大掃除で「聖徳太子」の1万円札を発見! メルカリに売るのは「違法」なの? 旧札なら問題ない?
配信日: 2024.12.28
しかし、メルカリの規定では「現金」の取引は基本的に禁止となっています。しかし「現金」とはいえ、ずっと前に新規発行が停止している紙幣であれば、メルカリの規定する「現金」に当たらないのでしょうか。本記事では、メルカリにおける「旧紙幣」の出品について解説していきます。
執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)
ファイナンシャルプランナー2級
メルカリでは金銭や金銭と同等のものは出品禁止
メルカリでは、安心・安全な取引ができるよう、出品物に制限をかけたり、禁止したりしているものがあります。そのひとつが「金銭」の出品です。この「金銭」とは、有形・電子を問わず金銭と同様に扱われるものすべてが対象となっています。
つまり、「1万円札」のような実際の紙幣だけでなく、「電子マネー」や「ギフトカードのコード」など、すべて出品禁止となっているのです。もしもこれらの取引がメルカリの事務局に「禁止出品物に該当する」と判断された場合は、取引キャンセル・商品削除・利用制限といった措置が取られることがあります。
具体的に禁止されている金銭に関わる出品物には、次のものが挙げられます。
●現在流通している国内の貨幣(記念硬貨含む)
●現在使用可能な海外紙幣
●暗号資産(仮想通貨)
●残高のあるプリペイドカード類(QUOカード、図書カード、テレホンカードなど)
●チャージ済みのプリペイドカード類(Suica、楽天Edy、nanaco、WAONなど)
●オンラインギフト券 (iTunesカード、Amazonギフト券など)
●商品券、ギフト券
●航空券、乗車券、旅行券
●クレジットカード、キャッシュカード
●債券・小切手・手形・株券等を含む有価証券、未使用の切手(円)、収入印紙、登記印紙
●宝くじ、勝馬投票券
●貴金属の地金(金属塊、インゴット、延べ棒など)、地金型金貨
●その他、金銭と同じ意味を持つもの
「旧紙幣」でも実は現在有効な紙幣
「旧紙幣」であれば、「現在流通している国内の貨幣」に当たらないのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、何年も前に発行が停止され、現在はほとんど市場に出回っていない紙幣であっても、実は現在でも「有効紙幣・硬貨」であるものが多くあるのです。一例として次のものが挙げられます。
図表1
券種 | 肖像画等 | 発行停止 |
---|---|---|
1万円 | 福沢諭吉 | 2007年4月2日 |
聖徳太子 | 1986年1月4日 | |
5000円札 | 新渡戸稲造 | 2007年4月2日 |
聖徳太子 | 1986年1月4日 | |
1000円札 | 夏目漱石 | 2007年4月2日 |
伊藤博文 | 1986年1月4日 | |
聖徳太子 | 1965年1月4日 | |
500円札 | 岩倉具視 | 1994年4月1日 |
岩倉具視 | 1971年1月4日 |
日本銀行 その他有効な銀行券・貨幣をもとに筆者作成
この他にも100円札以下の紙幣や硬貨にも、現在有効なものが多くあります。そのため「今は見かけない旧紙幣だから」と安易にメルカリに出品するのは危険です。
古銭によっては出品できることもある
実はメルカリには出品カテゴリーとして「コレクション」に「旧貨幣・金貨・銀貨・記念硬貨」という項目があります。メルカリの規約では現金の取引は禁止されているものの、古銭等の希少貨幣は、その対象ではありません。そのため、日本銀行が定めている「有効紙幣・貨幣」以外のものであれば、このカテゴリーで出品ができるということになります。
メルカリは規則を守った利用を
メルカリでは、原則として「金銭」の出品はできません。聖徳太子の紙幣や岩倉具視の紙幣は、現代の一般社会ではほとんど見ることができない「レア紙幣」であり、出品したら高額の値が付くのではないかと期待してしまいますが、旧紙幣の中には現在も有効とされる物があり、それら紙幣をメルカリに出品することは規約違反となります。
メルカリをはじめとするフリマサイトを利用する場合は、規定をよく確認するようにしましょう。
出典
メルカリ 現金、金券類、カード類(禁止されている出品物)
メルカリ 利用規約
日本銀行 その他有効な銀行券・貨幣
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級