児童手当って10月から「全員」もらえるんですか?“所得制限”が撤廃されると聞いたのですが、「年収1000万円」のわが家も対象になるでしょうか?

配信日: 2024.09.28

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児童手当って10月から「全員」もらえるんですか?“所得制限”が撤廃されると聞いたのですが、「年収1000万円」のわが家も対象になるでしょうか?
子どもの養育費や家計の支えにもなる児童手当ですが、所得制限により減額や支給を停止されることがあります。しかし2024年10月から新制度となる児童手当では、所得制限の撤廃などにより、全員が手当を受給できるようになることをご存知でしょうか。
 
本記事では、現行制度と新制度の児童手当の金額や要件など、制度の概要を解説します。

10月から全員が児童手当をもらえる?

2024年10月から始まる新制度の児童手当では、子どもの年齢が支給対象の範囲内であれば、年収1000万円以上などの所得が多い人でも手当の支給対象となります。
 
現行制度の児童手当では、所得によって手当の減額や支給停止をされることがありましたが、新制度の児童手当では所得制限が撤廃されるため、所得による手当の減額や支給停止がありません。
 
児童手当の現行制度と新制度の概要をそれぞれ以下で解説するので、内容を確認し比較してみましょう。
 

現行制度の児童手当

現行制度の児童手当は、2024年9月まで適用される制度内容で、0歳~中学校卒業まで支給される手当です。
 
年齢や養育している児童数ごとの手当の金額は図表1の通りです。
 
図表1

    

2024年9月時点の制度内容
第1子・第2子 第3子
0歳~2歳 1万5000円
3歳~小学生 1万円 1万5000円
中学生 1万円

こども家庭庁 児童手当制度のご案内より筆者作成
 
現行制度では、0~2歳と第3子の3歳~小学生が月額1万5000円、その他は月額1万円が支給されます。所得が「所得制限限度額」を超えている場合は、年齢に関係なく一律月5000円、さらに所得が「所得上限限度額」を超えると支給停止となります。
 
手当の減額や停止に係る所得の限度額と収入の目安は図表2の通りです。
 
図表2

   
 

扶養人数(年収103万円以下の配偶者を含む) 所得制限限度額 所得上限限度額
所得金額 収入の目安 所得金額 収入の目安
0人(前年末に児童が生まれていない 等) 622万円 833万3000円 858万円 1071万円
1人 660万円 875万6000円 896万円 1124万円
2人 698万円 917万8000円 934万円 1162万円
3人 736万円 960万円 972万円 1200万円
4人 774万円 1002万円 1010万円 1238万円
5人 812万円 1040万円 1048万円 1276万円

こども家庭庁 児童手当制度のご案内より筆者作成
 
現行の児童手当は2024年9月末までの制度です。10月から始まる新制度の児童手当も確認しておきましょう。
 

新制度の児童手当

2024年10月から始まる新制度の児童手当では、これまでの児童手当制度から変更される点が多く、受け取る手当の金額も異なります。
 
新制度の児童手当では、高校生年代まで期間が延長され、3人目以降から適用される加算額も手厚くなります。新制度の児童手当の受給額は図表3の通りです。
 
図表3

    

2024年10月~
第1子・第2子 第3子
0歳~2歳 1万5000円 3万円
3歳~小学生 1万円
中学生
高校生

こども家庭庁 もっと子育て応援!児童手当
 
手当金額の他にも、新制度からの変更点には「所得制限の撤廃」や「隔月(2ヶ月に1回)での支払い」も挙げられ、より児童を養育する世帯への支援が拡充されます。
 
さらに、新制度では児童数としてカウントされる年齢も変更され、これまでの18歳から、手当の支給対象外となる22歳の被扶養者も児童数にのみ含まれるようになります。
 
そのため、新制度からの児童手当では、受給対象は18歳に達する日以後の最初の3月31日までですが、第1子としてカウントされるのは22歳に到達する日以後の最初の3月31日までとなります。
 
例えば、13歳・17歳・21歳の3人の子がいる場合、21歳は児童手当の受給対象外ですが、児童数としてカウントされるため、13歳は「第3子」として扱われます。
 
15歳・19歳・23歳だと、23歳は手当の受給対象外で児童としてカウントされませんが、19歳は受給対象外であっても、児童数のカウントにのみ含まれます。そのため15歳は第3子ではなく「第2子」として児童手当が支給されます。
 
また、以下の項目に該当する場合は、現行の制度で手当を受給できていなくても、新制度からは手当を受給できるようになるため、申請の手続きが必要です。

・現在児童手当の受給がなく、高校生年代の児童を養育している場合
 
・中学生以下の児童を養育しているが、所得上限額の超過により児童手当を受給していない場合

新制度の児童手当が始まると、これまで児童手当の受給対象とならなかった世帯も対象となるため、新制度から手当を受給できるようになる世帯は、新制度が開始された後に市区町村へ申請手続きをしましょう。
 

まとめ

2024年9月末までの児童手当は所得制限が設けられており、所得によっては減額や支給停止となります。
 
3人以上の児童を養育している場合も、上の子が18歳に到達する日以後の3月31日を超えると児童数から外れてしまうため、児童が2人以下となった時点で加算手当はもらえません。
 
しかし、2024年10月から始まる新制度の児童手当では、所得制限が撤廃されるため、児童の年齢が支給対象となる範囲であれば全員が手当を受給できます。
 
また、児童数に含まれる児童の年齢も、これまでの18歳から引き上げられて22歳までが対象となるため、3人以上の児童を養育している多子世帯も、より手厚い支援を受けることができるでしょう。
 
新制度の開始後は、これまで児童手当を受け取れなかった世帯も、子どもの年齢が対象となれば全員が受給できるため、新制度から対象となる世帯は10月以降に市区町村で申請をしてください。
 

出典

こども家庭庁 児童手当制度のご案内
こども家庭庁 もっと子育て応援!児童手当
 
執筆者:梅井沙也香
FP2級

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