漁法の扱いや、海で取るのが禁止されている魚種について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

漁具・漁法の種類

水産庁では、漁具と漁法別で8種類に分類しており、使用の許可は各都道府県によって判断が異なります。ここでいう8種類の漁具、漁法は表1の通りです。
 
表1

漁具・漁法 内容
手釣・竿釣 世間一般でいう「釣り」にあたる。都道府県によってはまき餌や火光を使った照明等の使用を禁止している場合がある。
ひき網釣(トローリング) 釣り糸を垂らしながら船舶でまわす漁法。遊漁者(一般人)はほとんどの都道部府県で禁止されている
たも網 網で海の生物をすくって捕獲すること。都道部府県によっては照明や船舶で直接捕獲する用途で使うことを禁止している
さで網 特殊な形状をした網のこと。都道部府県によっては照明や船舶で直接捕獲する用途で使うことを禁止している
投網 袋状の網を使用して魚が潜んでいるような場所へ網を広げるように投げ入れる漁法。都道府県によっては禁止されている
やす・ほこ突き 鋭利な金具を棒の先端につけた道具を使い魚介類を突き刺して漁獲する漁法
は具 潮干狩りで貝の捕獲に使う「くまで」や「いそがね」のこと。都道府県によっては使用が禁止されている
徒手採捕 手づかみで魚介類を捕獲すること

出典:水産庁ホームページ「都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法(海面のみ)」より筆者作成
 
上記のうち、ほとんどの県で禁止されているのは「ひき網釣」で、船舶の利用が禁止されているのは「投網」です。これら以外はほとんどの県で許可されており、集魚灯や照明、まき餌を使用しなければ原則法律に違反することはありません。
 
ただし許可されている漁具や漁法でも、使用できる海域は限られます。そもそも漁獲そのものが禁止されているエリアも少なくないため、釣りや投網を使いたい方は事前に各都道府県の水産担当部局へ連絡して問題ない場所か確認しましょう。
 

違反するとどうなる?

前述した漁具や漁法は「都道府県漁業調整規則」により規定されており、違反した場合は6カ月以下の懲役もしくは10万円以下の罰金に処されます。
 
また、指定外の漁具や漁法に関しては、原則として禁止です。例えば「水中銃」や「カニカゴ」といった類は、そもそも海で使用してはいけません。また、遊泳目的の潜水器具は問題ありませんが、ダイビングやスキューバの際に魚介類を捕獲するのは禁止です。
 

海で取ってはいけない魚介類

海や川の生き物には「漁業権」があり、捕獲していい種類と罰則対象になる種類が存在します。漁業権は、主に以下の3つのタイプに分けられます。

・捕獲自体が禁止されている生き物
 
・指定された期間以外捕獲が禁止されている生き物
 
・指定したサイズ以下の捕獲が禁止されている生き物

漁業権がかけられている生き物は都道府県によって異なります。捕獲して持ち帰ろうとすれば「密漁」とみなされ、罰則の対象です。漁業権がかけられている生き物の代表例として、以下が挙げられます。

・アワビ
 
・ナマコ
 
・シラスウナギ
 
・ハマグリ
 
・サザエ
 
・ウニ
 
・伊勢エビ
 
・ワカメ
 
・コンブ
 
など

※都道府県によって指定される生き物が異なる点にご注意ください。
 
なお、なんらかのトラブルや偶然で上記の生き物を捕獲してしまった場合でも、すぐに海へ帰せば問題ありません。近年は防波堤や岩礁地帯での密漁が増えているため、犯行を見かけた方はお住まい地域の海上保安庁へ通報しましょう。
 

特殊な漁具や漁法を使う際は都道府県の水産担当部局へ確認しよう

海は世間一般の方が思っている以上にさまざまな規制がかけられています。とくに生き物の捕獲については厳しく取り締まられているため、使う漁具や漁法、捕獲を行うエリアに注意しましょう。これからレジャー目的で海や川へ行って生き物を捕獲する予定なら、都道府県の水産担当部局へ連絡して確認しておくことをおすすめします。
 

出典

水産庁 都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法(海面のみ)
水産庁 都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法(海面のみ)
水産庁 密漁を許さない ~水産庁の密漁対策~
水産庁 都道府県漁業調整規則例
沖縄県漁業協同組合連合会 資源管理型漁業
内閣府 自分で食べるだけなら・・・レジャー感覚でも「密漁」に!?知っておきたい遊漁のルール
京都府 採ってはいけない魚介類
兵庫県農林水産部 水産漁港課 兵庫の海釣り とってはいけない魚等の大きさ・期間
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集