更新日: 2024.10.21 その他暮らし
違法駐車をしている車への追突事故!この場合、「追突した側」と「違法駐車車両」のどちらが悪いの?
今回は、追突した側と違法駐車車両側、それぞれの責任を確認し、追突した側の過失割合が「10対0」になるケースとならないケースについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
追突した側の責任
違法駐車している車に追突した場合は、前方不注意や車間距離の保持不足と見なされ、道路交通法第二十六条の「車間距離の保持」に違反する可能性があります。道路交通法の第二十六条には「同じ車線を進行中に直前の車両が急停止した場合でも、追突を避けるために必要な距離を保たなければならない」と書かれています。
道路交通法の第二十六条に違反した場合は、一般道路で5万円以下の罰金、高速道路では3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されるため注意が必要です。
また、物損事故なのか、人身事故なのかによっても罰則の内容が変わります。仮に人身事故の場合は、相手の状況によって「基礎点数」と「付加点数」が決まり、点数によっては刑事罰となる可能性もあります。
違法駐車車両側の責任
追突された側も違法駐車の場合は、道路交通法の第四十四条に違反しているため、罰則が科される可能性があるでしょう。道路交通法の第四十四条には「交差点や横断歩道などの駐停車禁止区域や、道路標識に示されている禁止区域などでは、駐停車をしてはならない」と記載されています。
時間制限駐車区間以外の場所かつ、駐停車禁止場所に車を放置した場合は、1万円〜2万7000円の罰金と違反点数3点が科されます。また、駐車禁止場所に車を放置した場合は、9000円〜2万3000円の罰金と違反点数2点が科されるため、注意が必要です。
追突した側と違法駐車した車両側で、どちらの過失が大きい?
追突事故を起こした場合、一般的には、追突した側の過失が大きくなる可能性が高いようです。しかし、事故の状況によっては、過失の割合が少なくなる可能性もあります。
ここでは、追突した側の過失割合が「10対0」になるケースと、ならないケースについて解説します。
追突した側の過失割合が「10対0」になるケース
追突事故を起こして、追突した側の過失割合が「10対0」になると想定されるケースは、以下の通りです。
●前方不注意(わき見運転、運転中のスマートフォン操作、運転中のカーナビ操作など)
●前方車両が法定速度で走行中に、スピード超過により追突
●車間距離の保持不足
●高速道路で十分な車間距離があったにもかかわらず、急激にスピードを上げて追突
●路肩に一時停止中の車に追突
前方の車に気づかず追突してしまったり、気づいていながらもスピードを出し過ぎて止まれなかったりした場合は、追突した側の過失割合が10対0となる可能性があります。
例えば、路肩で緊急一時停止をしている車に追突した場合は、追突した側に全面的に非があると判断される可能性が高いでしょう。
追突した側の過失割合が「10対0」にならないケース
追突事故において、追突した側の過失割合が「10対0」になりにくいケースは、以下の通りです。
●前方を走行中の車が、追い越しを妨害した
●前方を走行中の車が、意味のない急ブレーキをかけた
●前方の車が、夜間にもかかわらずライトをつけずに走行していた
●前方の車が「駐停車禁止エリア」に駐停車していた
前方を走行中の車に過失がある状態で追突事故を起こした場合は、過失割合が10対0になりにくいです。例えば、スムーズに追い越しをさせなかったり、意味のないところで急ブレーキを踏んだりした場合が該当するでしょう。
また、前の車がライトをつけておらず、認識できなかったケースでも、前方の過失が認められる可能性があります。さらに、「駐停車禁止エリア」に駐車している車両に追突した場合も、追突した側の過失が軽減されるかもしれません。
ただし、いかなるケースにおいても、事故が起きた背景や具体的な状況を基に、過失割合を確定します。そのため、違法駐車車両に追突した場合の過失割合を気にするよりも、追突事故を起こさない運転を心がける方が重要といえるでしょう。
「追突した側」と「違法駐車車両」の過失割合は事故の状況によって決まる
違法駐車をしている車両に追突した場合、「追突した側」と「違法駐車車両」の過失割合は、時間帯や場所、視界のよし悪しなど、具体的な事故状況によって決められるようです。
一般的な追突事故の場合は、追突した側が悪いと判断されるケースが多いようですが、違法駐車が原因で追突した場合は、違法駐車車両の過失割合が大きくなる可能性もあります。
ただし、車間距離を保つことは法律で定められたルールであるため、前方をよく確認し、安全な距離を確保して運転しましょう。
出典
警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表 放置・駐停車に関する反則行為
デジタル庁 e-Gov 法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第八章 罰則 第百十九条 第百二十条
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー