「小学校のお受験」を成功させれば、有名私立大学まで進学しやすくなると聞きました。小学校から私立に通うと、費用はどのくらいかかるのでしょうか?
配信日: 2025.02.02

そこで本記事では、小学校から私立に通う場合に必要な学費や補助学習費の目安や、利用できる補助金などについて分かりやすくまとめました。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
小学校から大学まで私立に通うには平均約1700万円の学費が必要
私立学校に進学すると、公立学校に通う場合と比べて多くの学費を要するのが一般的です。
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」では、私立学校に通う場合にかかる子ども1人当たりの学校教育費について、図表1のような結果が出ています。
※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 結果の概要」より筆者作成
小学校から私立に通うと、高校卒業までの12年間で平均1200万円以上の学費がかかる計算です。
同調査によると、小学校から高校まで公立に通う場合の学費は平均約200万円なので、約6倍もの費用がかかることになります。私立学校は学校ごとに授業料などの金額が異なるため、実際にはもっと高額な費用がかかるケースもあるでしょう。
また、文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学の学生納付金の平均額は4年間で約470万円です。小学校からの合計額は1700万円前後にもなります。授業料や実験実習費などが高額な傾向がある理工系や医歯系の学部に進めば、さらに高額な負担を覚悟する必要があるでしょう。
私立に進学するための学習塾費用も高額になりやすい
私立学校に進学すると、学習塾費など、補助学習にかかる費用が高額になりやすい点にも注意が必要です。「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、小学校から高校までにかかる補助学習費用の年間平均額は、図表2のようになっています。
※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 結果の概要」より筆者作成
中学校、高校の学習塾費を除き、ほとんどの項目で私立のほうが平均額が高い結果です。また、小学校では、学習塾費が公立の5倍にも上っていることも特徴的です。必要な教育費を見積もる場合には、補助学習費も意識して余裕を持った試算をする必要があるでしょう。
私立小・中・高・大学の費用対策に活用できる制度はある?
子どもを私立学校に通わせるには高額な教育資金が必要ですが、世帯収入などの条件を満たすことで国や地方自治体から、次のような名目で授業料などの援助を受けられる場合があります。
・私立中学校等授業料軽減助成金
・私立小中学校授業料減免事業費補助金
・高等学校等就学支援金
・高校生等奨学給付金
・塾費の助成
・高等教育の修学支援新制度
制度の有無や名称、内容は自治体によって異なります。このほか、在学中に家計が急変した際に受けられる救済制度が用意されていることもあるため、住んでいる自治体のホームページなどで確認しておきましょう。
また、日本学生支援機構や各学校が設けている奨学金制度なども活用できるケースがあります。費用面で私立への進学が厳しい場合は、諦める前に活用できる制度がないかどうか調べてみるのがおすすめです。
私立学校の費用は高額! 公的制度を活用して負担をおさえよう
子どもを一貫して私立学校に通わせると、公立に通うのと比べて何倍もの教育費が必要となります。小学校受験をした場合に、将来にわたって教育費を負担していけるのか、十分な検討が必要です。
経済的に余裕がない場合でも、公的な資金の援助を受けられたり、学校独自の奨学制度を利用できたりすることもあります。利用できる制度の有無や内容も含めて、事前にしっかり情報を集めましょう。
出典
文部科学省 結果の概要-令和5年度子供の学習費調査
文部科学省 私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
文部科学省 高校生等への修学支援
文部科学省 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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