子ども1人を育てるためには、毎月いくらあればいいのでしょうか? 給料がなかなか上がらないので気になります……。
配信日: 2025.01.11
本記事では、子育てにかかる教育費や生活費の目安を紹介するとともに、子育て費用をやりくりするポイントをまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもを育てるのに必要な大きな費用は「教育費」
子どもを育てるのに必要な費用のうち大きな割合を占めるのが、学費や塾・習い事費用などの「教育費」です。子どもを育て上げるために、トータルでどれだけの学費が必要なのかを把握して、計画的な貯蓄などで備える必要があります。
ここでは、学校関連の費用と塾や習い事の費用に分けて、平均でどのくらいの費用がかかるのかを見てみましょう。
学校関連の費用の目安
文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から高校までの校種別の、1年間・1人当たりの学校教育費・学校給食費の合計額と内訳は図表1のとおりです。
【図表1】
校種 | 学校教育費 | 学校給食費 | 合計額 |
---|---|---|---|
公立幼稚園 | 6万1156円 | 1万3415円 | 7万4571円 |
私立幼稚園 | 13万4835円 | 2万9917円 | 16万4752円 |
公立小学校 | 6万5974円 | 3万9010円 | 10万4984円 |
私立小学校 | 96万1013円 | 4万5139円 | 100万6152円 |
公立中学校 | 13万2349円 | 3万7670円 | 17万19円 |
私立中学校 | 106万1350円 | 7227円 | 106万8577円 |
公立高校 | 30万9261円 | - | 30万9261円 |
私立高校 | 75万362円 | - | 75万362円 |
※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」より筆者作成
進学先が公立か私立かによって、必要な教育費に大きな差が生じることが分かります。例えば、一貫して公立を選択した場合の学習費総額が約66万円(1ヶ月平均約1万4000円)なのに対して、一貫して私立の場合は約300万円(1ヶ月平均約6万3000円)必要となる計算です。
大学まで進学する場合は、さらに大きな費用がかかります。日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査」では、大学の1年間の平均在学費用は、国公立:約97万円、私立文系:約145万円、私立理系:約172万円であるという結果が出ています。
毎月いくら必要になるのかは学年などによって変動しますが、将来必要となる金額を想定して、貯蓄や学資保険などで備えておくことが大切です。
塾や習い事の費用の目安
教育費は学費だけではありません。塾や習い事など学校外の学習費も必要となります。「令和3年度 子供の学習費調査」および「令和3年度 教育費負担の実態調査」によると、1年間の学校外学習費の平均額は、それぞれ図表2のとおりです。
【図表2】
校種 | 学校外活動費 |
---|---|
公立幼稚園 | 9万555円 |
私立幼稚園 | 14万4157円 |
公立小学校 | 24万7582円 |
私立小学校 | 66万797円 |
公立中学校 | 36万8780円 |
私立中学校 | 36万7776円 |
公立高校 | 20万3710円 |
国公立大学 | 6万9000円 |
私立大学文系 | 6万8000円 |
私立大学理系 | 10万7000円 |
※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」、日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査」より筆者作成
また、株式会社プレシャスワンが実施した子どもの教育の実態に関する調査によると、子どもにかける月の教育費は平均2万6707円、ボリュームゾーンは5000~2万円という結果が出ています。実際にかかる金額は、進学塾に通うかどうかや習い事の種類などによるため家庭によって異なりますが、目安として知っておくとよいでしょう。
教育費以外の生活費はどれくらい必要?
教育費以外の生活費では、食費や被服費などの日常的な生活費のほかに、医療費や保険費、行事費などの費用も想定しておく必要があります。また、子どもの年齢によって、必要な費用が増減することに注意しましょう。
内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」によると、子ども(第1子)の就学区分別の年間子育て費用は図表3のとおりです。
【図表3】
就学区分 | 子育て費用総額 | 1ヶ月当たり費用 |
---|---|---|
未就学児 | 84万3225円 | 約7万円 |
保育所・幼稚園児 | 121万6547円 | 約10万円 |
小学生 | 115万3541円 | 約9万6000円 |
中学生 | 155万5567円 | 約13万円 |
※内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」より筆者作成
少し古い資料のため、物価の上昇や地域差などの影響を考えると、現在はより高額な費用が必要となる可能性があることに留意しましょう。
上手に子育て費用をやりくりするポイント
限られた収入のなかで上手に子育て費用をやりくりするには、次のようなポイントを意識するとよいでしょう。
・家計の無駄(固定費など)を見直す
・進学プランなどの長期的な見通しを立てて計画的に貯蓄する
・お金が比較的かからない幼年期のうちにしっかり貯める
・出産~子育てで頼れる給金などの制度を知っておく(育休手当、就学援助など)
・児童手当(ひとり親世帯の場合は児童扶養手当)などを貯蓄に回す
子育て費用は計画的な貯蓄でやりくりしよう
子育てに毎月いくら必要となるかは、子どもの年齢や、進学先などの条件によって異なります。収入の範囲で上手にやりくりするには、早い段階で進学パターンや習い事など、長期的な子育てプランを作り、計画的な貯蓄で必要な資金に備えることです。「いつ」「いくらくらい」必要になるのかを具体的に整理して、資金計画を立てましょう。
出典
文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果
日本政策金融公庫 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」
内閣府 平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版
こども家庭庁 児童手当制度のご案内
こども家庭庁 児童扶養手当について
中央区ホームページ 就学援助および就学奨励
株式会社プレシャスワン 子どもの教育費と効果に関するアンケート(PRTIMES)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー