子どもが友人の家に遊びに行ったら「お礼」は必要? 私の頃は「手土産なし」で問題なかった気がするのですが、今は違うのでしょうか?
配信日: 2024.11.30
筆者が3人の子どもを育てていったなかでの経験を踏まえながら、最近の傾向と親同士の振る舞いについて考えてみましょう。
執筆者:山田圭佑(やまだ けいすけ)
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント
「子ども同士の遊び」にもお礼は必要か
子どもが友人宅に訪問して数時間遊ぶような場合、「手土産・お礼」は必要なのか。正解のない問いですが、筆者の意見は「必要。ただしエスカレートしないように気をつける」です。
筆者の家庭は特に、メッセージアプリを使用した「感謝の表明」という意味での「お礼」は欠かさず行います。直接友人の親と会う機会がある場合は、口頭でもお礼を述べます。これは損得というレベルの問題ではなく、近所付き合いの常識だと考えています。
ただ、遊んでくれたお礼として手土産などを子どもに持たせるかどうかについては「周囲の状況に合わせていく」ことが無難であると思います。
筆者の場合はお互いに「子どもが遊んでいる最中に食べられる、手軽なお菓子」や「旅行・出張で購入した安価な手土産」程度を、毎回ではありませんが贈りあっていました。費用としては、1回で1000円を超えたことはほぼありません。
もちろん、相手の親と取り決めをしていたわけではなく、暗黙の了解としてこの程度に落ち着いていった感じです。無意識にお互いが高価なものを送り合うなど「エスカレート」しないように気をつけていった結果だと思います。
筆者が子どもであった時代も、親同士のお礼のやり取りは行われていたと記憶していますが、少なくとも筆者の親は、現在のようにお礼メッセージのあるなしや手土産の持ち込みなどを気にしている様子はありませんでした。
振り返ってみると、当時は「世間の一般常識」を調べるためのインターネットが存在せず、「ご近所の常識」がルールのすべてでした。またメッセージアプリもないために「井戸端会議でのごあいさつ」などでの交流が、親同士のコミュニケーションの中心でした。
そのため、他人が一般的に行っている作法などを気にすることはなく、現在よりも親同士が濃密につながっていたため、ごく自然な近所付き合いとして、次回会ったときに直接口頭でお礼をしあう仲であったことなどが影響しているのではないかと感じます。
おやつ・手土産のやりとりは「相場感」を学び「距離感」を近くする機会
子育て情報サイト「ママスタ」の運営などを行う株式会社インタースペースが実施した2024年3月の調査によると、子どもが友達と遊びに行くきに「おやつを持たせる」と回答した母親は76.7%と、かなり高い割合でした。
おやつの内容は個包装のおやつや饅頭など、小分けしやすく汚れにくいものが好まれるようです。これは筆者の感覚とも一致していて、そこまで肩ひじを張らず、お互いが気軽に贈りあえ、子どもが遊んでいる間に簡単に食べられるおやつや手土産を持たせることは一般的になっていると言えるでしょう。
子どもの友だち付き合いの中で、このような簡単なプレゼントのやり取りをすることは、子ども同士・親同士の距離を縮める効果があるとともに「そこまで大事なお願いをするのでもないのに、高すぎるものを贈るとかえって失礼になる」といった「相場感」を肌で感じることのできる、生きた学びの機会であると筆者は思います。
まとめ
最近の調査では、子ども同士が遊ぶときにおやつなどをもたせる形で「お礼」をすることは一般的になってきているようです。また、親同士では高価な手土産を贈りあうことなどはしないまでも、メッセージアプリなどを通して「お礼を伝える」ことは欠かさないほうがいいと、筆者は強く思います。
「昔は親同士がお礼を伝えあったり、手土産を贈りあったりすることは少なかった」という印象は、メッセージアプリなどが社会になく、近所付き合いが今よりも濃密で自然に顔を合わせる機会が多かったために、子ども目線からはそのように見えていただけかもしれません。親同士の人間関係を円滑にするためにも「お礼」は欠かさぬようにしたいものです。
出典
株式会社インタースペース ママスタセレクト 「子どもが遊びにいくときのおやつ」についてのアンケート
執筆者:山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント