更新日: 2019.01.08 家具・片付け
片づけの美学③ まわりまわって、節約になる。「お片づけをプロに頼む」という選択
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
目次
どんなサービスがあるのか?
基本的には、お片づけサポートをする事業者が私たちの自宅・職場に直接来て、現場を見て状況を把握してくれます。その上で作業をしてくれたり、アドバイスをくれたりするというものです。大きく分けると、お片づけを手伝ってくれる「お片づけサービス」、お片づけの方向性を示してくれる「お片づけアドバイス」、お片づけの正しい方法を教えてくれる「お片づけレッスン」、不用品を持ち帰ってくれる「不用品回収」、他にも亡くなった方のお片づけを代行する「遺品整理サービス」などもあります。自己流のお片づけに疲れ、効率的なお片づけを直接詳しい人に教えてもらいたいという方にもぜひ利用していただきたいサービスです。
プロに依頼1 お片づけサービス
事業者が、私たちの自宅や職場に来て、お片づけを手伝ってくれるというものです。事前に見積もりに来てくれる場合が多いので、「どの範囲にどのくらいのモノがある」ということを伝えます。すると、作業にどのくらいの時間がかかり、何名の人員が必要かということを見積もってくれます。お片づけ作業は後日という流れが多くなります。事業者ごとで金額はまちまちですが、5000円程度(1名1時間)が相場かと思います。所要時間の目安は、持っているモノの量で作業時間が大幅に変わるので一概には言えませんが、複数名で作業をしても、クローゼットで半日程度(3万円~)、キッチンだと半日~丸1日程度(3万円~)必要になる場合が多いです。
先ほど、「お片づけを手伝ってくれる」と書きましたが、事業者は作業のお手伝い、伴走をするのが役割で、主体はモノの持ち主であるお客様(依頼主)になります。
事業者はプロとしてのアドバイスはしてくれますが、判断はできません。それぞれのモノに対して、使っているモノか、不要なモノなのか、思い出のあるモノか、世界に1つだけの大切なモノなのかどうかは、依頼主である、私たちにしかわからないことだからです。大切なモノがうっかり廃棄されてしまっては、取り返しがつきません。ですから、事業者がお片づけに来てくれた場合でも、使っているモノと処分するモノを分けていく判断は、依頼主がする必要があります。そのため、作業にはもちろん立ち合いは必須。家事代行サービスに依頼する時のように、すべておまかせ!という気持ちだと、「思っていたのと違う!」という残念な行き違いが起こりかねません。
費用と時間はかかりますが、提示された時間内に片づいた状態にしてくれるので、一人では途中で挫折してしまう、という方にも適したサービスだと思います。
プロに依頼2 お片づけアドバイス・収納アドバイス・片づけコンサルティング
上記のお片づけサービスのように片づけ作業のサポートや立ち会いは含まれません。事業者が自宅や職場に来て、現場を診断してくれるところは同様です。依頼主が自力で片づけられるように、お片づけの方向性を相談し、筋書きを描いてくれます。収納の設計図のようなものを提出してくれるところが多いようです。このサービスも事業者ごとで金額はまちまちですが、1万円~2万円程度(2時間)が相場かと思います。
自分にぴったりのアドバイスは欲しいけれど、持っているモノを逐一見られるのは抵抗があるという方や、自分のペースでゆっくり作業したい方に適しているサービスだと思います。
プロに依頼3 お片づけレッスン
お片づけの正しい方法を学ぶことで身に着けていく方法です。1回から複数回受講するセミナーなど、いろいろなものがありますので、学びたいスタイルを自分で選ぶことができます。私が講師をしている「整理収納アドバイザー2級認定講座」では、モノの持ち方から見直していき、最終的にはモノの減らし方・収納の考え方をお教えしています。この認定講座は「整理収納アドバイザー」の資格も取れるので人気があります。他人が自宅に入る事に抵抗がある方や、守秘義務から社外の人を職場に入れられない場合には、家族や社員の一人が正しい知識を身に着けて、皆に展開していくのもいい方法だと思います。
プロに依頼4 不用品処分サービス
事業者が廃棄するモノをトラックで持ち帰ってくれるというサービスです。処分するモノを分別する必要がないことが最大のメリットです。粗大ゴミになる大きな家具やリサイクル家電も一気に処分してもらえます。不用品の処分が億劫な方にはぴったりのサービスです。また事業者によっては、不用品の買取サービスもしており、回収代金から値引きしてもらえるケースもあるようです。金額の目安は軽トラック1台分で1.5万円~2万円程度。不要なモノがはっきり決まっている場合はとても有効なサービスだと思います。
プロに依頼5 遺品整理サービス
サービス内容は不用品処分サービスと類似しますが、写真などの思い出のモノを遺品供養してくれたり、片づけながら貴重品を探してくれるというサービスを提要している事業者もあります。金額の目安は1ルームで5万円〜8万円程度。縁遠くなっていた親類の遺品整理に利用されている方が多いようです。
費用対効果を考える
各サービスを比較してみると、ある程度の出費になることがわかります。費用をかけてお片づけを人に頼むなんて、少し前までは考えられない事だったかもしれません。それだけ日本が豊かになり、私たちが多くのモノに囲まれて暮らしている証拠です。
これらのサービスを利用することなく、効率的にスマートに暮らすことができればいいのですが、忙しい現代人はお片づけまで手が回らない人が多いことも事実。
片づかないと嘆くよりも、サービスを利用して素早く身軽になると、後の暮らしが大きく変わります。
今回は具体的な事業者を上げていませんので、気になる方はキーワードで検索してみてください。多くの事業者を見つけることができます。その際は、サービス内容のご確認をしっかりして、「思っていたのと違う!」ということが起こらないようにご注意くださいね。