会社の最寄り駅が「路上ライブの聖地」として賑わっているけど…許可を取ってお金を払えば誰でもイベントを開催できるのでしょうか？

駅前で、ギターの弾き語りなどのパフォーマンスを行う路上ライブを目にしたことがある方もいるでしょう。一部地域では「聖地」と呼ばれて、路上ライブが盛んに行われている場所もあるようです。
 
しかし、こうした路上ライブを行うには実は許可が必要になります。許可を取らずに行うと違法になる可能性があるため、開催前に各自治体のルールを確認して適切な手続きを踏むことが大切です。
 
そこで今回は、路上パフォーマンスを行うために必要な手続きやそのルールついて解説します。路上ライブが許可されやすい場所についても解説しますので、路上ライブを行いたいと思っている方はぜひ最後までお読みください。

路上パフォーマンスをするのに必要な手続きとは？

路上ライブやパフォーマンスを行うには、管轄の警察署に「道路使用許可」の申請手続きを行わなければなりません。
 
そもそも、道路を本来の用途でない方法で使用することは、交通の妨げになったり危険を生じさせたりするおそれがあるため禁止されていますが、一定の要件を満たしていて警察署長の許可があれば行えることが道路交通法で定められています。道路使用許可が必要な事例としては次のようなものがあります。

・道路において工事もしくは作業をしようとする行為
・道路に石碑、広告板、アーチ等の工作物を設けようとする行為
・場所を移動しないで、道路に露店、屋台等を出そうとする行為
・道路において祭礼行事、ロケーション等をしようとする行為

申請書と必要書類をそろえて警察へ提出し、管轄する警察署長の許可が下りると路上ライブを行うことが可能です。
 
手続きにあたっては自治体の許可が必要な場合もあるため、管轄の警察や路上ライブを行う自治体にあらかじめ確認すると安心です。
 

道路使用許可の申請には手数料がかかる

路上ライブを行うために必要な道路使用許可の申請には手数料がかかる場合があります。東京を始めとした各都市において道路使用許可の申請にかかる手数料は次の通りです。

東京都：工事・作業は2700円、工事・作業以外は2100円
神奈川県：申請内容により2000円～2520円
大阪府：工事・作業は2500円、工事・作業以外は2000円
愛知県：2500円

申請許可が下りなかった場合でも、手数料は返還されないこともあるので注意しましょう。
 

路上ライブを行う際に守るべきルール

路上ライブは一般の道路で行われることが多いため、周辺住民や通行人への配慮が必要不可欠です。不要なトラブルを起こさないためにも、音量や使用機器の設置場所などに関してあらかじめ決められたルールを確認することが重要です。
 
例えば藤沢市の場合、音響機器の設置場所や向きについて周辺住民・周辺施設・通行人などへ配慮する、状況に応じて事前にアナウンスすることなどが求められています。
 
路上ライブを行う際の具体的なルールについては、音楽の内容やパフォーマンスの形態によっても条件が異なるため、詳細は自治体の担当部署に問い合わせてみてください。
 

路上ライブが許可されやすい場所

自治体や商業施設の中には、路上ライブを積極的に推奨している場所もあります。音楽や芸術を推奨している地域や施設、観光地や繁華街など観光客が多いエリアでは地域活性化の一環として路上ライブが歓迎されることがあります。ただし、そのような場合でも事前に申請が必要な場合が多いようです。
 
また、自治体の運営する制度にあらかじめ登録すると、指定された時間や場所で自由に路上ライブを行うことができるケースもあります。路上ライブを行いたい、または路上ライブを見るのが好きという方は、ストリートパフォーマンスを推奨している自治体が近くにないか調べてみるのもおもしろいかもしれません。
 

路上ライブを行うには事前に許可を取る必要がある｜近隣住民や通行人の迷惑にならないようルールを守って行うことが大切

路上ライブを行う場合、事前に管轄の警察署や自治体に許可を取る必要がある場合がほとんどです。各自治体のルールに従い、適切な手続きを行うことが大切です。
 
許可取得のための手間や申請費用がかかる一方、許可を得れば地域のイベントとして多くの人に楽しんでもらえる場を提供できます。路上ライブを行う際には、地域住民や通行人への迷惑を考慮してルールを守ることが必要不可欠です。
 
また、ストリートパフォーマンスを推奨している一部地域では、あらかじめ登録すると指定された場所や時間であれば自由に路上ライブを行えるケースもあります。
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー