2024年10月から児童手当が「月1万円」もらえるはずなのに、振り込まれないのはなぜ? これまで“所得制限”で対象外でしたが、月末になれば振り込まれるのでしょうか?
配信日: 2024.10.05
しかし、10月になっても児童手当が振り込まれず、「10月からもらえるんじゃないの?」と疑問を抱いている人もいるかもしれません。本記事では、児童手当の改正内容や、なぜ10月から支給が開始されないのか、その理由について詳しく解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
児童手当の制度改正の内容とは?
2024年10月から児童手当の制度が大幅に改正されました。主な改正内容は次のとおりです。
所得制限の撤廃
これまで、一定の所得を超えると児童手当が減額されたり支給されなかったりしました。しかし、この所得制限が撤廃され、児童を養育しているすべての家庭が、所得に関係なく児童手当を受け取ることが可能になったのです。
支給対象年齢の引き上げ
支給対象年齢が、「中学校を卒業する年齢まで」から「高校卒業に相当する年齢まで」に引き上げられました。具体的には、18歳の誕生日を迎えた最初の3月31日までの子どもが新たに対象となります。
支給タイミングの変更
支給回数が年3回から年6回に増えました。2月、4月、6月、8月、10月、12月の年6回、それぞれ前月までの2ヶ月分が支給されます。
第3子以降の手当額の増額
第3子以降の子どもの手当が、月額1万5000円から3万円に引き上げられました。
10月になっても児童手当が支給されないのはなぜ?
「10月から児童手当がもらえるはずなのに、まだ振り込まれない」と不安に感じている人もいるかもしれません。新しい児童手当制度は2024年10月から適用されましたが、初回の支給は2024年12月になります。10月から支給されるわけではないことに注意しましょう。
これは、児童手当が前月までの2ヶ月分をまとめて支給されるためです。具体的には、10月分と11月分を合わせた2ヶ月分の児童手当が、12月に振り込まれることになります。
このように、児童手当は「後払い」で支給されます。例えば、4月と5月分の手当は6月に、8月と9月分の手当は10月に振り込まれるのです。「今月もらえるお金は、2ヶ月前までの分」だと考えると分かりやすいでしょう。
新たに支給対象となる家庭は申請が必要
これまで所得制限で児童手当の対象外だった家庭や、高校生年代の子どもを養育している家庭は、住んでいる自治体に申請しなければなりません。自治体によって対応が異なりますが、新たに児童手当の対象となる家庭には申請勧奨の案内が送られています。
原則として、児童手当の申請が遅れると、申請した月の翌月分から開始されさかのぼって受け取ることはできません。ただし、「制度改正後に新たに対象になった人」の場合、2025年3月31日までに申請すると、2024年10月分からの児童手当を受け取れます。
「10月になったのに振り込まれない」という場合、そもそも支給タイミングを勘違いしていたことが考えられます。ただ、申請漏れがないかについても、改めて確認しておきましょう。
児童手当の新制度をしっかり理解しよう
2024年10月からの新しい児童手当制度は、多くの家庭にとって大きな経済的支援となるでしょう。ただ、初回の支給月は12月になることに注意が必要です。
新たに支給対象となる家庭は申請が必要です。支給開始時期や支給タイミングについてしっかり把握しておきましょう。
出典
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
執筆者:山田麻耶
FP2級