更新日: 2024.11.29 子育て

子どもが「どうしても県外の大学に行って一人暮らしをしたい」と言いますが、わが家にそこまでの余裕がありません。子どもにアルバイトがんばってもらえばなんとかなりますかね?

子どもが「どうしても県外の大学に行って一人暮らしをしたい」と言いますが、わが家にそこまでの余裕がありません。子どもにアルバイトがんばってもらえばなんとかなりますかね?
子どもが県外の大学への進学を希望する一方で、家庭の経済的な事情からその実現が難しいと感じている親御さんは少なくありません。
 
特に一人暮らしが必要になる場合、その費用負担は家計に大きな影響を与えることがあります。では、子どもにアルバイトをがんばってもらうことで、現実的に県外進学が可能になるのでしょうか?
 
本記事では、進学にかかる費用やアルバイトで生活費を賄える現実性、さらに家計負担を減らすための支援制度や奨学金について解説し、家族みんなで夢をかなえるための方法を考えていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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県外大学への進学にかかる費用はどれくらい?

県外大学に進学し、一人暮らしを始める際には、学費や生活費、住居費など、さまざまな費用がかかります。その総額は家庭にとって、大きな負担となることもあります。図表1は、一般的に必要とされる費用の目安をまとめたものです。
 
図表1

費用項目 内容 年間費用の目安
学費 国公立大学の場合、年間約54万円。
私立大学の場合は文系で約97万円、理系で約130万円。※1
約54~132万円
住居費 都市部では月5~8万円程度。
地方では月3~5万円程度。
地域によって大きく異なります。
約36~96万円
生活費 約5~6万円。
食費、交通費、日用品などが含まれる。※2
約60~72万円
初期費用 敷金(家賃1~2ヶ月分)
礼金(家賃1~2ヶ月分)
仲介手数料(家賃1ヶ月分)
引っ越し費用、鍵交換費、家具購入費、保険料などが必要。
約20~30万円
※初年度のみ

※1 出典:文部科学省「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」にもとづいて筆者作成
※2 出典:全国大学生活共同組合連合会「第59回学生生活実態調査 概要報告」にもとづいて筆者作成
 
図表1から分かるように、年間の総費用は国公立大学で約150万円、私立大学では約300万円を超えることもあります。家庭での負担を軽減するためには、この総額を把握したうえで、費用ごとの優先順位や工夫できる部分を検討することが重要です。
 
特に住居費や生活費については、地域差が大きいので、大学周辺の環境を事前に調査することをおすすめします。
 

アルバイトで生活費を賄えるのか? 子どもに求める現実的な負担とは

全国大学生活共同組合連合会の「第59回学生生活実態調査概要報告」によると、大学生のうち下宿生のアルバイトによる平均月収は、3万6110円です。
 
地域や勤務時間にもよりますが、食費や光熱費などの生活費の一部を賄うことは可能です。ただし、学費や家賃といった大きな支出すべてをカバーするのは難しいのが実情です。
 
また、大学生のアルバイトの就業時間は平均して、週に12.1時間という結果がでております。ただし、アルバイトの時間が増えることで学業や課外活動に支障がでるリスクも考えなければなりません。実際にはアルバイトで月数万円を稼ぎ、親が学費や家賃を補助する形をとる家庭が多いようです。
 
このように、子どもと家計の負担を分担しながら進学を目指す方法は、親子双方にとって無理のない選択肢といえるでしょう。アルバイトの収入がどのくらい期待できるのか、また学業との両立が可能かどうかをしっかり話し合うことが重要です。
 

家計負担を減らすための支援制度や奨学金を活用する方法

経済的負担を軽減するために、以下の方法を検討してみましょう。
 

●奨学金

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、無利子または低利子で借りられるため、多くの家庭で利用されています。また、返還不要の給付型奨学金も増えてきています。
 

●支援金・補助金

地方自治体や大学独自の支援金制度も活用できます。特に地方から都市部の大学へ進学する場合、住居費を補助する制度があることもあります。
 

●教育ローン

日本政策金融公庫の教育ローンなど、公的な低金利ローンを活用することも可能です。
 

●親子協力の家計計画

親が学費を負担し、子どもがアルバイトで生活費を補うなど、負担を分担する方法も考えられます。
 

まとめ

県外の大学進学には多くの費用がかかるため、家計だけにその負担をすべて負わせるのは現実的ではない場合もあります。しかし、奨学金や補助金制度、さらには子どものアルバイト収入を上手に組み合わせることで、夢の実現に一歩近づくことができます。
 
進学費用をどう負担するかは、家族で話し合いながら決めることが大切です。また、子どもにとっても進学のための努力は自立心を育む良い機会となるでしょう。お子さんの夢を応援しながら、家族で協力して進学を実現させる方法を見つけてみてください。
 

出典

文部科学省 私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果
全国大学生活共同組合連合会 第59回学生生活実態調査 概要報告
独立行政法人日本学生支援機構 奨学金
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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