更新日: 2019.06.28 家具・片付け

片づけの美学40 家族全員が片づけ苦手! とんでもない家になる前に行動あるのみ

片づけの美学40 家族全員が片づけ苦手! とんでもない家になる前に行動あるのみ
同じ家で暮らす家族全員、片づけが苦手だったら、数年後には家がモノで埋め尽くされるという大変な事態になる可能性があります。モノであふれている、かつモノが見つからない家にならないために、先手を打っておきたいですね。
 
奥野愉加子

執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

モノの最小値を知る

モノが最も少ない日はいつだと思いますか? 答えは、その家に暮らし始めた日です。その日以降、モノは増える一方なのです。例えば、1人が1日1個ずつモノを増やすだけで、1年で365個、4人だと1460個増えていきます。
 
家族が多いほど、モノが増えるリスクも増えていくのです。その上、家族の皆さんが片づけの苦手を自覚しているようなら、さらにスピードは加速していくでしょう。
 

同じ目的を持つ

家族みんなが片づけを苦手とするなら、まずはみんなの意識を「片づけ、ちょっとチャレンジしてみるか」という気持ちに変える必要があります。家族の一人だけが率先して頑張って片づけをしても、家は変わりません。一時期はきれいになったとしても、いずれリバウンドしてしまう可能性がとても高いのです。
 
私が子供のころ、母が家の片づけを一人でして、数袋分の不要なモノを捨てました。
 
ところが、気がつくと祖母が捨てたものを全て元に戻していたという出来事がありました。母が自分の労力と気持ちを嘆いていたのがとても印象的でした。これは、片づけの意味を他の家族が共有していなかったことが原因で起こったことです。
 
こんな無益なことが起きないためにも、家族で片づけの意識を共有することはとても大切です。
 
チラシや雑誌を見ながら、「こんなおうちを目指してみない?」「家をこんな風にスッキリすると快適なんだって」という提案をしてみてはいかがでしょう。ビジュアルで訴えるのは効果的なはずです。その時の反応で、前向きな人には行動が期待できそうですね。
 
後ろ向き反応をする人がいる場合、さらにメリットを伝えてみてください。
 
片づけができている家のメリット
・スッキリ、気持ちのいい家で暮らせる
・必要なモノがすぐ出てくる
・探し物をしなくてすむ
・ムダな買い物、同じものをまた買うという事がなくなる など
 

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もしも・・・の時を考えておく

片づけが苦手な場合、メリットをどんなに伝えても重い腰があがらないことがあります。そんな時、デメリットの要素を強調することで、行動につながることがあるかもしれません。
 
片づけができていない家のデメリット
・地震など自然災害の時、命の危険がある
・モノが多いと火事になった場合、広がりやすい
・ゴミ屋敷になったら、近所への評判が悪い  など
 
私は両親に「もしもの時、形見が分かるように片づけておいて」と伝えています。自分自身もそのことを念頭に、残っていたら恥ずかしいモノ・残っていても意味がないモノはさっさと処分しています。
 
ここまで伝えても、全く気持ちが変わらないようであれば、強要はせずに見守ってもらいましょう。「捨てられたくないモノは個室など自分の陣地に移動しておいてね」と伝えておいてくださいね。
 

片づけは全員でやろう

家族の目指したい家のイメージができたら、気持ちが乗っているうちに行動しましょう。大切なのは、全員で一緒に作業をすることです。スケジュールを調整して、丸一日片づけだけをする日が取れるといいですね。
 
片づけをする場所選びも大切です。とりあえず、初回はみんなが使う小さめの場所を選びましょう。おすすめは玄関や洗面所です。慣れてきたら、ダイニングやリビングなど広い場所の片づけをしていきましょう。
 
時間配分は、
①不要なモノを取り除く
②必要なモノを、使う場所・頻度などで分類する
③収納する
それぞれを三分の一ずつが目安です。
 
家族みんなの気持ちをまとめるのは大変なことですが、片づけ作業をすることで、効果や結果が体感できると、家族の気持ちもノリノリに変化するかもしれません。ぜひ一度、家族そろってチャレンジしてみてくださいね。
 
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
 

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