小学生の子どもが「3万円」をお年玉でもらいました。金利が「20倍」になったなら、銀行に預けるべきでしょうか?「子どもの銀行口座」を作るデメリットはありますか?
配信日: 2025.01.31
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特に、2024年3月にマイナス金利が解除されてからは、金融機関によっては金利が20倍以上に上昇しており、積極的に銀行に預けたいと思われるかもしれません。
では、子どもの銀行口座を開設するとデメリットはあるのでしょうか? 本記事では、子どもの銀行を作る前に知っておきたい注意点について解説し、さらに3万円を1年間預けた場合の利息を具体的に試算します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもの銀行口座を作る3つのデメリット
子ども名義の銀行口座でお金を管理することで、現金のまま手元に置いておくよりも無駄遣いを防げます。一方で、注意点もあります。子ども名義の銀行口座で問題とされるデメリットは以下の通りです。
1.贈与税の問題
贈与税で問題になるのは、年間110万円を超える贈与です。毎年、親戚などからもらったお年玉を入金する程度であれば問題ありませんが、数年分を一度に入金する場合などは注意が必要です。不安があれば、自分で判断せず専門家に相談しましょう。
2.休眠口座の問題
最後の取引から10年以上経過すると、その口座は「休眠口座」となります。一度休眠口座になってしまうと、復活させるには手続きが必要です。
年に数回しか利用しない場合や複数の口座を持つ場合は、休眠口座にならないよう定期的な入出金を行ってください。また、子ども自身に管理を任せる場合は、この点を伝えておくとよいでしょう。
3.子どもが成人したあとの手続きの問題
子どもが18歳になって成人すると、口座の管理権は本人に移り、たとえ親であっても勝手に手続きができなくなります。
例えば、児童手当を子どもの口座に貯金していた場合、大学の入学金として引き出したいと思っても親が引き出すことはできません。子ども本人に手続きしてもらう必要があります。
3万円を1年預けたときの利息は?
では、お年玉3万円を銀行に預けたら、1年間でいくらの利息がもらえるのでしょうか。ここでは、普通預金の金利を、年0.1%として計算します。
3万円×0.1%=30円
ただし、利息には20.315%の税金(所得税15.315%+住民税5%/復興特別所得税を含む)がかかるため、税引き後の実際の利息は次のようになります。
税引き後利息
30円×(1-0.20315)=約24円
したがって、3万円を1年間普通預金に預けると、手取りで約24円の利息が受け取れます。子どもの口座開設のメリットは利息ではなく、盗難・紛失や無駄遣いの防止にあると言えるでしょう。
口座開設に必要なもの
子どもの銀行口座を開設する際は、子どもの年齢によって必要な書類が異なります。例えば三井住友銀行の場合は次の通りです。
・15歳未満の場合
子ども自身の確認資料として「マイナンバーカード」や「健康保険証」など2点が必要で、さらに親権者の本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)も1点必要です。
・15歳以上の場合
子ども自身の確認資料(運転免許証やマイナンバーカードなど)が1点あれば手続き可能です。
また、一部の金融機関では、WEBやアプリで手続きが完了するなど、銀行に行かなくても口座開設が可能です。口座開設を検討している金融機関のホームページなどで確認してみてください。
ほかにも、子どもの口座開設キャンペーンなどを行っている金融機関もあるため、事前に確認し、より有利な条件で口座の開設を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
子ども名義の銀行口座には、「贈与税がかかる可能性」「休眠口座になる可能性」「子どもが成人後に口座管理権が移る」という、3つのデメリットがあります。
今は「当てはまらない」と思っていても、知っているのと知らないのでは大きな違いです。子どもが成人したときに困ることがないよう、子どもとも共有しておくようにしましょう。子どもの金融教育にもぜひ役立ててください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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