子どもが3人おり、3人とも大学進学させたいと考えています。貯金額が目標であった「1000万円」に到達しましたが、これでは足りない気がします……。あといくら必要でしょうか?

配信日: 2024.11.05

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子どもが3人おり、3人とも大学進学させたいと考えています。貯金額が目標であった「1000万円」に到達しましたが、これでは足りない気がします……。あといくら必要でしょうか?
「大学進学のための資金を準備(貯蓄)できたけど、足りない気がする」、と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。例えば、子どもが3人いる方が「目標額である1000万円を貯蓄できたけど、本当に大丈夫だろうか」と思われても不思議ではありません。
 
本記事では「大学進学の費用はいくらかかるのか」「子どもが3人いる場合の大学進学の資金は1000万円で足りるのか?」について解説します。1人当たりの大学進学の費用(進路別)についても紹介していますので、大学進学前の子どもがいらっしゃる方の参考になると思います。ぜひ、最後までお読みください。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

大学進学の費用はいくらかかるのか?

大学進学にかかる費用は、子どもの進路によって異なります。令和5年度の国立大学・公立大学・私立大学(文科系学部)・私立大学(理科系学部)・私立大学(医歯系学部)の主な学費(入学料・授業料・施設設備費)は図表1のとおりです。
 

入学料 授業料 施設設備費 合計
国立大学
(4年間)
28万2000円 214万3200円
(53万5800円/年)
242万5200円
公立大学
(4年間)
37万4371円 214万4764円
(53万6191円/年)
251万9135円
私立大学
(文科系学部、4年間)
22万3867円 330万8540円
(82万7135円/年)
57万5352円
(14万3838円/年)
410万7759円
私立大学
(理科系学部、4年間)
23万4756円 465万952円
(116万2738円/年)
53万1824円
(13万2956円/年)
541万7532円
私立大学
(医歯系学部、6年間)
107万7425円 1718万2278円
(286万3713円/年)
528万3396円
(88万566円/年)
2354万3099円

※文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」資料1, 参考2をもとに筆者作成
 

子どもが3人いる場合の大学進学の資金は1000万円で足りるのか?

問題は、「大学進学の資金は1000万円で足りるのか?」ということです。先述のとおり、大学進学にかかる費用は子どもの進路によって異なります。したがって、大学進学の資金が1000万円で足りるかどうかを検証するためには、まず3人の子どもがどの進路を選ぶかを仮定しなければなりません。
 
前章では5種類の進路と学費を紹介しましたが、話を簡単にするために以下の条件を付け加えることにします。

●国立大学と公立大学を「国公立大学」とし、学費を252万円とする
●私立大学(文科系学部)の学費を411万円とする
●私立大学(理科系学部)の学費を542万円とする
●私立大学(医歯系学部)は進路として考慮しない

子ども3人の進路の組み合わせと学費の総額は、以下のとおりです。

(1)3人とも国公立大学に進学:756万円(= 252万円× 3人)
(2)2人が国公立大学・1人が私立大学(文科系学部)に進学:915万円(= 252万円× 2人+ 411万円× 1人)
(3)2人が国公立大学・1人が私立大学(理科系学部)に進学:1046万円(= 252万円× 2人+ 542万円× 1人)
(4)1人が国公立大学・2人が私立大学(文科系学部)に進学:1074万円(= 252万円× 1人+ 411万円× 2人)
(5)1人が国公立大学・1人が私立大学(文科系学部)・1人が私立大学(理科系学部)に進学:1205万円(= 252万円× 1人+ 411万円× 1人+ 542万円× 1人)
(6)1人が国公立大学・2人が私立大学(理科系学部)に進学:1336万円(= 252万円× 1人+ 542万円× 2人)
(7)3人とも私立大学(文科系学部)に進学:1233万円(= 411万円× 3人)
(8)2人が私立大学(文科系学部)・1人が私立大学(理科系学部)に進学:1364万円(= 411万円× 2人+ 542万円× 1人)
(9)1人が私立大学(文科系学部)・2人が私立大学(理科系学部)に進学:1495万円(= 411万円× 1人+ 542万円× 2人)
(10)3人とも私立大学(理科系学部)に進学:1626万円(= 542万円× 3人)

以上のことから、大学の資金が1000万円で足りるのは(1)または(2)のときのみであるということが分かります。それ以外のときは大学資金が1000万円では足りず、何らかの対策が必要になります。
 

まとめ

大学進学の費用は子どもの進路によって異なり、国立大学なら約243万円、私立大学(医歯系学部)なら約2355万円とかなり幅があります。子どもが3人いればそれだけ組み合わせも多くなり、大学進学にかかる費用について計画することも難しくなります。
 
「子どもが3人いる場合の大学進学の資金は1000万円で足りるのか」という問題に対する結論は、「子どもの進路によって足りることもあれば足りないこともある」という曖昧なものにならざるを得ません。
 
本記事では大学進学の費用をまとめて計算をしましたが、本来であれば費用が発生する時期・資金が必要になる時期を踏まえて資金計画を行うべきです。キャッシュフロー表を作成するのがよいでしょう。
 
キャッシュフロー表を作成することでお金の流れが可視化できます。キャッシュフロー表を作成する、またはファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、どのような対策を取るべきなのかも見えてくるのではないでしょうか。
 

出典

デジタル庁 e-Gov法令検索 国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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