イヤホンで通話しながら自転車で通学する高校生の娘。「違反」や「罰金」にはならないのでしょうか?事故が心配なのでいち早くやめさせたいです。

配信日: 2024.12.19

この記事は約 3 分で読めます。
イヤホンで通話しながら自転車で通学する高校生の娘。「違反」や「罰金」にはならないのでしょうか?事故が心配なのでいち早くやめさせたいです。
イヤホンで通話や音楽を聴きながら、自転車に乗っている行為を見かける方もいるでしょう。イヤホンをしていると、外部の音が遮断されて安全性に欠けるため、交通事故につながるおそれもあります。
 
仮に、イヤホンをしたまま自転車に乗って交通事故を起こしてしまうと、刑事上の責任や罰則が科される可能性もあるため注意が必要です。
 
そこで今回は、イヤホンで通話しながら自転車に乗ると違反になるのかや、罰則内容について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

イヤホンで通話しながら自転車に乗ると違反になる?

イヤホンで通話や音楽を聴きながら自転車に乗っていたとしても、現行の法律では直接禁止している規定はなく、違反には該当しないようです。
 
しかし、自転車は軽車両として位置付けられているため、道路交通法第七十条で定められている「安全運転の義務」に抵触するおそれがあります。
 
また、2024年5月に自転車の交通違反の規定が盛り込んだ改正道路交通法が可決し、2026年以内に施行される予定です。この法律が施行されると、イヤホンをしながら自転車を運転して交通違反切符(青切符)がきられた場合は、罰則の対象になります。
 

安全運転義務違反や交通違反切符(青切符)をきられたときの罰則

安全運転義務違反(二輪車)や交通違反切符(青切符)をきられた場合の違反点数や罰金は、表1の通りです。
 
表1

違反点数 罰金
安全運転義務違反 2点 7000円
交通違反切符(青切符) なし 約1万2000円

※筆者作成
 
安全運転義務違反に抵触して罰金を支払わないままにしていると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されるおそれもあります。仮に、交通事故を起こして加害者側になってしまうと、刑事罰や場合によっては、数千万円以上の賠償金を支払わなければいけないため、注意しましょう。
 
また、自治体によっても異なりますが、イヤホンを使用しながら自転車に乗ることを条例で禁止しているところもあるようです。条例に違反すると、同じく罰金や反則金が科されます。
 
例えば、東京都の条例では、車両等の運転中における安全性に欠けるイヤホンの使用を禁止しています。その条例に違反すると「公安委員会遵守事項違反」となり、罰金5万円以下、反則金6000円(二輪車の場合)を納めなければいけません。
 

「ながらスマホ」にも注意が必要

自転車に乗りながらのイヤホンの使用に関連して「ながらスマホ」にも注意が必要です。2024年11月から道路交通法が改正され「ながらスマホ」の罰則が強化されました。
 
「ながらスマホ」とは、自転車に乗りながらスマートフォンを手に保持して、画面を注視したり、通話したりする行為です。イヤホンを使用しているだけであれば「ながらスマホ」には該当しませんが、自転車に乗りながらスマホで曲の選択や再生、停止などを行うと「ながらスマホ」に当たるでしょう。
 
「ながらスマホ」を行った場合は、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。さらに、交通事故を起こした場合は、1年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金となります。
 
また「ながらスマホ」は自転車運転者講習制度の対象となり、都道府県の公安委員会が指定する場所で受講しなければいけません。もし、受講をしなかった場合、5万円以下の罰金が科されるため、必ず期日以内に受講するようにしましょう。
 

イヤホンで通話しながら自転車に乗ると違反や罰金の対象になる可能性がある

イヤホンで通話しながら自転車に乗ると、安全運転義務違反や交通違反切符(青切符)の対象となる可能性があり、それぞれ罰金も科されます。
 
近年は「ながらスマホ」なども含め、自転車関連の罰則が厳しくなってきています。イヤホンをしながらの自転車の運転は交通の安全性に欠けるため、交通事故につながるリスクが高まります。
 
事故を起こさないためにも、自転車に乗りながらのイヤホンの使用や「ながらスマホ」は行わないようにしましょう。
 

出典

警視庁 反則行為の種別及び反則金一覧表
警視庁 交通違反の点数一覧表
警視庁 自転車に関する道路交通法の改正について
警視庁 自転車運転者講習制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集