更新日: 2024.11.30 その他暮らし
目前のバスが「ウィンカー」を出していたのにスピードを上げて追い抜いた車を発見!譲るのが常識ではなかったのでしょうか…?
バスが停留所からウィンカーを出して車線に入ろうとしているにもかかわらず、後続の車がスピードを上げて追い抜いていくのを目撃した場合、「バスに道を譲るのが常識ではないか」と疑問に思うのではないでしょうか。
今回は、このような状況におけるマナーやルールについて考えてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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路線バスの発進妨害をしてはいけない
停留所に停車中の路線バスが、発車の際にウィンカーで合図を出している場合、まだ動き出していなくても後続車が追い越してしまうと違反になるようです。
路線バスを妨害すると反則金6000円
道路交通法第31条の2では、「乗合自動車の発進の保護」として「停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発信するための進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない」と定められています。
この規定に違反すると、違反点数1点と反則金6000円が課されることになるため注意が必要です。
バスの事故は社会的な影響が大きい
バスは多くの乗客を乗せるため、事故が発生した場合、その社会的影響は非常に大きなものとなります。特に、事故によって多数の死傷者が発生する可能性があることから、バスの安全性は重視しなければならないでしょう。乗合バスの他車との事故件数は表1の通りです。
表1
追突 | 173件 |
出会い頭衝突 | 47件 |
追越・追抜・進路変更時衝突 | 109件 |
すれ違い・右左折時衝突 | 82件 |
その他 | 63件 |
出典:公益社団法人 日本バス協会 安全輸送委員会「バス事故の防止対策等について」乗合バスの事故件数を基に筆者作成
追突事故が最も多いですが次いで多いのは、進路変更や追い越し・追い抜きに関連する事故です。安全確認が十分でなかったことが原因と推測されます。
意外に知らないバスに関するルール
ここでは、運転者が知っておきたいバスに関するルールについて解説します。
運行時間中のバス停に停車も違反
駐停車が禁止されている場所では、法令の規定や警察官の指示、または危険防止のための一時停止を除き、停車や駐車は違反です。
道路交通法第44条では、停車や駐車が禁止される具体的な場所が規定されています。第1項では、交差点や坂の頂上付近、道路の曲がり角から5メートル以内など、駐停車が禁止されるエリアが明確に示されています。
また、バス停に関しても示されていて、停留所の標示板から10メートル以内の範囲が、バスの運行時間中(始発から最終便まで)駐停車禁止区域とされています。
バスの横を通過する際は徐行
車を運転する際、通学や通園バスが児童や幼児の乗降のために停車している場合、その付近を通過する際には徐行し、安全を十分に確認することが必要です。
道路交通法第71条第2号の3では小学校などに通う児童や生徒、または幼児の送迎を目的とし、専用車両であることが明示されたスクールバス(通学・通園バス)がハザードランプを点灯して停車している場合、その側を通る車両に対し安全確認のための徐行を義務付けています。
バスの陰から突然子どもが飛び出してくる可能性があるため、慎重に周囲を確認しつつ進まなければなりません。また、緊急時には即座に停止できる速度での走行が重要です。これは、事故を未然に防ぐための基本的な安全措置となります。
後続車がバスに道を譲らずにスピードを上げて追い抜いたことは不適切
後続車がバスに道を譲らずにスピードを上げて追い抜いたことは、交通ルールに照らし合わせると不適切です。バスが停留所から発車しようとしている場合、ウィンカーで進路変更を知らせることがあります。
道路交通法第31条の2に基づき、バスが発進の合図を出した場合、その進路変更を妨げることは違法です。バスの発進を妨害することは「乗合自動車発進妨害違反」となり、反則金(6000円)と違反点数(1点)が科せられる可能性があります。
バスの進行を妨げず、譲ることが交通マナーとして求められるだけでなく、法律でも明確に規定されています。後続車が追い越す前に、バスの発進を待つことが社会的なルールです。
出典
公益社団法人 日本バス協会 安全輸送委員会 バス事故の防止対策等について
デジタル庁 e-GOV 法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十一条の二、第四十四条、第七十一条二の三
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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