ペットボトルを「水筒」として再利用したいです。衛生面でリスクはありますか?

配信日: 2024.12.23

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ペットボトルを「水筒」として再利用したいです。衛生面でリスクはありますか?
ペットボトルを水筒代わりに使っているのを見ると、衛生面が気になる人もいるでしょう。ペットボトルの再利用は節約にはなるものの、何度も使いまわすことで雑菌が繁殖しないかは心配になるところです。
 
本記事では、ペットボトルを安全に再利用するための正しい洗い方や注意点をご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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ペットボトル飲料の飲み残し、衛生リスクに注意

宇都宮市衛生環境試験所では、ペットボトル飲料に直接口をつけて飲むことが衛生的にどう影響するかを調査しました。容器に口をつけると、口内の細菌が飲料内に移行し、状況によっては増殖する可能性があるためです。実験結果は表1の通りでした。
 
表1

飲料種類 飲用直後の細菌数(1mLあたり) 24時間後の細菌数(1mLあたり) 48時間後の細菌数(1mLあたり) 備考
ミルクコーヒー 約1000個 約1000万個 約3億個以上 糖分やタンパク質が多く、細菌の増殖が顕著
麦茶 約2900個 約9000個 約3万個以上 大麦由来の炭水化物が
栄養源となり、
細菌が増加
緑茶 約1700個 約170個 約100個 カテキンの作用で細菌の増殖が抑制される
果汁100%
オレンジジュース
約100個 約0個 約0個 酸性が強く、
細菌の繁殖を抑制
スポーツ飲料 約100個 約0個 約0個 酸性が強く、
細菌の繁殖を抑制

出典:宇都宮市衛生環境試験所「口をつけたペットボトル飲料の細菌を分析」より筆者作成
 
この表から、飲み残しを長時間放置することは衛生面のリスクを高める行為であることが分かります。特にミルクコーヒーや麦茶など、栄養分を多く含む飲料では細菌が急激に増殖するため、注意が必要です。
 

ペットボトルの再利用は推奨されていない

ペットボトルは繰り返し使うことを前提に設計されておらず、たとえしっかり洗浄し乾燥させたとしても、再利用は推奨されていません。
 
洗浄時や中身を詰める際に雑菌が付着し、衛生面のリスクが生じる可能性があります。また、ペットボトルの素材は熱に弱いため、高温での消毒ができず、十分に清潔な状態を保つのが難しいのです。
 

ペットボトルの短期間の再利用方法

ペットボトルは使い捨てが前提で作られているため、長期間の再利用は物理的な劣化や化学物質の溶出、細菌の繁殖などのリスクを高めます。
 
推奨される使用期間は1週間未満で、一定期間使用した後は新しいペットボトルに交換してください。ペットボトルは開封後、空気中の微生物やほこりが入りやすいことからも短期利用が推奨されています。
 

ペットボトルを水筒として使い、3日に1回新しいものに交換する場合の費用

1年間でペットボトルを水筒として使用した場合の費用を計算します。しかし、あくまで借りの計算ですので、実行を推奨するものではありません。
 
600ミリリットルのペットボトル1本の価格は108円です。ペットボトルは3日に1回交換し、残り2日間は中身のみを購入すると仮定します。
 
中身として使用するのは緑茶ティーバッグ52袋365円で、1リットルの水にティーバッグ1袋を使います。ペットボトルの交換回数は365日÷3日でおよそ122回です。
 
122本×108円=1万3176円
 
次に、緑茶ティーバッグの費用を計算します。ペットボトル交換日以外の243日間は、ティーバッグを使用します。243袋÷52袋でおよそ5パックが必要です。
 
5パック×365円=1825円
1万3176円+1825円=1万5001円

 
以上のことから、衛生的にペットボトルを水筒として使用した場合は、年間で約1万5001円かかることが分かりました。
 

ペットボトルの洗浄方法

再利用時には、以下のようにしっかりと洗浄を行うことが大切です。


・キャップとボトル本体をよく洗い、水で洗い流す。
・中性洗剤を溶かしたぬるま湯で、ボトル内外をスポンジや専用ブラシで丁寧に洗う。特に飲み口やキャップのネジ部分など、汚れが残りやすい部分をしっかり洗う。
・洗剤が残らないように、しっかりと水で洗い流す。
・水滴を拭き取り、完全に乾燥させてから使用する。

なお、ペットボトルは熱湯で消毒することは変形のリスクがあるため避け、食器洗浄機で洗うことも傷や変形を引き起こす可能性があるため推奨されません。毎回の洗浄と十分な乾燥が、ペットボトル再利用の基本となります。
 

ペットボトルの再利用には衛生面のリスクがある

ペットボトルは使い捨てを前提に設計されているため、再利用を繰り返すことで物理的な劣化や衛生問題が発生することがあります。飲み残しがある状態で放置すると、細菌が増殖する可能性が高いです。
 
もしペットボトルを水筒として使用する場合は、また、使用後はしっかりと洗浄し、完全に乾燥させることが重要です。
 

出典

宇都宮市 宇都宮市衛生環境試験所 口をつけたペットボトル飲料、飲み残しは飲まない方がいい?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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