飛行機が「オーバーブッキング」になると2万円が支払われる!? そもそも「過剰予約」はなぜ発生するの?
配信日: 2025.02.06

そこで今回は、飛行機のオーバーブッキングが起きる理由や、解消するための制度について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次 [非表示]
飛行機のオーバーブッキングとは
オーバーブッキングとは「過剰に予約された状態」のことであり、飛行機では座席の数よりも多くの予約を取ることを指します。ほかの交通機関やホテル、旅館などの宿泊施設でも発生する場合があります。
オーバーブッキングが起きると、予約をしても該当する便に搭乗できない可能性があるので注意が必要です。
オーバーブッキングが起こる理由
オーバーブッキングが起こる理由は、航空会社ができるだけ多くの座席を埋めた状態でフライトさせたいためといわれています。
実際に、予約をキャンセルせず、当日その便に乗らない利用者がいるかもしれません。この場合、仮に空席があってもその便に搭乗したい利用者が乗れない可能性があります。このような事態を避けるために、一部の便では座席の数よりも予約席が多く販売されるようです。
また、販売手法としては認められているため、利用者側で対処する方法はないといわれています。早めにチェックインをしたり、リコンファーム(予約の再確認)を活用したりすれば、飛行機に乗れないといったトラブルを避けられるかもしれません。
そもそも、オーバーブッキングを行わない航空会社を利用することも、1つの方法といえるでしょう。
オーバーブッキングが起きた場合の航空会社の対応
オーバーブッキングが起きた場合、該当する便の搭乗券を持っている人から席を譲ってくれる人を募集するケースがあるようです。これは「フレックストラベラー制度」と呼ばれ、航空会社から振替便を提案され、その提案に協力することで協力金などが支払われます。
例えば、当日の別の便に変更する場合は1万円、翌日の別の便に変える場合は2万円が支払われる航空会社もみられます。現金やマイルなど、支払い方法や金額は航空会社によってさまざまです。
また、翌日の振替便を利用するケースでは、宿泊施設の費用や、空港から宿泊施設までの交通費も支払われるとされています(航空会社規定の金額まで)。
仮に、代替便を利用せずにフレックストラベラー制度に協力する場合は、所定の手数料を含めた航空代金の返金と協力金の両方を受け取れるようです。
フレックストラベラー制度を利用するケースは起こるのか
実際に、2024年1月〜3月までのフレックストラベラー制度の利用状況は表1の通りです。
表1
航空会社 | 不足座席数 | 協力者数 | 搭乗できなかった旅客数 |
---|---|---|---|
日本航空(JAL) | 50 | 45 | 5 |
全日本空輸(ANA) | 739 | 658 | 81 |
日本トランスオーシャン航空 | 不足座席数なし | ||
スカイマーク | 4 | 4 | 0 |
AIRDO | 5 | 5 | 0 |
琉球エアーコミューター | 2 | 2 | 0 |
ソラシドエア | 11 | 7 | 4 |
スターフライヤー | 296 | 296 | 0 |
フジドリームエアラインズ | 不足座席数なし | ||
合計 | 1107 | 1017 | 90 |
※国土交通省「令和5年度国内輸送実績 フレックストラベラー制度に関する情報 第4回(1〜3月)」を基に筆者作成
表の通り、日本国内では3ヶ月間で1000件以上の座席が不足する事態が発生しています。しかし、協力者のおかげで、多くの利用者が座席を確保して搭乗できていると分かるでしょう。
航空会社はできるだけ満席に近い状態でフライトさせたいためオーバーブッキングが起こる可能性がある
航空会社は、できるだけ満席に近い状態でフライトさせたいため、座席数よりも多くの予約を取る可能性があります。そのため、オーバーブッキングが起こり、予約したはずの便に乗れないケースもあるようです。
ただし、フレックストラベラー制度に協力して指定された便に変更すると、1万円の協力金(当日便に変更)がもらえるため、仮に、オーバーブッキングが発生しても、座席を譲ってくれる利用者もいるようです。
早めにチェックインしたりリコンファームを活用したりすると、オーバーブッキングにならない可能性があるため試してみましょう。
出典
国土交通省 令和5年度国内輸送実績 フレックストラベラー制度に関する情報 第4回(1〜3月)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー