【2025年】多子世帯は所得制限なしで大学無償化!奨学金制度は廃止に?
配信日: 2024.12.20
また制度の改正にともない、奨学金制度が廃止になると勘違いしている人もいるようです。
そこで今回は、大学無償化の概要や2025年からの改正点について調べてみました。「無償化」とはいっても支援には上限があるため、学費としてある程度の資金を用意するなど事前に対策を考えておくことは大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
高等教育の修学支援新制度とは?
一般的に「大学無償化」といわれているのは、高等教育の修学支援新制度のことです。
文部科学省では、しっかりとした進路への意識や進学意欲があれば、家庭の経済状況に関わらず、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校に進学できるチャンスを確保できるよう、令和2年4月から高等教育の就学支援新制度を実施しているようです。
この制度により、世帯収入や資産の要件を満たしていて、進学先で学ぶ意欲がある学生は、給付型奨学金と授業など減免制度が受けられます。年収の目安は4段階に分けられていて、例えば年収が270万円以下の第1区分(住民税非課税世帯)の場合の給付型奨学金の支給額は以下の通りです。
●国公立:35万円(自宅通学)/80万円(自宅外通学)
●私立:46万円(自宅通学)/91万円(自宅外通学)
これを上限額として、第2区分(年収約300万円以下)は上限額の3分の2、第3区分(年収約380万円以下)は3分の1が支給額となります。2024年からは第4区分(年収約600万円以下)で多子世帯に属している場合は4分の1、私立理工農系の学部などに在籍している場合は文系との授業料差額分が支給されるようになりました。
奨学金制度は廃止!? 大学無償化の2025年からの改正点
2025年にスタートする大学無償化の情報を聞いて、多子世帯では所得制限がなくなることを耳にした方もいるでしょう。大学無償化とはいっても、現行制度と同じように授業料支援には上限が定められています。この支援では、授業料などが減額されるだけで、現金支給はありません。
現金支給がないと聞いて、奨学金制度が廃止になったと勘違いする方もいるかもしれません。しかし第4区分で給付型奨学金を受けている人は2026年以降も4分の1の支援を受けることができ、支援が充実することになります。貸与型奨学金(無利子・有利子)も廃止になるわけではないようです。
2025年からの多子世帯への授業料等無償化が実施される背景には、高等教育費が負担になり理想の子ども数を持てない状況が関係しています。高等教育の費用負担を減らして、理想の子どもの数を断念しないようにすることが目的です。
「無償化」といっても負担がまったくなくなるわけではない!
大学無償化の制度によって、費用負担がまったくなくなるわけではありません。進学する大学によっては、授業料・設備費・実習費用・教科書代などの合計が支援額を上回る可能性も考えられます。
同制度には学業要件が定められていて、一定の学習意欲と学修成果を測る要件を満たさなければ支援は打ち切りとなる場合もある点に注意が必要です。
大学無償化制度の対象だからといって費用負担がまったくなくなるわけではありませんから、学費としてある程度のまとまったお金を用意しておいたり、大学進学後に子どもがアルバイトをしたりするなど、万一に備えて準備をしておくといいでしょう。
2025年からの大学無償化は多子世帯が対象! 奨学金制度が廃止になるわけではない
2025年から始まる大学無償化は多子世帯を対象としたもので、所得制限なしで大学授業料と入学金のみを減免する制度で、現金支給はないことが分かりました。しかし現行の多子世帯への支援は継続され、第4区分で給付型奨学金を受けている学生は引き続き4分の1の支援を受けられます。貸与型奨学金(無利子・有利子)も廃止になるわけではないでしょう。
2025年の改正には「高等教育の費用負担が大きいため3人以上の子どもを持てない」という状況を改善する目的があります。多子世帯で子どもの大学進学を控えている場合は、制度を理解したうえで活用できれば、学費の負担を大幅におさえられるでしょう。
一方で費用負担がまったくなくなるわけではありませんから、学費としてある程度のまとまったお金を用意したり、大学進学後に子どもがアルバイトをしたりするなど、対策を考えておくことは大切です。
出典
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー