友人に「土日しか乗らないのに車を買うのはコスパが悪い」と言われました。スズキの「ワゴンR」なら維持費も安いようですが、週末に乗るだけでもコスパはいいですか?

配信日: 2024.11.24

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友人に「土日しか乗らないのに車を買うのはコスパが悪い」と言われました。スズキの「ワゴンR」なら維持費も安いようですが、週末に乗るだけでもコスパはいいですか?
憧れだったマイカーを買ったものの、仕事が忙しくて結局週末しか乗れない、という方も多いかもしれません。初期費用や維持費の高さを考えると「コスパが悪い」と感じて、駐車場代が高い都心部を中心に「あえて車を持たない」という選択をする方もいるでしょう。
 
「コストを考えると割に合わない」という理由で車を敬遠する方がいる一方、燃費性能が高く維持費が安い軽自動車も少なくありません。当記事では、「軽自動車」や「燃費優良車」にフォーカスし、自家用車のコスパについて考えてみたいと思います。
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軽自動車は年間「26万円程度」の維持費が必要と考えられる

株式会社KINTOが2024年に実施した「Z世代のクルマに対する意識比較調査」によると、都内在住のZ世代(18~25歳)の66.2%が「自動車を運転することが好き」と感じている一方、51.3%が「若者のクルマ離れと聞いて、自分自身のことだと感じている」と回答しています。
 
さらに「自分名義の自動車を所有していますか」と質問したところ、「はい」と回答した割合は36.6%という結果となりました。
 
一方で、都内在住のZ世代の44.2%は自分名義の自動車が「非常に欲しい」もしくは「やや欲しい」と感じているようです。しかし、そのうち35.2%の方が「自動車の価格が高いから」、28.4%の方が「自動車の維持費が高いから」という理由で、自動車の所有を断念していることが分かりました。
 
購入価格については車種によって大きな差があるため、ここでは自動車の維持費について考えてみましょう。自動車の維持費には、毎月かかる駐車場代やガソリン代、年に1回納める税金などがあります。ここでは車種別に年間の維持費を試算したところ、表1のような結果となりました。
 
なお、表1では総排気量1リットル超~1.5リットル以下かつ車両重量1トン超~1.5トン以下を「小型車」、総排気量1.5リットル超~2リットル以下かつ車両重量1.5トン超~2トン以下を「普通車」として、2019年10月1日以降に初回新規登録を受けたものとして算出しています。
 
表1

軽自動車 小型車 普通車
自動車税 1万800円 3万500円 3万6000円
自動車重量税
(エコカーの本則税率で年換算)
2500円 7500円 1万円
車検代 約6万円~ 約7万円~ 約9万円~
ガソリン代
(年間走行距離1万キロメートル、
ガソリン代175円/リットルで試算)
【燃費25.2キロメートル
/リットルの場合】
約6万9400円
【燃費21.6キロメートル
/リットルの場合】
約8万1000円
【燃費18.0キロメートル
/リットルの場合】
約9万7200円
駐車場代
(月額1万円として年換算)
12万円 12万円 12万円
合計 約26万2700円 約30万9000円 約35万3200円

※筆者作成(2024年11月21日現在)
 
このように、自動車を持つには年間「26~35万円」程度の維持費が必要となることが分かります。とりわけ、比較的維持費の安い軽自動車の「約26万円」が、マイカーを持つ最低限の基準といえそうです。
 

「燃費優良車」ならさらに維持費を抑えられる可能性も

車の維持費を少しでも抑えたい場合は、「燃費優良車」の購入がおすすめです。燃費優良車とは、国土交通省が定める2030年度燃費基準を満たした自動車で、車体やカタログなどに「燃費基準達成ステッカー」を貼り付けることが可能です。
 
国土交通省によれば、燃費基準達成ステッカーの表示は「自動車の燃費性能に対する一般消費者の関心と理解を深め、一般消費者の選択を通じ燃費性能の高い自動車の普及を促進するため」としています。
 
さらに、国土交通省の公式サイトでは、自動車の燃費ランキングも公表されています。比較的維持費の安い「軽自動車部門」のランキングを一部引用すると、表2のようになります(令和4年末時点)。
 
表2

順位 車名 通称名 WLTCモード燃費値
(キロメートル/リットル)
1 スズキ アルト 27.7
マツダ キャロル 27.7
3 スズキ アルト ラパン 26.2
4 スズキ ワゴンR 25.2
マツダ フレア 25.2

出典:国土交通省「自動車の燃費ランキングを公表します!」を基に筆者作成
 
基準達成レベルの高い燃費優良車は少ないガソリンで長距離を走れるため、維持費も低く抑えられます。少しでも維持費が安い車を購入したい場合は、燃費基準達成ステッカーを目安に選択するのもひとつの方法です。
 

維持費だけを考えたらレンタカーよりも軽自動車を所有したほうがコスパはよい可能性がある

ここまで解説してきたとおり、軽自動車の年間維持費の目安は「26万円程度」です。例えば、自家用車を買わないでレンタカーで代用した場合は、いくらくらいのコストがかかるのでしょうか。
 
あるレンタカー会社の場合、軽自動車のレンタル料金は6時間まで「6050円~」となっています。週に1回、6時間レンタルすると考えると、年間だと「31万4600円(6050円×52週)~」のレンタル料金が必要です。
 
さらに、レンタカーには基本的に「満タン返し」というルールがあるため、消費した分のガソリンは満タンにして返却しなければなりません。ガソリンのコストも上乗せされるため、維持費だけを考えたら軽自動車を購入して所有したほうが「コスパはよい」可能性があるといえるでしょう。
 

まとめ

今回は自家用車のコスパについて解説しました。スズキの「ワゴンR」のような軽自動車は維持費も比較的安いため、レンタカーなどに比べたら「コスパがよい」といえるかもしれません。いつでも好きな時に乗れるというメリットもあるため、燃費基準達成ステッカーなどを目安に「燃費優良車」を購入するのもおすすめです。
 

出典

株式会社KINTO 「クルマ離れ」の自覚を持つ都内Z世代は年々減少傾向、「クルマのサブスク」を認知する8割超が「利用を検討したい」
国土交通省 燃費基準達成ステッカーの表示について
国土交通省 報道発表資料 自動車の燃費ランキングを公表します! 1.燃費の良い乗用車ベスト10(令和4年末時点)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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