更新日: 2024.11.27 その他暮らし
「ガソリンが少ないほうが燃費はいい」と給油ランプが点灯するまでガソリンを入れない彼氏。万一のためにこまめに給油してほしいのですが、「燃費」はそこまで変わるのでしょうか?
なかにはなるべく車体が軽い状態で走れるように、給油ランプが点灯してもギリギリまでガソリンスタンドには行かないという人もいるかもしれません。ただ、本当にガソリンの量が少ないほど燃費がよくなるのでしょうか。
本記事では、ガソリンの量と燃費の関係や、ガス欠ギリギリまで給油をしないリスクについて解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
ガソリンの量と燃費の関係は?
ガソリンを満タンにすると車の重量が増し、燃費に影響が出るといわれています。それでは、実際には燃費にどれくらい影響するのでしょうか。
ガソリンの比重は0.73~0.76です。例えば、燃料タンクの容量が50リットルの車にガソリンを満タンに入れると、ガソリンの量で増える車の重さは約38キログラムです。一方、満タンではなくタンクの半量だけ入れた場合、増える重さは約19キログラムです。
環境省によると、100キログラムの荷物を乗せて走ると3%程度燃費が悪化するとのこと。ガソリンを満タンにしたときと半量だけ入れたときの差を19キログラムとすると、約0.6%燃費が悪くなる計算です。確かに車体が重いほど燃費は悪くなるのは事実ですが、影響はそれほど大きくないといえるでしょう。
給油ランプが点灯したらどれくらい走れる?
車のガソリンが少なくなると、「給油ランプ(燃料残量警告灯)」が点灯します。
車種によって異なりますが、ガソリンの残量が5~9リットル以下になると給油ランプがつくといわれています。車の燃費をガソリン乗用車のWLTCモード燃費平均値の19.4キロメートル/リットルとすると、5リットルのガソリンが残っていれば約97キロメートル走行できる計算です。
ただし、一般的には「点灯ランプがついてから50キロメートル走行可能」といわれることも多いので、あくまで目安として考えましょう。
ギリギリまで給油しないことのリスク
ガソリンが切れるギリギリの状態で走行を続けることには、さまざまなリスクがあります。
例えば、高速道路や山道を運転していると、なかなかガソリンスタンドが見当たらないこともあるでしょう。
特に夜間はガソリンスタンドが営業しておらず、給油のタイミングを逃すことがあるかもしれません。そうした状況でガソリンが切れてしまうと、道路で立ち往生する危険が高まります。交通の妨げとなるだけではなく、場合によっては重大な事故につながります。
さらに、地震や台風などの災害が発生した場合、物流が滞り、ガソリンスタンドに燃料が届かない事態が起こることもあります。緊急時や災害時に備える意味でも、普段からガソリンの残量には余裕を持って給油しておく習慣をつけることが大切です。
燃費は気にし過ぎず、余裕を持って給油しよう
ガソリンを満タンにすることで車が重くなり、燃費が悪くなるのは事実といえますが、その影響はごくわずかです。一方、ギリギリまで給油を控えると、道路で立ち往生したり災害時に困ったりするリスクが高くなります。
燃費を気にするのは大切ですが、安全面や安心感を考えると、こまめな給油を心がけるほうが賢明です。残量がギリギリになる前に早めにガソリンを入れ、安心して運転できる環境を整えてくださいね。
出典
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団 エコドライブ10のすすめ
国土交通省 自動車燃費一覧(令和6年3月)
執筆者:山田麻耶
FP2級