走行中の「選挙カー」を見ると、「シートベルト」を着用していないように見えます。「交通違反」にはならないのでしょうか?

配信日: 2025.01.09

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走行中の「選挙カー」を見ると、「シートベルト」を着用していないように見えます。「交通違反」にはならないのでしょうか?
走行中の選挙カーを見かけた際、候補者や運動員がシートベルトを着用していないように見えることがあります。この状況について「交通違反ではないのか」と疑問を抱く方も少なくないでしょう。
 
道路交通法には、選挙運動を円滑に行うために、シートベルトの着用義務が免除される特例が存在します。しかし、特例であっても注意すべきリスクはあり、誤った認識が重大な問題を招く可能性があるため、注意が必要です。本記事では、選挙カーのシートベルトに関する特例措置について解説します。
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選挙カーのシートベルト着用が免除される背景

選挙カーにおいて、候補者や運動員がシートベルトを着用していない場合があります。これは、道路交通法施行令第26条の3の2第1項第8号に基づいた、選挙運動中に限り特例で認められている措置です。
 
シートベルトの着用が免除されるのは、選挙運動中に特定の車両を使用している場合に限られます。それ以外の状況、例えば単なる移動中には、一般の車両と同様にシートベルトを着用しなければなりません。
 
なお、シートベルト着用は、道路交通法第71条の3第1項、同第2項で定められた義務であり、シートベルト着用義務違反の場合、反則金はないものの、1点加点されます。
 

シートベルト非着用の場合に必要となるお金

シートベルト非着用で捕まった場合、罰金はないものの、シートベルトの装着違反で1点加点されるといわれています。ゴールド免許所有者の場合、ゴールド免許でなくなってしまうため、運転免許証の更新料が高くなってしまいます。ゴールド免許での更新では、手数料込みで3000円ですが、一般運転者となり、更新料は3300円とされています。
 
ほかに違反があった場合、違反運転者講習となり、更新料は3850円です。免許の有効期限も5年から3年と短くなるため、更新頻度も増え、その分コストはかかってしまう可能性があります。
 
さらに、けがや死亡のリスクがともないます。警察庁交通局の令和5年における交通事故の発生状況についての統計では、シートベルト着用の有無における致死率は、14.6倍の違いが見られました。万が一、シートベルトを着用せずに事故が発生した場合、経済的な負担は非常に大きくなる可能性があります。
 
仮にけがをしてしまうと、入院やリハビリなどの医療費がかかると考えられます。場合によっては、数十万円の出費がともなうこともあるため、普段車に乗る際は必ずシートベルトを着用しましょう。
 

選挙カーならシートベルト非着用もOK! ただし安全に配慮した運転は必須

選挙カーには、選挙活動を効率的に行うための特例措置として、候補者や運動員にシートベルト着用義務が免除される法律が適用されています。しかし、これはあくまで、選挙運動中に限られる特別な措置であり、一般の車両とは異なる条件下で認められたものです。
 
こうした特例がある一方で、選挙カーも安全に配慮した運行が求められます。私たちが日常でシートベルトを着用することの大切さを見直すきっかけにもなるでしょう。特例措置があっても、安全第一で法規を守る姿勢が社会全体の信頼を支えています。
 

出典

e-Gov 法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)
警察庁交通局 令和5年における交通事故の発生状況について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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