友人に貸した「50万円」が返ってきません。話し合うよりも「証明書」を送った方が話は早いですか?
配信日: 2024.10.10
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
基本はメールなどを使って催促し、返済を求める
50万円という金額はとても大きなものではありますが、返済を期待することが不可能な額とも一般的には言い切れません。まずは話し合いで解決できるよう、メールや電話など対話をメインとした方法で返済を求めます。
一般的にはやり取りの履歴が残るメールなどが望ましいですが、話し合いをスムーズに進められる場合は、相手方の了承を得て、録音した上で電話や対面などの説得をすることもよいでしょう。
逆に、口頭ではうまく話せなかったり、トラブルが生じることが予想されたりする場合は、電話や対面は避けるべきです。
内容証明郵便を利用する
50万円という金額は、相手方からそう簡単には返ってこないことも珍しくはありません。そのため「内容証明郵便」というものを用いて返済を促すことも有効です。内容証明郵便とは、「誰が誰宛に、いつ、どのような内容の文書を送ったのか」を郵便局が証明してくれるものです。
内容証明郵便は記載内容が事実であることを証明するものではなく、あくまでも内容文書(受取人へ送達する文書)の存在を証明するものに過ぎません。しかし、郵便局の配達員が対面で手渡しすることや決められた書式で書かれることが一般的であるため、相手に対する強い意志表示となり、自主的な返済を促すことが可能です。
内容証明郵便は弁護士や行政書士などの専門家に依頼すると、1万円から5万円程度となり、費用は依頼先によってさまざまです。しかし、自分で書くことができれば、日本郵便株式会社より、1枚当たり1070円で出すことも可能です(一般書留、定形郵便物の場合)。
1000円程度の費用と手間で、50万円を返済してもらえるのであれば、十分支払いをする価値はあるといえるでしょう。
相手にお金がない場合はどうすればいい?
相手にお金がなければ、どうあがいても返済を受けることは難しいでしょう。無い袖は振れません。50万円は一朝一夕に用意することが難しい金額です。もしかすると、一括返済を自分が相手に迫っている、あるいはそう思われていることで、返済できないのかもしれません。
一度、分割返済や返済期間の延長を打診してみましょう。そうすることで友人に余裕が生まれ、お金の返済を受けられる場合があります。
また、返済条件や期間を決めた際は、可能な限り契約書や誓約書を作成して、その話し合いの証拠を作っておくべきです。そうすることで、当事者間で「言った・言わない」の争いを避けることができ、かつ、後々裁判手続きをすることになった場合に、それを証拠のひとつとして利用することもできるからです。
まとめ
裁判を使わずに、50万円というお金を返してもらうには、ただ単に返済を請求しつづけても、うまくいきません。内容証明郵便でこちらの意志を強く示したり、話し合いの上で分割返済や返済期間の延長を打診したりするなど、柔軟な対応をすべきでしょう。
出典
日本郵便株式会社
執筆者:柘植輝
行政書士