10月から「高校生」も児童手当の対象になると聞きました。17歳の子どもがいるので申請したのですが、まだ振り込まれていません。ほかにも“手続き”が必要なのでしょうか?
配信日: 2024.11.13
本記事では、児童手当の改正内容や申請について、10月に児童手当が振り込まれない理由と併せて解説します。
執筆者:梅井沙也香(うめい さやか)
FP2級
改正で支給対象者が増えた
児童手当制度の改正により対象者の範囲が拡大されたことで、2024年10月分の児童手当から支給される対象者が増えました。児童手当制度の主な改正内容は次の通りです。
・所得制限の撤廃
2024年10月より前の児童手当制度では、所得制限限度額(図表1)を超えた場合、児童の年齢に関わらず、支給額の減額または支給停止となっていました。しかし、今回の改正で、一切の所得制限が撤廃されました。
所得制限が撤廃されたことで、対象児童を養育する全世帯が児童手当を満額で受給できるようになりました。
図表1
横浜市 児童手当-所得の基準額についてより筆者作成
・対象年齢の延長
従来の児童手当の対象となる年齢は、中学校修了(15歳の誕生日以後の最初の3月31日)まででしたが、改正によって、高校生年代(18歳の誕生日以後の最初の3月31日)まで延長されました。
・多子加算の増額
第3子以降の児童に対する支給額は、これまで「3歳から小学校修了まで月額1万5000円」でしたが、改正により「0歳から高校生年代まで月額3万円」に増額されました。
・支給月の変更
これまでの児童手当は「2月・6月・10月」の年3回、それぞれ4ヶ月分が支給されていました。今回の改定により「2月・4月・6月・8月・10月・12月」の年6回(隔月)に、2ヶ月分ずつ支給されるようになります。
今回の制度改正により新たに児童手当の対象者となった人で、以下に該当する人は申請が必要です。
・これまで所得制限により児童手当や特例給付が支給されていなかった人
・高校生年代の児童のみ養育している人
・親等の経済的負担のある22歳年度末までの児童がいる多子世帯
改定内容が適用される2024年10月分からの児童手当を受給するには、2025年3月31日までに居住の市区町村に申請をする必要があるため注意してください。基本的には、居住の市区町村から通知書や申請書等が送付されてくるため、期限までに提出するようにしましょう。
申請しても10月には振り込まれない
10月から児童手当の対象となる人でも、実際に手当が振り込まれるのは翌々月の12月です。10月に手当は振り込まれないため注意してください。
児童手当の改正に伴い手当の申請をすると、2024年10月分から手当の対象となりますが、児童手当は支給月に前2ヶ月分が一括で振り込まれるため、10月・11月分は12月に振り込まれるのです。2024年10月からの児童手当の金額は図表2の通りです。
図表2
横浜市 児童手当-令和6年10月から児童手当の制度改正(拡充)がありますより筆者作成
今回の改正で新たに児童手当が支給される人や金額が変更となる人は、12月の振込から金額が変更となるため、注意しましょう。
まとめ
2024年10月から制度が改正され、所得制限の撤廃や対象年齢の引き上げなどが行われたことにより、10月分から新たに児童手当を支給されるようになったという人も多いでしょう。
今回の改正により新たに児童手当を受給できるようになった人は、2025年3月31日までに居住の市区町村に申請をすることで10月分から手当が支給されるようになります。
対象となる人は、居住の市区町村から届いた申請書や必要書類などをなるべく早めに提出しましょう。
注意したいのが、児童手当は支給月の前2ヶ月分を支給月に一括で振り込まれるため、10月・11月分の児童手当が実際に振り込まれるのは12月の支給日だという点です。「10月を過ぎたのに振り込まれていない」と焦らなくても大丈夫です。
出典
政府広報オンライン 2024年10月分から児童手当が大幅拡充!対象となるかたは必ず申請を
横浜市 児童手当-所得の基準額について
こども家庭庁 もっと子育て応援!児童手当
横浜市 児童手当-令和6年10月から児童手当の制度改正(拡充)があります
執筆者:梅井沙也香
FP2級