家の近所に「市民農園」がオープンしました。夫が「最近は野菜も高いしうちも借りようか」と言っています。市民農園程度の規模で元が取れるものなのでしょうか?

配信日: 2025.02.02

この記事は約 3 分で読めます。
家の近所に「市民農園」がオープンしました。夫が「最近は野菜も高いしうちも借りようか」と言っています。市民農園程度の規模で元が取れるものなのでしょうか?
「市民農園」の利用者募集を目にした経験はあるでしょうか。「野菜の自給自足にチャレンジしたい」「レクリエーションとして利用したい」など、さまざまな理由で野菜や花を育てたいと考えている住民に利用されるのが「市民農園」の特徴です。
 
近年、野菜の価格高騰が続いています。「市民農園」を利用して野菜を育て、スーパーで購入しなくても家族で食べられる量の収穫を期待している方もいるでしょう。では、どのくらい収穫できれば利用料金の元が取れるのでしょうか。この記事では、「市民農園」の料金相場や、どのくらいの収穫で元が取れるのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

「市民農園」の農園数は増加傾向にある

神奈川県によると、「市民農園」は、法律に基づいた場所とそうでない場所に分けられます。「市民農園」の種類は、主に以下の4つです。
 

・「特定農地貸付法(特定農地貸付けに関する農地法等の特例に関する法律)」に基づいた農園
・「市民農園整備促進法」に基づいた農園
・「都市農地貸借法(都市農地の貸借の円滑化に関する法律)」に基づいた農園
・上記3つの法律のいずれにも基づいていない、かつ「農園利用方式」を採用している農園

 
農林水産省の「市民農園開設状況調査の結果について(令和5年3月末時点)」によると、「市民農園」の農園数は平成28年の時点で4223箇所でした。しかし、令和5年3月末時点では4308箇所と増加したようです。これは、平成30年に都市農地貸借法が施行されたことが影響していると考えられます。
 

「市民農園」の料金相場はいくらくらい?

「市民農園」を利用する際は、どのくらいの料金がかかるのでしょうか。表1では、東京都23区の一部を抜粋し、「市民農園」の利用料金をまとめました。
 
表1

杉並区 板橋区 足立区 世田谷区
利用料金 1区画
(約10平方メートル)
年額7000円
1区画(約15平方メートル)
年額6200円
世帯利用
(約15平方メートル)
年額6000円
1区画
(約15平方メートル)
1年11ヶ月利用で
2万2080円

※筆者作成(2025年1月現在)
 
「市民農園」を利用する場合、農園がある市区町村や利用できる区画の広さ、世帯・団体利用かで料金が変動するケースが多いようです。農園がある市区町村に住民登録してあるかなど、利用条件を設定しているところも多いため、まずは住んでいる市区町村にある「市民農園」を探しましょう。
 

「市民農園」で育てられる野菜

「市民農園」では、キャベツ・レタス・白菜・大根・トマト・ナス・小松菜など、さまざまな野菜を育てることが可能なようです。育てられる野菜は季節によって変わるため、家族の好みや食卓に出したい野菜を選んで育てるとよいでしょう。
 

どのくらい野菜を収穫できれば元が取れる?

「市民農園」を利用して野菜を育てる場合、どのくらい収穫すれば元が取れるのかは、野菜の小売価格を参考にするとよいでしょう。農林水産省が発表する「食品価格動向調査(野菜)」を参照すると、野菜の小売価格の全国平均値が分かります。
 
表2は、令和7年1月20日の週(1月20日から1月22日まで)の野菜の食品価格動向調査結果について、上記の「市民農園」で育てられる野菜から一部を抜粋してまとめたものです。
 
表2

キャベツ レタス 白菜 大根 トマト
税込価格
(小売価格の全国平均値)
506円/キログラム 962円/キログラム 369円/キログラム 264円/キログラム 1000円/キログラム

出典:農林水産省「食品価格動向調査(野菜)の調査結果 令和7年1月20日の週【1月20日~1月22日】」を基に筆者作成
 
「市民農園」の利用料金相場の年額が6000円から7000円程度とすると、キャベツ(1玉=1キログラムと仮定)の場合、元が取れる収穫量は12~14個ほどになるでしょう。ただし、「市民農園」では借りた区画で複数の野菜を育てるケースも多いため、どの野菜をどれくらい育てるのかによって元が取れる量は変わります。
 

まとめ

住民が申し込んで利用できる「市民農園」は、近年設置数が増加に転じているようです。「市民農園」は市区町村によって利用料金が異なりますが、育てる野菜や量を工夫すれば、元を取れる収穫量を期待できるかもしれません。
 

出典

神奈川県 市民農園について
農林水産省 市民農園開設状況調査の結果について(令和5年3月末時点)(1ページ)
農林水産省 食品価格動向調査(野菜) 6.調査結果(1月28日更新) 令和7年1月20日の週【1月20日~1月22日】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 夫の家事への不安に関するアンケート ライターさん募集