更新日: 2024.12.01 子育て
7歳・4歳の子がいて12月に3人目を出産予定です。やっぱり教育費が心配……。児童手当が増加されると総額でいくらもらえますか?
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士
保険代理店勤務を経て独立。高齢出産夫婦が2人目を産み、マイホームを購入しても子どもが健全な環境で育ち、人生が黒字になるようライフプラン設計を行っている。子どもが寝てからでも相談できるよう、夜も相談業務を行っている。著書に「書けばわかる!わが家の家計にピッタリな子育て&教育費のかけ方」(翔泳社)
準備しておきたい教育費は
一般的に、教育費のなかで最もお金がかかるのが大学資金です。大学は国公立か私立かによって金額は変わりますが、まだ行く大学が決まっていないなら私立大学を想定して、学費目安500万円を教育費の目標にするとよいでしょう。
ただし、2025年4月からは子ども3人以上いる家庭は、大学授業料など支援を受けられるいわゆる「大学無償化制度」がスタートします。私立大学の場合、授業料70万円、入学金26万円、4年間合計で約300万円の支援を受けられます。
由美さんのお子さんは、現在、7歳、4歳、0歳(これから出産)ですから、一番上の子については、支援金分の負担が減りそうです。大学無償化支援を受けられるとすると、それぞれの子の大学準備資金は下記のようになります。
第1子:200万円(大学資金目安500万円―支援額300万円)
第2・3子:500万円
なお、大学無償化支援については、大学の出席率が低く無償化対象外になる、制度変更の可能性があるなど、確実に受けられるとはかぎりません。その点が心配であれば第1子も500万円を目標額にするとよいでしょう。
また、厳密には第2子も1年のみ無償化支援を受けられる可能性がありますが、ここでは、簡素化するために第2子と第3子の金額は同じにします。大学無償化制度についての詳しい記事は、関連記事内にある別記事をご覧ください。
児童手当はいくら受け取れる?
次に、今後受け取れる児童手当を計算してみましょう。由美さんは今まで児童手当を管理しておらず、今までの支給分は貯まっていないそうです。そこで、これから受け取れる児童手当を計算します。それぞれの子に対する児童手当はおおよそ下記のとおりです。
第1子:(18歳-7歳)×1万円×12ヶ月=132万円
第2子:(18歳-4歳)×1万円×12ヶ月=168万円
第3子:(0~15歳)×3万円×12ヶ月+(16~18歳)×1万円×12ヶ月=612万円
児童手当は、第3子以降は月額3万円ですが、第3子としてみなされるのは、第1子が22歳(第3子が15歳)までのため、第3子が16歳以降の支給額は月額1万円です。
さて、これら金額を見ると児童手当を貯めておくと、大学資金への備えがある程度できそうなことが分かるでしょう。
具体的な教育費準備額は
それでは、具体的にいくら準備すればいいのか、計算してみましょう。第1子の場合、無償化を考慮するなら目標額は200万円です。18歳までに200万円を貯めるなら、200万円÷(18歳-7歳)÷12ヶ月=約1万5000円で、毎月1万5000円程度の積み立てが必要ということになります。
第2子も同様に計算すると、500万円÷(18歳-4歳)÷12ヶ月=約3万円です。第3子の場合は、児童手当だけで大学資金を準備できそうです。もちろん、第1子と第2子についても毎月1万円支援される児童手当を活用すれば、家計からの支出は、第1子は5000円、第2子は2万円です。ただし、児童手当は確実に貯まるよう別途管理をしておく必要があります。
子の年齢によっては、子3人のほうが子2人より大学資金はかからない
由美さんの家庭の場合、第1子は大学無償化支援を受けられそうです。また、第3子も15歳まで月3万円の児童手当が支給されるため、児童手当だけで大学資金を準備できます。そのため、大学資金だけを考えると子ども2人家庭より負担は減ります。
ただ、大学進学に至るまでの教育費は当然3人分かかりますから、余裕があるとはいえないかもしれません。しかし、児童手当や大学無償化制度など情報をキャッチして早めに準備しておけば、家計の大変さは緩和されます。とにかく、早めに計画をたてて準備をはじめていきましょう。
出典
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士