マンション隣人の「騒音」がひどすぎてつらい…入居したばかりですが、すぐ出ていくなら「敷金」や「礼金」は返金されますか?
配信日: 2025.01.31
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しかし、敷金や礼金を最初に支払ったにもかかわらず早期退去する場合、お金が返ってくるか気になる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、早期退去による敷金や礼金の返金についてご紹介します。
また、騒音トラブルの対策方法や早期退去による違約金についても解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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入居してすぐ退去する場合でも敷金や礼金は返ってくる?
まず、敷金と礼金、それぞれの意味は以下の通りです。
・敷金:家賃の滞納や退去時の修繕費用の担保となるお金
・礼金:貸主に対する謝礼金として支払われるお金
入居から退去までの期間を問わず、敷金は賃貸借契約終了の際に返還されるお金、礼金は基本的に返還されないお金だと考えられています。
そのため、入居からすぐに退去する場合、契約書の特約に何も記載がなく、修繕不要・家賃滞納なしであれば、ほぼ全額返ってくるでしょう。しかし、礼金は貸主に感謝を示すために支払うため、時期を問わずに返ってくることはありません。
入居してすぐ出ていく場合、違約金などは発生しないのか
入居してすぐに退去する場合、違約金が発生する場合があります。
実際に、国税庁のサイトにも、「建物の賃貸借の契約期間の終了前に入居者から解約の申入れによる中途解約の違約金として数か月分の家賃相当額を受け取る場合があります」と記載があります。
例えば、契約書に「契約開始日から6ヶ月未満で解約する場合は賃料2ヶ月分、6か月以上1年未満で解約する場合は賃料1ヶ月分を違約金として支払う義務を負う」と書かれている場合、基本的には契約書通りに違約金を支払わなければならないでしょう。
入居する物件によって、契約内容は異なるため、一概に必ず違約金が発生するとは限りません。しかし、やむを得ない事情でも、基本的には契約内容通りのペナルティーが科せられるでしょう。
騒音トラブルによる早期退去でも、契約書通りになる?
基本的に、早期退去の違約金に関する契約書に同意・サインをしている場合は、騒音による早期退去であっても違約金などは発生すると考えられます。ただし、賃貸人に事情を伝え、合意を得られれば、違約金を免除してもらえる可能性もあります。
そのため、騒音トラブルを理由に数ヶ月で退去する場合は、一度賃貸人と話し合うこともひとつの手です。また、賃貸人の債務不履行による退去の場合は、違約金は発生しないといわれています。
債務不履行とは、契約や法律で定められた義務を果たさないことです。例えば、雨漏りやカビが発生しているにもかかわらず、修繕を行わずに引き渡された場合などは、債務不履行に該当する場合があるでしょう。
しかし、騒音トラブルに関しては、債務不履行に該当するケースが少ないと考えられています。騒音トラブルは賃貸人も把握できない場合が多い傾向があります。また、騒音は賃貸人に責任はなく、あくまでも隣人が原因です。
そのため、「騒音に関する内容は伝えられていないから債務不履行だ」と申し出ても、認められるケースは少ないでしょう。基本的には、早期退去でも契約通り違約金などが発生するため、事情がある場合は、賃貸人と話し合う必要がありそうです。
騒音トラブルの対策方法
騒音トラブルの対策方法は複数考えられます。
・騒音がしている家に直接頼みに行く
・第三者へ相談する(不動産管理会社・賃貸人・警察など)
・裁判を起こす
・防音グッズで対処する
ポイントは、どこから騒音が発生しているかの特定や、第三者にも事実を伝えられる情報を持っておくことです。また、裁判などの場合は、騒音による病院の診断書などがあると有利に働く場合もあるでしょう。
とはいえ、騒音がひどすぎる隣人を直接訪ねたり、裁判を起こしたりする場合、リスクや手間などもかかります。そのため、証拠を集めたうえで、自治体や警察に相談した方が、自身の身を守りながら騒音トラブルの解決に踏み込めるでしょう。
早期退去は敷金は返金される可能性があるが、礼金はないと考えられる。さらに、違約金がかかる場合もある
賃貸借契約を終える場合は、退去時期に関係なく原則として敷金の返還はありますが、礼金の返還はないと考えられます。敷金は、家賃滞納や退去時の修繕に使われるお金になるため、契約書の特約に何も記載がなく、修繕不要・家賃滞納なしであれば、早期退去の場合は敷金がほぼ全額返ってくる可能性があるでしょう。
また、契約内容にもよりますが、騒音トラブルによる早期退去でも、違約金が発生する場合があります。違約金の金額は契約内容によっても異なるため、契約前にしっかり確認しておくことがおすすめです。
また、お金をかけたくない場合は、騒音の証拠を集めたうえで、自治体や警察に相談するのもひとつの手段でしょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.6261 建物賃貸借契約の違約金など
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー