維持費を安くするために軽自動車の購入を検討中です。「軽自動車は事故を起こしたとき危険」といわれたのですが、本当に危険なのでしょうか?
配信日: 2024.12.11
今回は普通自動車と軽自動車の事故率にどのくらい差があるかをご紹介します。普通自動車と軽自動車の維持にかかる費用も計算していますので、あわせて参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
普通自動車と軽自動車の維持にかかる費用
普通自動車と軽自動車を維持する際の費用は、おもに税金の部分に違いがあると考えられます。ここからは普通自動車と軽自動車で、維持費にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
普通自動車の場合
普通自動車の場合、排気量や自動車の重量によって自動車税および自動車重量税の金額が変動します。今回はマツダから販売されている「MAZDA CX-3 15S Touring 2WD」を基に税金を計算してみましょう。
まず自動車税についてですが「MAZDA CX-3 15S Touring 2WD」の排気量は1496リットルとなります。このことから「1リットル超~1.5リットル以下」の自動車税が適用され、令和元年10月1日以後に初回新規登録されている場合は3万500円の支払いが必要です。
自動車重量は1210キログラムとなっており、1トン~1.5トンまでのものが適用されます。金額は2年で2万4600円となり、1年分は1万2300円です。このことから、1年に支払う税金を計算すると、4万2800円となるでしょう。
軽自動車の場合
軽自動車の場合、軽自動車税は一律で1万800円と定められています。最初の新規検査から13年経過すると1万2900円となりますが、車種による違いは設けられていません。
自動車重量税は、1年間で一律3300円と定められています。重量税についても、新車新規届出から13年経過すると4100円、18年経過すると4400円と支払額が増えることを覚えておきましょう。
このことから、軽自動車が1年間で支払う税金の合計額は、1万4100円となります。
軽自動車が事故を起こしたときに危険といわれる理由
軽自動車が事故を起こしたときに危険といわれる理由には、おもに以下の2つがあげられます。
●構造上の問題がある
●軽自動車の事故の死傷者率が高い
上記の内容について、詳しく見ていきましょう。
構造上の問題がある
軽自動車には、普通自動車と比べて構造上の問題があると考えられています。具体的には全長の短さと重量の軽さ、ボディの薄さなどが関係するようです。
全長が短い場合、衝突事故を起こした際のリスクが高いとされています。とくに後部座席に座っている人は、後ろからの衝突の場合に強い衝撃を受けやすいと考えられるでしょう。
また、軽自動車は重量が軽いため、衝突時に吹き飛ばされてしまう可能性もあります。吹き飛ばされてしまった場合、道路状況によっては周囲を巻き込み、更なる被害につながるかもしれません。
ボディも薄く作られている傾向にあることから、少しの衝撃で大きな損傷につながることもあるでしょう。結果として緩衝材の役割を果たせず、けがや死亡事故につながってしまうケースもあるようです。
軽自動車の事故の死傷者率が高い
警視庁の統計 令和2年(2020年)を基に普通自動車と軽自動車の事故率について見てみると、表1の結果になることが分かりました。
表1
準中型・普通自動車 | 軽自動車 | |
---|---|---|
事故件数 | 1万905件 | 2344件 |
死者数 | 29人(0.2%) | 9人(0.3%) |
重傷者数 | 378人(3.4%) | 87人(3.7%) |
軽傷者数 | 1万1997人(110%) | 2608人(111%) |
※警視庁「警視庁の統計 令和2年(2020年)」を基に筆者作成
表1を見てみると分かるように、事故件数だけで見れば準中型・普通自動車の方が多い結果となります。しかし、割合に変換してみると、準中型・普通自動車に比べて軽自動車の方が高い数値になると分かりました。
このことから、交通事故を起こした際の危険性は、軽自動車の方が若干高いと考えられるでしょう。
軽自動車は構造上の問題から事故時のリスクが高いと考えられている
普通自動車と軽自動車の危険性を比較すると、軽自動車の方が高リスクになると分かりました。これは構造上の問題が関係しているようで、実際に死亡事故やけがの割合は、軽自動車の方が高くなっています。
ただし、車の維持費については、軽自動車の方がおさえられます。今回比較した結果でも、税金だけで約3万円の節約につながる可能性があるでしょう。
今回紹介した事故リスクと維持費を考慮したうえで、軽自動車の購入する際の参考にしてみてください。
出典
警視庁 警視庁の統計 令和2年(2020年)第12表 交通事故の当事者別発生状況(第1・2当事者相関表(20ページ)
東京都主税局 自動車税種別割 7 税率(年額)
国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート) その5(5ページ)
札幌市 軽自動車税
軽自動車検査協会 Q. 7-004 車検の際に支払う重量税の金額を教えてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー