来春、大学・高校に進学する子ども二人の「教育費」が足りません。奨学金は将来子どもが「返済」しなければならないので避けたいのですが、よい方法はないでしょうか?
配信日: 2024.12.16
今回は、貸付型の奨学金以外で、教育費を補う方法について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
平均費用は高校3年間で約260万円、大学4年間で約680万円
株式会社日本政策金融公庫が発表した「子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少〜令和3年度『教育費負担の実態調査結果』~」の資料によると、高校と大学の平均入学費用(受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金)と平均在学費用(授業料、通学費、塾の月謝など)は、表1の通りです。
表1
平均入学費用 | 平均在学費用 | |
---|---|---|
高校 | 35万円 | 75万6000円 |
大学 | 81万1000円 | 149万9000円 |
※株式会社日本政策金融公庫「子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少〜令和3年度『教育費負担の実態調査結果』~」を基に筆者作成
このうち在学費用は、1年単位で発生します。在学費用を毎年同額として、高校に3年間通えば226万8000円、大学に4年間通えば599万6000円です。これに平均入学費用を合わせると、次の金額になります。
●高校:261万8000円
●大学:680万7000円
したがって、表題のように二人の子どもが高校と大学に同時に進学する場合、必要金額の合計は平均942万5000円になります。
また、進学を機に一人暮らしを始める場合は、引っ越しの費用や仕送りも必要になるかもしれません。同資料によると、一人暮らしを始めるための費用と、仕送りの年額平均は次の通りです。
●一人暮らしを始めるための費用:38万7000円
●仕送り(年額):95万8000円
教育費のねん出方法は節約が一般的
貸付型の奨学金以外で教育費を補う方法としては、次のものがあります。
●節約をする
●子どもにアルバイトをさせる
●預貯金や保険などを取り崩す
●働く時間を増やす
●共働きを始める
前述の同資料によれば、上記のうち最も一般的な方法は節約とのことです。
節約する支出項目は、「旅行・レジャー費」が最も多く、「外食費」「衣類購入費」と続きます。節約で教育費をねん出する場合は、これらの項目を中心にするといいかもしれません。
返済不要の奨学金もある
教育費をねん出するためには、返済不要の奨学金をチェックするのもいいでしょう。大学生の場合は「高等教育の修学支援新制度」を利用できる可能性があります。
ただし、返済不要の奨学金を利用できるのは、成績や学習意欲、世帯年収などの条件を満たす生徒のみです。独立行政法人日本学生支援機構によると、高校在学中に「高等教育の修学支援新制度」に申し込む場合は、条件を満たす必要があるため該当しているか確認が必要です。
教育費のねん出方法で最も多いものは節約|返済不要の奨学金を利用できる場合もある
二人の子どもが高校と大学に同時に進学する場合、高校3年間と大学4年間で生じる学費は、計942万5000円です。また、一人暮らしを始める場合は、平均38万7000円の準備費用と、年平均95万8000円の仕送りが生じる可能性があります。
教育費用をねん出する方法としては節約が一般的で、「旅行・レジャー費」「外食費」「衣類購入費」などが削減の対象となるでしょう。また、条件を満たす必要はありますが、返済不要の奨学金を使う選択肢もあります。
返済不要の奨学金が受給できず、節約をしても教育費用が足りない場合は、貸付型奨学金の利用も視野に入れるといいかもしれません。
出典
株式会社日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 ~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~ (5、6、10~12ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー