「お金がないけどペットを飼いたい」は無責任!? 知っておきたい「生涯でかかる費用」と「お金以外で大変なこと」について
配信日: 2025.02.11

本記事では、犬・猫を中心にペットの生涯飼育に必要なお金や、お金以外で大変なことなど、ペットを飼うにあたってしっかり考えておくべきことを解説します。

執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
ペットの生涯飼育に必要なお金は平均で約160~270万円
一般社団法人ペットフード協会(以下ペットフード協会)の調査では、犬の生涯飼育費用の平均は約270万円、猫は約160万円です。あくまで平均のため、病気がちなペットならさらに高くなる可能性もありますし、健康なら安くなる可能性もあります。また、トリミングなどのケアでお金をかければ、その分費用は高くなるでしょう。
ペットを飼うのに必要な具体的な費用
ペットを飼育するにあたって、必要な費用を具体的に説明します。
初期費用
まず、生体をペットショップなどから入手する場合は、購入費用が必要です。知り合いなどから譲ってもらう場合は無料で済みます。
ペットショップなどで犬や猫を購入する場合には、マイクロチップ登録が法律で義務づけられています。登録費用は、オンラインで手続きすれば400円で済みますが、書類で申請した場合は1400円(振込手数料別)必要です。
さらに、犬の場合は狂犬病予防のため登録が義務づけられています。登録には3000円程度必要です。
将来子犬・子猫が生まれても飼える環境ではないケースなど繁殖を望まないのであれば、去勢・避妊手術も受けておかなければなりません。手術費用は、自由診療のため病院によってまちまちです。約1万~3万円のところもあれば、約4万円~のところもあるため、事前によく確認したほうがよいでしょう。
1年間にかかる費用
飼い始めにかかる費用以降は、食費が主な費用になります。前出のペットフード協会の調査では、ペットフードの1ヶ月平均支出金額は、犬・猫ともに約4000円です。
食費以外では、犬の場合は狂犬病予防接種が年に1回必要で、費用は約3000円です。猫は犬のような義務付けられた予防接種はありませんが、感染症予防のためのワクチン接種が推奨されています。
突発で必要になる費用
食費以外で大きな費用は医療費です。動物病院は人間のように保険診療の制度がなく全額自己負担のため、人と同じ感覚で受診すると、費用の高さに驚くことがあるかもしれません。高齢になるほど病気になる可能性は高くなるため、予想以上に出費がかさむケースも考えられます。
ペットを飼う際にお金以外で大変なこと
ペットを飼うには意外とお金がかかるだけでなく、そのほかにも大変なことがいくつかあります。
ペットを飼うと、ペットに合わせた生活をしなくてはならなくなります。旅行などで留守にする際は、ペットを預けなければなりません。短時間の外出でも、夏はペットが熱中症にならないようにエアコンをつけておく必要があるなど、人間だけでなくペットのことも考えた生活に変わらざるを得なくなるでしょう。
また、室内で飼う場合は、柱や壁、家具などに傷をつけられる可能性があります。筆者宅では猫を飼っていますが、しつけにより派手に柱や壁をひっかくことはないものの、いつの間にか少しずつ傷が増えています。無傷のままでの維持は難しいでしょう。
ほかにも、毛が抜け落ちるため掃除が大変になります。特に春と秋の毛が抜け替わる季節は、大量の毛が抜けるため、こまめなブラッシングや掃除が欠かせません。
まとめ
ペットの生涯飼育費用は、犬が平均約270万円、猫が約160万円です。あくまで平均のため高くなる可能性がある一方、安くなる可能性もあります。また、ペットを飼うとお金だけでなく面倒なことも増えます。
しかし、ペットを飼うと、癒やしなど大変さを補ってあまりあるメリットがあることも確かです。ペットを飼うメリットとデメリットをよく検討して、責任をもって飼うようにしましょう。
出典
一般社団法人ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士