落とし物の持ち主が見つからなかった場合、警察に届けた人にはどれだけの謝礼が入るのでしょうか?

配信日: 2025.02.10 更新日: 2025.09.26
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落とし物の持ち主が見つからなかった場合、警察に届けた人にはどれだけの謝礼が入るのでしょうか?
落とし物を拾って警察に届けた場合、持ち主が見つからなくても、届け出をした人に対して謝礼が支払われるのでしょうか。本記事では、法律で定められた謝礼の仕組みやその金額の目安について解説します。
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落とし物を見つけたとき、警察に届けるのは重要な義務

落とし物を警察署などに届け出ることで、拾得者には次の権利が認められます。ただし、拾った日から7日以内(施設内の場合は24時間以内)に届け出なければ、これらの権利は失われます。
 

報労金を請求する権利

落とし物の持ち主が特定された場合、その価値の5%~20%に相当するお礼の請求が可能です。ただし、駅やデパートなどの施設内で拾った場合は、その額を施設と分け合うため、2.5%~10%となります。
 

所有権を取得する権利

拾得物の持ち主が3ヶ月以内に見つからない場合、その物を自分のものとすることができます。ただし、所有権に注意しなければなりません。
 
警察から返還の連絡がない場合は、所有権が拾得者に移っています。受け取る際は、引取期間(2ヶ月以内)内に警察署に連絡して受け取りに行ってください。引取期間を過ぎると、所有権は都道府県に移ります。
 
法律で所持が禁止されている物や、クレジットカード、身分証明書、携帯電話など個人情報を含むものは所有権の移動ができません。
 

費用を請求する権利

落とし物を届けたり保管したりする際に発生した費用は、持ち主に請求することが可能です。
 
たとえば、運搬費や動物の治療費、餌代などが該当します。一方で、拾得者が所有権を得た場合、警察から保管費用の負担を求められる場合があります。
 

落とし物検索サービス

インターネットで落とし物の情報が公開されているため、探すことが可能です。遺失者が特定されていない落とし物は、警察に届けられた日から3ヶ月間(埋蔵物の場合は6ヶ月間)公開されます。
 
「落とし物検索」を利用する際は、必ず「利用規約」をご確認ください。
 

落とし物の状況について

令和5年には、警視庁に約409万件の落とし物が届けられました。 特に多かったのは、以下の品目です。


●証明書類(約81万点)
●有価証券類(約47万点)
●衣類や履物(約40万点)

約81万点もの証明書類が届けられていることから、日常的に持ち歩く身分証明書やカード類が特に紛失しやすいことが分かります。また、衣類や履物も約40万点届けられているため、日常生活の中でこれらを忘れたり落としたりするケースが多いことが推測されます。
 

落とし物の取り扱いについて

警察に落とし物が届けられると、「拾得物件預り書」が作成され、拾った人に渡されます。一方で、落とし物をした人は交番や警察署で「遺失届」を提出しておくとよいでしょう。落とし物が手元に戻る可能性が高まるからです。
 
警察署では、落とし物の中身を確認し、名前や連絡先が記載されていないかを調べて、持ち主に返却します。
 

保管期間とその後の処理

落とし物の持ち主が特定できない場合、警察署で一定期間保管された後、「警視庁遺失物センター」へ送られます。センターでは遺失届と拾得物の照合を行い、一致した場合は持ち主に返却します。
 

期限を過ぎた場合の対応

期限が過ぎても持ち主が特定されない場合や、持ち主が受け取りに来ない場合には、拾った人がその権利を得ることになります。ただし、携帯電話やカードのように個人情報が含まれるものについては、拾った人に権利が移ることはありません。
 

注意すべきポイント

落とし物を防ぐことが最善ですが、万が一のために、カバンの中に自分の連絡先を記載したメモや名刺を入れておくと安心です。また、時計やカメラなどの高価なものについては、メーカー名や製品番号を事前に記録しておくことで、紛失時の捜索がスムーズになります。
 
さらに、カード類を紛失した場合は、警察への届け出に加え、カード会社や銀行に速やかに連絡することが重要です。
 

落とし物の持ち主が見つからなかった場合、警察に届けた人に直接「謝礼」は支払われない

落とし物の持ち主が見つからなかった場合、警察に届けた人に直接「謝礼」が支払われることはありません。しかし、拾得者には一定の権利が認められています。具体的には、持ち主が3ヶ月以内に見つからない場合、その落とし物の所有権が拾得者に移る仕組みがあります。
 
ただし、クレジットカードや身分証明書など、法律で所持が禁止されている物や個人情報を含む物は例外です。また、警察が保管していた期間中の費用を拾得者が負担する必要は基本的にはないものの、拾得者が所有権を得た場合にはその限りではありません。
 
所有権を取得する際には、引取期間内に警察署で受け取り手続きを行う必要があります。このように、直接的な謝礼の代わりに所有権を得られる点が、拾得者の大きなメリットといえるでしょう。
 

出典

警視庁 警察に届け出ましょう!
警視庁 落とし物はどこへ行くの?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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