更新日: 2024.10.15 その他暮らし

東京住みなら30歳まで「実家暮らし」でいいでしょうか?25歳になって周りが「一人暮らし」を始めましたが、焦るべきですか?

東京住みなら30歳まで「実家暮らし」でいいでしょうか?25歳になって周りが「一人暮らし」を始めましたが、焦るべきですか?
貯蓄や収支バランスの面から、実家から職場に通う方は珍しくありません。特に東京都は家賃相場が高い傾向にあるため、一人暮らしだと生活がギリギリという方も少なくないでしょう。現実には、両親と一緒に暮らしていても、結婚や転勤を機に独り立ちが必要になる可能性はあります。
 
今回は、そのようなライフイベントがなくても、周囲が一人暮らしを始めて「自分はこのままでいいのだろうか」と焦ってしまう方のために、25歳の一人暮らしについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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一人暮らしをしている25歳はどれくらいいる?

総務省統計局が公表した「令和2年国勢調査」によれば、25歳~34歳の人のうち、一人暮らしをしている割合は男性が28.8%、女性が19.7%でした。全年齢、男女合計では、38.1%です。単独世帯以外では結婚して自身の家庭を持っているという世帯もあると思われますが、若い世代で一人暮らしをしている方は、全体では半数にも満たないことが分かりました。
 
実家暮らしにおける最大のメリットは、貯蓄を多くできるところです。給与から一定額を家に入れたとしても、一人暮らしをするよりは貯蓄に回せる金額は多いでしょう。住居を分けないため賃料や住宅の維持費は節約できますし、ライフラインの基本使用料も1世帯分で済みます。収入が少ないまたは貯蓄を重視したい場合は、実家暮らしのほうが有利です。
 

一人暮らしにかかる費用

総務省統計局が公表した「家計調査 家計収支編(2023年)」の単身世帯の家計収支によると、賃貸暮らし(民営借家)における1ヶ月あたりの平均消費支出額の内訳は表1の通りです。
 
表1

費用項目 金額
食料 3万9202円
住居 5万3691円
光熱・水道 1万1814円
家具・家事用品 5236円
被服および履物 4675円
保健医療 6209円
交通・通信 2万4618円
教養娯楽 1万8943円
その他 2万4863円
合計消費支出額 18万9252円

出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表(2023年)」を基に筆者作成
 
表1の数値は全国平均のため、地価の高い東京都などの都市部では賃料が上昇する可能性はあります。総務省統計局が実施した「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、東京都の民営借家における1ヶ月の家賃平均は、9万3973円でした。上記の全国平均より4万円ほど高いため、毎月の消費支出合計は20万円以上になると推測されます。
 
ただし、一口に東京都といっても、エリアによっては安い賃料のところも存在します。物件探しにこだわれば、表1の住居費に近い物件は見つかるでしょう。
 

一人暮らしを始める際にかかる費用

実家を出て一人暮らしを始める際、賃貸物件の仲介手数料や家具・家電の購入など、高額な初期費用がかかります。このあたりは物件の賃料や個人の趣味嗜好(しこう)によって変わりますが、数十万円単位の費用は覚悟しなければなりません。
 
例えば、家具・家電を一式すべて購入する場合は、少なくとも20万円以上で見積もっておいたほうがよいでしょう。また実家にある自分の物を持っていくなら、引っ越し費用がかかります。
 
さらに賃貸物件の仲介手数料や敷金・礼金、鍵の交換代や保険料といった諸費用を合わせると、賃料の5ヶ月分程度の費用がかかる可能性があります。実家を出て一人暮らしを始めるなら、ある程度のランニングコストを用意しておかなければならないと分かります。
 

一人暮らしはどんな人におすすめ?

貯蓄や生活費の面では、実家にいたほうがコストを抑えられます。もっとも、以下の問題や願望がある場合、一人暮らしを検討してもよいでしょう。

●実家から職場が遠い人
●自由なライフスタイルを楽しみたい人
●独り立ちしたい人

一人暮らしなら友人や恋人を自宅に招きやすいですし、職場の近くに引っ越すことも可能です。実家暮らしよりも自由度は高いため、自分らしく自由に生きたい方にはおすすめといえるでしょう。
 

一人暮らしは金銭的余裕を考慮して判断しよう

総務省統計局のデータによると、25歳~34歳で一人暮らしをしている人の割合は、38.1%です。全体で見れば半数にも満たないため、一人暮らしを焦る必要はないでしょう。
 
「周囲が始めたから」という理由ではなく、一人暮らしを始めた場合の収支バランスで判断する必要があります。特に貯蓄の面では、一人暮らしより実家のほうが有利です。一人で賃貸物件に住むと毎月の支出で生活がギリギリといったケースも珍しくないからです。一人暮らしを始めるにしても、賃料や生活費を差し引いたうえで十分な貯蓄に回せるか、先にシミュレーションしておくとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 結果の概要 V 世帯の状況 1 世帯の種類・家族類型 表V-1-1 世帯の家族類型別一般世帯数の推移(2005年~2020年)(35ページ)、表V-1-1 世帯の種類・世帯の家族類型,年齢(10歳階級),男女別世帯人員の割合(2020年)(38ページ)
e-Stat 政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 2023年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号8 住居の所有関係別
e-Stat 政府統計の総合窓口 総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 民営借家<専用住宅>の状況 表番号130 住宅の建て方(5区分)、延べ面積(6区分)別住宅の1か月当たり家賃(19区分)別民営借家(専用住宅)数及び1か月当たり家賃-全国、都道府県、市区
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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