実家の掃除をしていたら15年前の「通帳」が出てきました。引き出しはもう諦めるしかないでしょうか?
配信日: 2024.11.02
本記事では、休眠預金など古い口座の扱いや対処方法をご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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古い通帳でもお金の引き出しは可能?
古い通帳でも基本的にお金を引き出すこと自体は可能ですが、口座に残っているお金の扱いが変わっている可能性があります。
2018年1月から施行された「休眠預金等活用法(正式名称「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」)」により、10年間取引がない預金は「休眠預金」とされてしまうためです。
休眠預金となったお金は、金融機関から預金保険機構へと移管されてしまい、民間での公益的な活動などの支援事業に活用されます。しかし、預金口座からお金自体が消滅するわけではないので、引き出すこと自体は可能です。
休眠預金になる条件
休眠預金への移行は告知なしに勝手に行われることはありません。政府広報オンラインによれば、入出金など最後の異動から9年以上経過し、近いうちに休眠預金になるおそれがある場合には、預金してある各金融機関のウェブサイトにて公告されます。
また、預金残高として1万円以上ある場合には、預けてある金融機関より登録済みの住所へ通知が送付されます。通知が届けば休眠預金にはなりません。しかし、宛先不明などで戻ってしまうと、休眠預金になってしまう可能性があります。
郵送に代えてメールで通知が届くケースもあり、受信が確認されれば休眠預金にはならないようです。しかし、もしメールが届かずにエラーメールと判断された場合などには休眠預金となってしまうでしょう。
ただし、預金残高が1万円未満だと通知自体が送付されないため、知らないうちに休眠預金となっているケースも考えられます。
休眠預金になったときの対応方法
休眠預金となってしまった後でも、預金を金融機関から引き出すことは可能です。ただし、ATMではなく、通帳やキャッシュカード、本人確認書類などを用意し、金融機関の窓口で所定の手続きが必要になります。
通帳やキャッシュカードが見つからない場合でも、本人確認書類などを提示して手続きをすれば引き出すことは可能なようです。具体的に必要な書類については、取引のあった金融機関に問い合わせてみましょう。
また、取引のあった金融機関が合併などで他の金融機関になった場合には、引き継いだ現在の金融機関で引き出しの手続きを行う必要があります。
預金者が亡くなっていても、金融機関で所定の手続きをすることで、相続人が引き出すことも可能です。休眠預金になっていそうな通帳が出てきたら、まずは金融機関へ問い合わせてみましょう。
休眠預金を防ぐ方法
休眠預金にされないためにも、定期的に預金口座で「取引」をしましょう。入出金するだけでも、取引をしたとカウントされます。ただし、通帳記帳や残高照会では、金融機関によっては「取引」が実施されたと判断されないケースもあります。
また、休眠預金の通知が届くように住所やメールアドレスの情報は常に最新の状態にしておきましょう。
複数の口座を利用している場合には、預金口座の整理をしておくことも大切です。引っ越しにより使わなくなった口座を解約するなど、こまめに管理することで、自分がどのくらいの預金があるのかをきちんと把握できます。
大切な資産を守るためにも、定期的に預金口座の状態を確認しておきましょう。
15年前の通帳でも基本的にお金の引き出しは可能
15年前の通帳でも基本的にお金を引き出すことはできるため、一度金融機関へ問い合わせてみましょう。すでに「休眠預金」になっていると引き出すためには金融機関の窓口での手続きが必要となります。通帳やキャッシュカード、本人確認書類など必要な書類を確認し、手続きをしましょう。
出典
政府広報オンライン 放置したままの口座はありませんか?10年たつと「休眠預金」に。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー