更新日: 2024.10.15 子育て

来年から大学の費用が「無償化」されると聞きました。子どもが3人で「世帯年収600万円」ですが、大学の費用は貯蓄しなくても大丈夫でしょうか?

来年から大学の費用が「無償化」されると聞きました。子どもが3人で「世帯年収600万円」ですが、大学の費用は貯蓄しなくても大丈夫でしょうか?
2025年度から多子世帯の「大学無償化制度」が始まります。この制度を利用すれば、国が定める一定の金額までは大学などの授業料・入学金が無償となります。大学の入学金や授業料は決して安くはないため、多子世帯にとっては非常に心強い制度だと言えるでしょう。
 
この制度の条件としては、子どもを3人以上同時に扶養することが挙げられます。本記事では、子どもが3人いる世帯年収600万円の場合、この制度を利用すれば大学の費用を貯蓄する必要がないのか解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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2025年度から始まる大学無償化制度の概要

2025年度から始まる大学無償化制度は、正式名称を「高等教育の修学支援新制度」と言いますが、大学無償化制度自体は2020年4月からある制度です。
 
2025年度からは、従来の制度から一部条件が変更となっています。具体的には、現行制度では所得制限がありますが、2025年度からは所得制限が撤廃され、子どもを3人以上同時に扶養している間は、所得がどれだけ高くても国が定める一定の額まで大学などの授業料・入学金が無償です。
 

子どもが3人いれば大学の費用の準備は不要?

大学無償化制度を利用すれば、子どもが3人以上いる世帯では大学費用の準備が不要かというと、そうではありません。
 
なぜなら、この制度を利用できるのは「子どもを3人以上同時に扶養している」という条件があるからです。例えば、現在大学1年、中学2年、小学6年の子どもがいるとします。この場合、第1子が大学生の間は「3人同時に扶養している」状態ですので、大学無償化制度を利用できます。
 
しかし、第1子が大学を卒業し社会人となり、その後第2子が大学生になったとします。この時点では、子どもの扶養は2人だけですので、大学無償化制度は利用できません。そのため、第2子と第3子が大学に行く場合、入学金や授業料は各家庭で準備する必要があります。
 
また、大学無償化制度の対象はあくまでも授業料と入学金ですので、生活費は対象外です。そのため、子どもが自宅を出て一人暮らしをする場合、一人暮らしの生活費は各家庭で捻出しなければなりません。
 
一人暮らしの生活費は居住する地域や生活の仕方などによってさまざまです。
 
全国大学生活協同組合連合会の調査によると、2023年の一人暮らしの大学生の支出の平均は1ヶ月あたり12万7500円ですので、1つの目安にすると良いかもしれません。
 

大学の資金が足りない場合の対処法

大学無償化制度を利用したとしても、一人暮らしの生活費は必要ですし、「子どもを3人同時に扶養している」場合でなければ、入学金や授業料も工面する必要があります。
 
大学無償化制度でカバーされない必要なお金は、各家庭で準備する必要がありますが、毎月の収入や貯蓄だけではどうしようもない場合もあるでしょう。
 
その際にお金を捻出する手段はさまざまですが、例えば、奨学金や教育ローン、アルバイトなどが挙げられます。
 
奨学金は、日本学生支援機構の給付型奨学金や貸与型奨学金をはじめ、多くのものなどがあります。それぞれ条件がありますので、まずは確認してみましょう。
 
教育ローンについては、保険会社や銀行、日本政策金融公庫などが提供しています。
 
子ども自身がアルバイトをして学費などを稼ぐ手段も有効です。学業と両立できる範囲でアルバイトに励むことで、社会の勉強にもなるでしょう。
 

まとめ

2025年度からの大学無償化制度では、年収についての制限がなくなりました。ただし、制度を利用できるのは「3人同時に扶養している」間だけです。
 
また、一人暮らしの生活費についてはこの制度では支給されません。支給されるものとされないものをしっかりと把握し、家庭で準備するべき費用を計算しておきましょう。
 

出典

文部科学省 高等教育の修学支援新制度
全国大学生活協同組合連合会 第59回学生生活実態調査 概要報告
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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