司法試験の平均受験回数は何回? 法務従事者の平均年収についても解説
配信日: 2025.02.05

そこで本記事では、司法試験の合格者における受験回数の平均を参考に、一般的な浪人回数を解説しつつ、法務従事者の平均年収や弁護士の就職先などについても紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
司法試験の受験回数の平均は?
法務省の公式サイトには、司法試験の採点結果が公表されています。その中には、司法試験の合格者における受験回数も掲載されています。つまり、何回目の司法試験で合格したのかが分かるわけです。
法務省が公表している「司法試験の採点結果」を参考に、司法試験の合格者数とその受験回数、割合を「令和6年度」は表1に、「令和5年度」は表2にまとめました。
表1
受験回数 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
1回目 | 1211人 | 約76.1% |
2回目 | 296人 | 約18.6% |
3回目 | 44人 | 約2.8% |
4回目 | 29人 | 約1.8% |
5回目 | 12人 | 約0.8% |
合格者数の合計 | 1592人 | 100% |
※法務省「令和6年司法試験の採点結果」を基に筆者作成
表2
受験回数 | 合格者数 | 割合 |
---|---|---|
1回目 | 1584人 | 約88.9% |
2回目 | 123人 | 約6.9% |
3回目 | 35人 | 約2.0% |
4回目 | 24人 | 約1.3% |
5回目 | 15人 | 約0.8% |
合格者数の合計 | 1781人 | 100% |
※法務省「令和5年司法試験の採点結果」を基に筆者作成
上記の結果より、1回目の受験で司法試験に合格する人の割合が圧倒的に多いことが分かります。また、平均受験回数を計算すると、令和6年度は1.32回、令和5年度は1.18回になります。
つまり、浪人回数は多くの場合1回であると考えられます。ただし、少数派ではありますが、複数回の浪人を経て司法試験に合格している人がいることも事実です。
法務従事者の平均年収
司法試験に合格した人がなれる職業として、代表的なものは弁護士や検察官、裁判官などが挙げられるでしょう。とはいえ、司法試験に合格していても、業務上で法律とは関係がない業界で活躍する人もいるでしょう。
令和5年度の賃金構造基本統計調査によると、法務従事者の平均年収は約1117万円となっています。国税庁が実施した令和5年度の民間給与実態統計調査によると、給与所得者の平均年収は約459万円ですから、2.5倍弱の差があることが分かります。
民間給与実態統計調査では、年収階級別の分布も掲載されています。法務従事者の平均年収である約1117万円は、全体の4%で少数派だといえるでしょう。
弁護士の就職先
司法試験の合格者が就く職業として、最も多くの方がイメージするのは弁護士かもしれません。ただし、単純に弁護士といっても、多種多様な分野で活躍するため、就職先もさまざまです。
以下に、弁護士の就職先の一例をまとめました。
●法律事務所
●自治体内弁護士
●企業内弁護士
●公設事務所弁護士
上記のほかに、開業して自分の法律事務所を立ち上げるケースもあるでしょう。ただし、開業前に法律事務所などで経験やスキルを磨き、その後に独立という形で法律事務所を構えるパターンが一般的だとされています。経験を積む中で、自身の専門分野を作っていく人も少なくないようです。
近年では、企業内弁護士として働く弁護士も増えています。法律事務所などでは、契約形態が業務委託になることが多いようですが、企業内弁護士では所属企業と雇用契約を結ぶことも少なくありません。会社員として働くため、各企業の福利厚生を受けられる可能性があることもメリットの1つとされているようです。
司法試験の受験回数の平均は1.32回
法務省が公表している、司法試験の合格者におけるデータを見てみると、司法試験は1回目の受験で合格している人が圧倒的に多く、令和6年度では約76%です。合格者とその受験回数から算出すると、令和6年度における平均受験回数は1.32回となっています。
つまり、司法試験の浪人回数は少し多く見積もっても、1、2回が一般的な範囲といえるでしょう。ただし、複数回の浪人を経て司法試験に合格している人がいることも事実です。経済的な理由など個人の状況にもよりますが、できる限りのところまで挑戦してみるのもよいかもしれません。
出典
法務省 令和6年司法試験の採点結果
法務省 令和5年司法試験の採点結果
e-Stat 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー