若者向けのイメージがある「シェアハウス」。「中高年」でも入れるって本当?
配信日: 2024.12.25 更新日: 2024.12.26
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
シェアハウスの特徴
シェアハウスとは、リビングやキッチンなどの共用スペースを複数人で利用する新しい形の住まいです。一般的な賃貸アパートとは異なり、他の入居者との交流を楽しむことを前提に設計されており、外国人にも広く知られています。
また、敷金や礼金が不要な場合が多く、家具や家電があらかじめ備え付けられている傾向があるため、新生活のスタートにかかる負担を大幅に軽減できる可能性があります。さらに、家賃に光熱費やインターネット代が含まれている場合もあり、固定費をまとめて管理できる点もメリットだと考えられます。
シェアハウスを利用している人の年齢層
国土交通省の調査によると、シェアハウスを利用している人の年齢層は表1の通りです。
表1
20歳未満 | 0.8% |
20歳以上25歳未満 | 12.2% |
25歳以上30歳未満 | 43.9% |
30歳以上35歳未満 | 30.9% |
35歳以上40歳未満 | 1.6% |
40歳以上60歳未満 | 4.9% |
60歳以上65歳未満 | 0% |
65歳以上 | 4.9% |
※国土交通省「1-2.シェアハウスの運営事業者に対する運営実態等調査」より筆者作成
調査結果から、シェアハウスの主要な利用者層は20代後半から30代前半の若年層であることが分かります。また、年齢が高くなるにつれてシェアハウスを選ぶ人の割合は減少する傾向です。
シェアハウスの1ヶ月の家賃相場
同調査によると、シェアハウスの1ヶ月の家賃相場は表2の通りです。
表2
4万円未満 | 15.4% |
4万円以上5万円未満 | 34.1% |
5万円以上6万円未満 | 24.4% |
6万円以上7万円未満 | 15.4% |
7万円以上8万円未満 | 7.3% |
※国土交通省「1-2.シェアハウスの運営事業者に対する運営実態等調査」より筆者作成
シェアハウスの家賃相場は主に4万円から6万円の範囲内であることが分かります。一般的な一人暮らし用賃貸物件と比べると初期費用が安く、光熱費やインターネット料金が家賃に含まれる場合が多いため、コストパフォーマンスがよい可能性があるといえるでしょう。
年齢制限を設けているシェアハウスもある
シェアハウスの中には、入居者同士の価値観やライフスタイルの違いから起こり得るトラブルを未然に防ぐ目的として、入居者に年齢制限を設けているケースがあります。これは、トラブルが原因で退去者が増えたり、物件の評判が悪化したりすると、シェアハウスの運営全体に影響をおよぼす可能性があるためです。
また、シェアハウスの多くは若者向けにデザインされており、インテリアや外観もおしゃれでカジュアルなものが多い傾向にあります。
こうした物件では、若い世代の入居者が中心となるため、年齢層が大きく離れた入居者が加わると、ライフスタイルの違いから居心地が悪くなる可能性があるでしょう。結果、年齢層の高い入居者が早期に退去してしまうケースも少なくありません。
異世代ホームシェアもある
異世代ホームシェアは、高齢者と学生が共同生活を送る新しいスタイルのシェアハウスです。欧米で広まりつつある取り組みで、近年は日本でも注目が集まっています。一人暮らしの高齢者が自宅の空き部屋を提供し、学生がリーズナブルな費用で住める仕組みで、双方にメリットがある点が特徴です。
主体はNPOや地域団体で、入居希望者と家主のマッチングが丁寧に行われます。一般的な賃貸とは異なり、単に物件を貸す・借りるだけでなく、双方の性格や価値観、生活スタイルが合うかどうかを慎重に見極めることが重視されます。
コーディネーターが高齢者の希望や不安、学生の生活条件をヒアリングし、適切なマッチングを行うことで、円滑な共同生活を実現することが可能になるようです。
35歳以上のシェアハウス率は低いが最近は異世代ホームシェアも登場している
シェアハウスは若者向けのイメージが強い一方で、中高年にも対応した物件や、異世代ホームシェアなどの選択肢も広がりつつあります。初期費用の負担が軽減され、家賃のコストパフォーマンスも高いことから、年齢を問わず検討できます。年齢制限やライフスタイルの違いを考慮しつつ、自身に合う物件を見つけることで、より快適で充実した生活を送れる可能性があるでしょう。
出典
国土交通省 1-2.シェアハウスの運営事業者に対する運営実態等調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー