更新日: 2024.09.13 キャッシュレス
近所のドラッグストアではキャンペーンの対象が“現金払い”限定です。キャッシュレスだとお店側はどのくらい手数料を負担するのでしょうか?
本記事では、キャッシュレス決済に伴う手数料についてご紹介するとともに、現金払い限定のドラッグストアがある理由も解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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キャッシュレス決済の仕組みと手数料
キャッシュレス決済には、クレジットカードのほか、電子マネー(例:Suica、nanaco)、QRコードなどの種類があります。
キャッシュレス決済のおおまかな仕組みは、おもに店舗、消費者、決済事業者の三者から成り立ちます。決済事業者とは、消費者と店舗の間で決済サービスを実行する機関です。例えばクレジットカードでの支払いなら、クレジットカード会社が決済事業者に当たるでしょう。
消費者がキャッシュレス決済を行うと、店舗は決済事業者を通して代金を受け取ります。このとき店舗は、決済事業者に対して手数料を支払います。
手数料は決済事業者などにより異なりますが、習志野市によると、おおまかな手数料率は表1の通りです。
表1
決済タイプ | 手数料率相場 |
---|---|
クレジットカード | 3.24%前後 |
電子マネー | |
バーコード | 1.6~3.24% |
出典:習志野市「キャッシュレス決済にはお金がかかる?」を基に筆者作成
決済手数料の一例を挙げましょう。ある店舗にて消費者がQRコード決済を行い、合計1000円の売上があったとします。仮に決済事業者の手数料が2%なら、店舗が決済事業者に支払う手数料は20円となります。
現金払い限定キャンペーンや支払い制約がある理由
今回のケースのように、現金払い限定のキャンペーンや、原則現金払いのみがOKでキャッシュレス決済は受け付けていない店舗がある理由として、以下の要素が関係しているかもしれません。
・初期費用や手数料負担がネックになっている
キャッシュレス決済を導入するのにかかる初期費用や、前述の手数料負担を気にしているのかもしれません。現金払いでは決済事業者を通さないため、手数料は発生しません。
・価格還元を意図している
決済手数料の負担がない分、商品を多少安くする余裕が生まれる可能性があります。
・入金サイクルをリアルタイムにしたい
現金払いは、即座に売上金が手元に入ります。一方キャッシュレス決済では、入金までにタイムラグが発生することもあるため、資金繰りのタイミングに不安を感じる店舗もあるでしょう。
キャッシュレス決済の利便性
キャッシュレス決済は、その利便性の高さから、今後普及が拡大するとの見方があります。政府も普及を後押ししており、経済産業省によると、2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にするという目標を掲げています。
消費者にとっての利便性
消費者にとっては、以下のような利便性があります。
・現金を持たずに決済できる(現金の持ち合わせがなくても決済できる)
・レジでスピーディーに支払える
・決済事業者が提供するサービスを使える(ポイント、旅行保険、割引など)
・ネットショッピングが自宅完結する
・家計簿アプリなどと連携することにより家計が管理しやすくなる
現金・キャッシュレス両方の決済手段に対応していれば、買い物できる場所の範囲がより広くなります。仮に、欲しい商品を最安価格で販売しているネットショップがキャッシュレス限定であっても、問題ありません。
店舗にとっての利便性
店舗側は、初期費用や決済手数料を払うとしても、以下のような恩恵を受けられるでしょう。
・レジ対応時間が短縮できる
・現金両替などの手間が減る
・現金の扱いが減ることで不正や盗難のリスクが減る
・POSシステムとの連動で売上管理が効率的になる
・キャッシュレス決済が主体の消費者を取り込める
業務効率化のほか、顧客拡大の観点からも、キャッシュレス導入について検討する価値はあるといえるでしょう。
キャッシュレス決済の手数料相場は1~3%台
店舗はキャッシュレス決済を利用する際に、おおむね1~3%台の決済手数料を決済事業者に支払っていると考えられます。
現金払い限定のキャンペーンや、現金のみの支払いを実施する店舗がある理由は、決済手数料や入金サイクルが関係しているからかもしれません。
出典
習志野市 キャッシュレス決済にはお金がかかる?
経済産業省 2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー