夫婦で「年収800万円」ですが、子ども3人を大学に通わせたいです。多子世帯なら「無償化制度」で、全員大学に進学させられますよね?

配信日: 2024.09.12

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夫婦で「年収800万円」ですが、子ども3人を大学に通わせたいです。多子世帯なら「無償化制度」で、全員大学に進学させられますよね?
大学無償化制度は2024年度から対象が拡大され、これまでよりも多くの世帯で利用できるようになりました。特に子どもが3人以上の多子世帯は所得制限が緩和されています。しかし、現状はまだ所得制限が撤廃されていないので、多子世帯であっても大学無償化制度を利用できない場合もあるので注意が必要です。
 
そこで本記事では、年収800万円の世帯で子どもが3人いる場合に大学無償化制度を利用できるのかについて解説していきます。2025年度からの変更点についても紹介するので、今後の参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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大学無償化とは?

大学無償化制度(高等教育の修学支援新制度)は、一定の要件を満たす学生が受けられる教育支援制度で、返済の必要のない「給付型奨学金」と授業料や入学金が減免される「授業料等の免除・減額」の2つがあります。一定の要件とは、次のとおりです。
 

・住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯であること
・学ぶ意欲のある学生であること

 
特に、1つ目の世帯年収の要件は380万円程度が目安だったので、多くの学生が利用できないことになっていました。例えば、事例のように世帯年収800万円の場合は、住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯ではないので対象になりません。そこで2024年度から世帯年収の要件が緩和されています。
 

2024年度からは多くの世帯が対象に

2024年度から、世帯年収の目安が600万円程度まで緩和されました。また、「多子世帯」と「私立学校の理工農系の学生」であれば大学無償化制度の対象となります。
 
多子世帯とは、扶養する子どもが3人以上いる世帯です。私立学校の理工農系の学生とは、学部や学科だけでなく授与する学位の分野で理学、工学、農学が含まれていると対象となります。
 
もっとも、多子世帯の場合は支給額が満額の4分の1、私立学校の理工農系の学生の場合は私立学校の文系との差額分、の支援なので注意してください。満額支給でないことを覚えておきましょう。
 
事例の場合は、3人の子どもが扶養されていれば多子世帯となりますが、目安年収の600万円を超えているので残念ながら対象となりません。要件は大きく緩和されていますが、「所得制限があるので利用できない世帯はまだまだ多い」といえます。
 

2025年度からは所得制限が撤廃

2024年度に所得要件の緩和がありましたが、2025年度からはさらに年収の要件が緩和されます。世帯所得については制限が撤廃となり、多子世帯であれば大学無償化制度を利用することが可能です。所得制限がなくなったことで多くの世帯が利用できるようになると期待されています。
 
また、給付額についても大きく変化があり、授業料等の免除・減額については全額の支援に変更されます。これまでは多子世帯の場合、対象となっても4分の1の支給だったので大きく改善されます。
 
事例のような世帯年収800万円で子どもが3人いる世帯の場合は、2025年度からの大学無償化制度であれば対象となり、全額の支給を受けられます。しかし、給付型奨学金については対象ではありません。
 
給付型奨学金は2025年度も所得制限があり、目安年収はこれまでと変わらず600万円程度です。そのため、事例の世帯では給付型奨学金は対象ではないので注意してください。
 

制度の内容や対象となる世帯を確認しておきましょう

2025年度からは世帯年収が撤廃されるので、さらに多くの世帯で大学無償化制度の利用が期待されています。授業料等の免除・減額については世帯年収に関係なく利用できるので事例のような世帯も対象になるのは大きな変化です。
 
しかし、給付型奨学金についてはこれまでと変わらず所得制限があるので注意しましょう。また、多子世帯も「扶養している子どもが3人いる世帯」なので、年長の子どもが扶養から外れてしまうと、2人目以降の子どもについては大学無償化制度の対象となりません。
 
大学無償化制度は注意点がいくつかあるので、制度の内容や対象となる世帯を確認しておきましょう。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度
文部科学省 「加速化プラン」による施策の充実 【多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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