ホームに降りたら電車が到着していたため、あわてて近くの「グリーン車」に飛び乗りました。「普通車」への通り抜けができず次の駅まで「デッキ」で立っていたのですが、「グリーン料金」を払わなければなりませんか?
配信日: 2025.02.02

本記事では、グリーン料金が必要なケースや車内への立ち入りの扱い、グリーン料金の詳細を解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
通路やデッキで立っている場合も「グリーン料金」が必要
原則として、グリーン車の座席に座らず通路やデッキに立っている場合でも、所定の料金が必要です。東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の「旅客営業規則 第13条」には、以下のように記載されています。
「列車に乗車する旅客は、その乗車する旅客車に有効な乗車券を購入し、これを所持しなければならない。」
また、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)の「普通列車グリーン車」に関する案内には、「グリーン車では、通路やデッキにお立ちの場合でも普通列車グリーン券が必要です」と記載されています。
そのため、グリーン車に立ち入って滞在したりグリーン車を通過したりするだけでも、原則として所定の料金が必要と考えられます。ただし、実際には列車によって車掌室との行き来の都合で立ち入りが避けられない場合もあり、一時的な立ち入りであれば料金が請求されないケースもあります。
なお、普通列車においてグリーン券を購入したにもかかわらず満席のため座れず普通車に移る場合は、車内改札が行われる前に乗務員(グリーンアテンダント)に申し出ることで、窓口での払い戻しが可能です。
普通列車において車内で「グリーン券」を買う場合は「通常料金」になる
普通列車のグリーン券には、「Suicaグリーン料金」と「通常料金」があります。Suicaグリーン料金とは、モバイルSuicaやカード型のSuicaにグリーン券の情報を記録して購入した際に適用される料金です。
グリーン料金は利用する距離によって異なります。それぞれの料金は表1の通りです。なお、大人と子どもで料金に差はありません。また、利用日にかかわらず通年同額です。
表1
営業キロ | Suicaグリーン料金 | 通常料金 |
---|---|---|
50キロメートルまで | 750円 | 1010円 |
100キロメートルまで | 1000円 | 1260円 |
101キロメートル以上 | 1550円 | 1810円 |
出典:東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)「普通列車グリーン車 料金」を基に筆者作成
Suicaグリーン料金は通常料金に比べて260円安いですが、駅で紙のグリーン券や車内でグリーン券を購入する場合は、通常料金で販売されます。例えば、駅の券売機が混雑しているために、車内でグリーン券を購入する必要がある場合も同様です。
また、一部地域ではモバイルSuicaが利用できない場合や、紙のグリーン券しか購入できない場合もあります。
車内で「Suicaグリーン券」の購入はできない
Suicaグリーン券は、車内では購入できません。Suicaグリーン券はグリーン車停車駅に設置されている交通系ICカード全国相互利用サービスのシンボルマークがついている券売機で、乗車前に購入する必要があります。東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)によると、購入方法は以下の通りです。
- 1.券売機の画面上(一部、画面左横)にある「グリーン券」ボタンをタッチする
- 2.「Suicaグリーン券」をタッチする
- 3.Suicaを入れる
- 4.降車駅の「線名ボタン」をタッチする
- 5.グリーン車降車駅をタッチする
- 6.グリーン券情報(Suicaグリーン券)が記録されたSuicaが戻ってくる
なお、機種や設置箇所によっては、手順などが異なるケースもあります。また、販売されているのは当日分のみであり、翌日以降には繰り越せません。さらに、1枚のSuicaで2枚以上のSuicaグリーン券を購入することはできないという規定があります。
まとめ
車両のどの部分でも、グリーン車に滞在したり立ち入ったりすると、グリーン料金を請求される恐れがあります。一時的な立ち入りの場合は料金を請求されないケースもあるものの、そもそもグリーン券を購入していない乗客のグリーン車への立ち入りは原則としてNGです。
普通列車のグリーン料金にはSuicaグリーン料金と通常料金がありますが、車内でグリーン券を購入する場合はSuicaグリーン料金より260円高い通常料金になるため注意しましょう。
出典
東日本旅客鉄道株式会社
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー