30代夫婦で子ども1人。地元の友人は「庭付き戸建て」暮らしですが、わが家は都内で「2LDK」の賃貸です。都内で年収が高いより、地方のほうがのびのび暮らせるでしょうか?
配信日: 2024.11.18 更新日: 2024.11.19
そのような場合、子どものためには地方で暮らすほうが良いのだろうかと思う人もいるでしょう。本記事では、東京とピックアップした地方との年収の比較をしながら、住居費の差を比較します。
執筆者:鳥谷威(とりや たけし)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都の平均年収は全国より60万円も高い
厚生労働省が公表している2023年の賃金構造統計調査によると、平均賃金(6月分)は以下のとおりです。
・東京都の平均賃金 36万8500円
・全国の平均賃金 31万83000円
これを単純計算で12ヶ月を掛けた場合
・東京都の平均年収 442万2000円
・全国の平均年収 382万2000円
東京都の平均年収は、全国平均と比べて60万円高いという結果でした。
東京都と福岡県の平均年収は約85万円の差
「いい部屋ネット住みたい街ランキング2024<全国版>」によると、5年連続の全国1位を獲得しているのが福岡市です。
図表1
大東建託 「いい部屋ネット 街の魅力度ランキング2024<都道府県版>」
そこで今回は、人気の高い地方都市ともいえる福岡県を参考に話を進めていきますが、福岡県の平均賃金は29万73000円で年収にすると356万7600円と全国の平均年収よりも低い結果でした。
したがって、東京都と福岡県の平均年収を比べると、東京都のほうが85万4000円高いことが伺えます。
東京都と福岡市における住居費の平均相場
ハウスコムのお部屋探しサイトによると、東京都内の(2LDK)賃貸相場は約15万1000円、福岡市博多区の(2LDK)賃貸相場は約9万円です。あくまでも平均相場での比較ですが、同じ2LDKの賃貸であっても福岡市のほうが毎月約6万1000円(年間73万2000円)安いといえます。
東京都と福岡県(市)における、年収の差85万4000円と、住居費の差73万2000円をどう考えるかという点が大切ではないでしょうか。
都内・地方におけるそれぞれのメリット
この章では、子育てを含めた都内と地方に住むそれぞれのメリットを解説します。
都内に住むメリット
・買い物や娯楽施設などが豊富
・公共交通機関の利便性が高い
・人や物など情報が集まりやすい
都内の場合、買い物や遊ぶ場所などが多いことや、移動手段に困ることが少なく、車がなくても子育てできるのは大きなメリットでしょう。しかし、平均年収は高い一方で、物価や住居費などが高く生活費がかかりやすい傾向にあります。
地方に住むメリット
・人が都心よりは少ない静かな環境
・自治体によって子育て支援の充実も
・自然を感じられる
地方の場合、自然を感じながらのびのび子育てをできたり、自治体によっては手厚い子育て支援や助成金などを受けられたりするのは大きなメリットでしょう。
平均年収は都心に比べると低いですが、物価や住居費などはその分安い傾向にあります。
まとめ
まずは、これから自分たちがどんな環境で生活したいかを考えることが大事でしょう。
もちろん、すぐに場所や環境を変えるのは難しいかもしれませんが、いまはライフスタイルもさまざまです。これからの生活、暮らしかたについて家族で話し合ってください。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造統計調査 結果の概要
大東建託株式会社 いい部屋ネット 街の魅力度ランキング2024<都道府県版>
ハウスコム 東京都の平均家賃相場
SUUMO 福岡県博多区の賃貸相場
執筆者:鳥谷威
1級ファイナンシャル・プランニング技能士