更新日: 2024.11.29 その他暮らし
入院時に個室を希望したら「1日最低2万円から」と提案されました。友人は「安い方だよ」と言いますが、相場なのでしょうか?
しかし、入院時の個室利用において気になるのは費用面です。入院は誰もが経験するものではなく、相場も含めて想像がつかない方も多いかもしれません。
そこで、本記事では入院時の個室利用における相場について解説すると共に、入院費用の主な内訳や自己負担額を軽減する方法なども紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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入院時における個室とは
病院に入院する際に利用する部屋は、基本的に大部屋と特別療養環境室の2種類に分けられます。大部屋は6人程度、特別療養環境室は1~4人で利用するもので、個室もこれに含まれます。
個室を含めた特別療養環境室の利用には、基本的に大部屋の利用料金とは別に費用が必要になります。つまり、大部屋の利用料金との差額費用が発生し、これが一般的に呼ばれる「差額ベッド代」というものです。
なお、大部屋の利用には健康保険が適用されるものの、個室の利用には適用されません。そのため、いわゆる差額ベッド代は全額自己負担になります。
個室の利用料金の相場
個室を含めた特別療養環境室の費用、いわゆる差額ベッド代に基準はなく、病院側が自由に設定できます。つまり、費用は病院によって異なります。
厚生労働省が実施した集計によると、令和5年7月における特別療養環境室の1日当たりの平均徴収額は、1~4人部屋を全て含めて6714円です。なお、1人部屋のみでの集計では8437円です。
2人部屋の平均徴収額は3137円、3人部屋で2808円、4人部屋で2724円のため、1人部屋のみが平均額を上回っていることと共に、ほかとはかなりの差があることが分かります。
個室の利用料金は病院によって異なります。ただし、上述の平均額を相場とするならば、「1日最低2万円から」というのは相場を大幅に上回っているといえるでしょう。
入院費用の内訳
症状などにより細かな金額は異なりますが、入院となればある程度の費用がかかるでしょう。人によっては、かなりの高額になるかもしれません。
入院における、基本的な費用内訳は以下の通りです。
●治療費
●入院基本料
●食事代
●差額ベッド代
●先進医療費
●交通費
●消耗品
上記のうち、公的医療保険が適用されるのは治療費と入院基本料です。また、食事代は一食の負担額が定められています。つまり、前述した差額ベッド代も含め、そのほかは全額自己負担となります。
多額の支出が予想されますが、高額療養費制度や医療費控除などを利用することで、実質的に自己負担額を軽減できる可能性があります。
高額療養費制度とは、公的医療保険の加入者が負担する1ヶ月間の医療費が限度額を超えた場合、その超過分が還付される制度です。なお、限度額は所得や年齢により異なるため、入院前に確認しておくと安心です。
医療費控除とは、年間で支払った医療費が世帯で10万円を超えた場合、その一部が課税対象である所得額から控除される制度です。なお、控除限度額は200万円です。
ただし、医療費控除の対象金額は医療費の合計額から、生命保険などによる入院給付金や高額療養費などを差し引く必要があるようなので注意が必要です。
また、控除の対象となる医療費には線引きがあり、全てが該当するわけではないようです。診療費や治療費、薬代などは控除の対象になりますが、ビタミン剤のような健康促進を目的とする医薬品や、美容や疲労回復のためのマッサージなどは対象外になります。
入院における個室利用の費用相場は8437円
入院時に個室を利用する場合の料金は病院によって異なりますが、厚生労働省の集計によると費用相場は8437円とされています。つまり、利用料金が「1日最低2万円から」というのは、相場から考えると高額といえます。
出典
厚生労働省 主な選定療養に係る報告状況 (3ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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