更新日: 2024.11.14 その他暮らし
5年住んだ賃貸マンションの退去時に「畳を交換してくださいね」と言われてしまいました。修繕費はいくらかかりますか?
本記事では、畳の交換にかかる修繕費の相場や、交換費用の負担義務、交換が必要になる理由、退去時の敷金返却などについてまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
畳の交換費用の相場は?
日常生活において、家具の重みや足が踏む回数、湿気や汚れなどで畳が劣化することは避けられません。色あせやほころびが目立つ畳は交換が必要です。
畳の表替え(畳表のみを新品に交換)の相場は、1畳当たり4000円~1万3000円程度といわれています。仮に6畳の部屋ですべて表替えするのであれば、合計で2万4000円~7万8000円ほどかかる計算です。
また、裏返し(畳床から劣化した畳表を剥がし裏返してきれいな部分を表にする)の場合は、1畳当たり4000円~9000円程度が相場とされています。なお、これらの費用は地域や業者によって異なるため、参考価格としてください。
賃貸住宅の原状回復義務とは
賃貸住宅には「原状回復義務」があります。原状回復とは、賃貸住宅を退去する際、借りていた部屋を入居時の状態に戻すことです。
国土交通省住宅局の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、「次の入居者を確保する目的で行う設備の交換、化粧直しなどのリフォームについては、経年変化及び通常使用による損耗等の修繕であり、賃貸人が負担すべき」とあります。
つまり、故意ではなく、普通に使用している中で発生した損傷や劣化については、修繕費は貸主側が負担するということです。
畳の汚れや傷については、賃貸借契約や物件の管理規約によって異なりますが、一般的には、通常の使用による軽い汚れや小さなシミ、小さな傷や擦り傷、日焼けによる色あせや変色(程度がひどくないもの)は許容されることが多いと考えられるでしょう。
一方、退去時に費用を請求される可能性があるのは、以下のようなケースです。
・畳に深い傷や大きな摩耗がある
・通常の清掃では落ちない、ひどいシミや汚れがある
・カビが生えたり、虫が発生したりしている
・日焼けや色落ちが著しい
・畳の不適切な使用(家具の移動や重い物の置き方など)により、損傷している
また、入居期間や契約条件などによっても、費用負担を求められることがあります。例えば、入居期間に応じて負担割合が定められている場合や、契約時に畳交換の費用負担についての特約がある場合は、それに従う必要があるでしょう。
いずれの場合も退去前には契約書をよく確認し、不明な点は早めに家主や管理会社に確認することが大切です。
退去時の敷金返却について
賃貸で部屋を借りる際は、基本的に敷金や礼金などの初期費用が必要になります。敷金は、家賃の滞納や修理費の担保として、賃貸借契約時に預けるお金です。
一般的には、家賃の1ヶ月分の金額が目安で、退去の際、敷金から借り主の責任で生じた原状回復費用などが差し引かれて戻ってきます。畳の交換が必要な場合、状態によってはその費用が敷金から差し引かれたり、預けた敷金以上の金額を請求されたりする可能性があります。
トラブルを避けるため、特約や退去時の費用負担について契約書類を確認しておく必要があるでしょう。
畳の交換費用は1畳当たり4000円~1万円前後が目安。費用負担の義務は、契約や劣化の状態など条件によって変わる
5年間住んだ賃貸マンションを退去する場合、畳の交換が必要となる可能性は高いかもしれません。修繕費は地域や業者によって異なりますが、1畳当たり4000円~1万円程度は必要であることが多いでしょう。
一般的な使い方をしていて生じた劣化については、入居者が負担しなくてもよいとされています。しかし、故意によって生じた損傷があったり、回復の見込みがない状態になっていたりする場合は、入居者が費用を負担する必要があるといえます。
また、契約条件や特約によって入居者が負担することになっているケースもあるため、契約書および重要事項説明書をチェックしておきましょう。
出典
国土交通省住宅局 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版) II 契約の終了に伴う原状回復義務の考え方 1 賃借人の原状回復義務とは何か(8ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー