更新日: 2024.09.12 子育て
公立高校に通う子どもの教育費が「1万5000円」と言うママ友。我が家は「8000円」程度なのですが、年収も2倍ほど違うのでしょうか?
しかし、教育費に約2倍の差があったとしても、必ずしも年収に2倍以上の差があるとは限らないでしょう。今回は、教育費の平均額や年収別の違い、公立高校の授業料の差などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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公立高校の学校教育費はどれくらい?
文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」によると、全日制の公立高校では、学校教育費の総額が平均30万9261円でした。内訳は以下の通りです。
・入学金等:1万6143円
・授業料:5万2120円
・修学旅行等:1万9556円
・学校納付金等:3万2805円
・図書・学用品・実習材料費等:5万3103円
・教科外活動費:3万9395円
・通学関係費:9万1169円
・その他:4970円
このうち毎年発生するお金は、「授業料」「図書・学用品・実習材料費等」「教科外活動費」「通学関係費」でしょう。「入学金等」と「修学旅行等」以外の6項目です。合計は27万3562円のため、1年間で約9万1187円、月額に換算すると約7599円になります。
もし月額の教育費が8000円なら、おおよそ平均値と同じといえるでしょう。
教育費以外の学習費はいくら?
同調査では、学習費として学校教育費のほかに「学校給食費」「学校外活動費」の3項目から成り立っています。そのうち、高校は学校給食費がないため、学校教育費以外の学習費は学校外活動費のみです。
調査によると、公立高校における学校外活動費の平均費用は20万3710円、学校教育費と合計した学習費総額は平均51万2971円の結果でした。
年収別の学習費に違いはある?
学習費総額は、年収に応じて平均額が異なります。同調査によると、年収別の公立高校の平均学習費は表1の通りです。
表1
年収 | 平均学習費 | 年額換算 | 月額換算 |
---|---|---|---|
400万円未満 | 41万1000円 | 13万7000円 | 約1万1417円 |
400万~599万円 | 45万2000円 | 約15万667円 | 約1万2556円 |
600万~799万円 | 49万4000円 | 約16万4667円 | 約1万3722円 |
800万~999万円 | 56万5000円 | 約18万8333円 | 約1万5694円 |
1000万~1199万円 | 63万2000円 | 約21万667円 | 約1万7556円 |
1200万円以上 | 76万6000円 | 約25万5333円 | 約2万1278円 |
出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査 調査結果の概要」を基に算出し、筆者作成
年収400万円未満と比べて、年収1200万以上の平均学習費は2倍近く差があります。学校教育費以外にかけている費用にもよりますが、学習費が2倍以上差があるときは、年収の差も大きい可能性はあるでしょう。
授業料に差があるときは年収により制度の対象外になっているケースも
教育費全体ではなく支払っている授業料に差があるときは、年収の差は広くないケースもあります。
文部科学省「高等学校等就学支援金制度」によると、高等学校等就学支援金制度を利用すると、公立学校に通う生徒は最大で年額11万8800円、月額にして約9900円が支給されます。しかし、年収目安として、約910万円以上の世帯では基準を満たさないようです。
・市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額
そのため、年収が数十万円の差であっても授業料に月額1万円近く差が生じる場合があることが分かります。
教育費が2倍だからといって年収が2倍とは限らない
文部科学省の調査によると、公立高校の学校教育費総額は平均30万9261円でした。さらに、毎年発生する費用の平均を求めると、年間約9万1187円、月額で約7599円です。そのため、教育費が8000円程度なら平均と同じくらいと考えられます。
学習費全体でみると、総額の平均は51万2971円です。しかし、年収別でみると年収400万円未満なら41万1000円、年収1200万円以上なら76万6000円でした。この結果から、学習費全体が2倍ほどの差がある場合、年収も2倍ほど差がある可能性も少なくありません。
ただし公立高校の授業料では、高等学校等就学支援金制度が利用できます。制度には収入制限があり、目安として年収910万円以上は支給対象外です。そのため、年収の差が大きくなくても授業料に2倍以上の差が出るケースもあります。
出典
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 2 調査結果の概要(1,11,20ページ)
文部科学省 高等学校等就学支援金制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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