「住宅手当」と「社宅」はどっちがお得? 「福利厚生」のポイントを解説
配信日: 2025.01.31
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住宅手当と社宅、どちらも同じような福利厚生ですが、実は税金面などに違いがあります。転職をする場合、どちらを選んだ方がお得なのでしょうか?
そこでこの記事では、住宅手当と社宅の違いや、メリット・デメリットについて解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅手当と社宅は異なる福利厚生
会社の福利厚生の一環としてよく耳にする「住宅手当」や「社宅」ですが、これらは同じようで全く異なる手当です。では、どのように違うのか、特徴とメリット・デメリットを確認してみましょう。
住宅手当とは
一般的に「住宅手当」とは、家賃や住宅ローンを支払っている従業員に対し、企業側が金銭で補助をすることを指すようです。
経済的な負担が減ることや、住まいの選択肢が増えるなどのメリットがあります。しかし国税庁によると、住宅手当は給与所得と考えられるため、所得税や住民税などの課税対象となってしまうデメリットもあるのです。
住宅手当をもらったことに喜んでも、その一部は税金として取られ、さらに年金や健康保険といった社会保険の支払額にも影響を与える可能性があります。また企業によっては、一定の年齢になると住宅手当が減額されたり、もらえなくなったりするケースもあるようです。
社宅とは
「社宅」は企業側が用意した住居のことを指し、従業員は無料もしくは家賃の一部を会社側に支払います。社宅の場合、条件を満たすことで給与所得とならず、課税もされません。課税対象外となるための条件は、1ヶ月当たり賃貸料相当額の50パーセント以上を家賃として従業員が企業側に支払っていることです。
なお「賃貸料相当額」とは、国税庁によると、次の3つの合計額を指します。
・「(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント」
・「12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))」
・「(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント」
これは、企業所有の社宅以外にも、企業が他社から借りている住宅を従業員に貸与する場合も当てはまるとされています。ただし、従業員自ら契約した物件を社宅扱いすることはできないため注意が必要です。
このように住宅手当と社宅どちらがお得かは、何割家賃を負担するかによって異なるようです。
住宅関連の手当は減少傾向
福利厚生の中でも一般的な住宅手当ですが、近年は福利厚生自体から住宅手当をなくしてしまう企業も増えているようです。
東京都の産業労働局が都内中小企業(従業員が10人~299人)を対象に毎年行っている「中小企業の賃金・退職金事情」によると、令和6年と10年前の平成26年では、福利厚生で住宅手当の支給を実施する企業の割合は、表1のようになります。
表1
平成26年 | 令和6年 | |
---|---|---|
住宅手当のある企業の割合 | 45.5% | 34.7% |
※東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情」を基に筆者作成
このデータは、東京都内の中小企業に限定したものですが、直近の10年で、10ポイント以上下がっていました。
これだけ減っている理由としては、住宅手当が企業側にとって大きな負担となっている可能性が考えられます。ほかにも、同一労働同一賃金が叫ばれる中、一部の従業員のみが受け取れる住宅手当は、待遇格差だという考え方もあるようです。
これらのことから、住宅手当などの福利厚生は、今後なくなっていく、もしくは形を変えていくことが予想されます。
住宅手当と社宅は支給額などによってどちらがお得か異なる
住宅手当と社宅は、それぞれ似ているものの全く異なる福利厚生です。住宅手当は、給与所得と考えられるため、課税対象となります。社宅は条件さえ満たせば、課税対象とはなりません。それぞれメリット・デメリットがあるため、転職などで比較検討する際は、参考にしながら考えるとよいでしょう。
出典
国税庁 No.2508 給与所得となるもの
国税庁 No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき
東京都TOKYOはたらくネット 中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)
東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(平成26年版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー