貸金庫の窃盗事件を知り、大事なモノをどこに預けるか迷っています。貸金庫のほかに選択肢はありますか?
配信日: 2025.02.11

銀行の貸金庫サービスについて知りたい、ほかにはどのような選択肢があるのか、という質問にFPである筆者がお答えします。

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。
銀行の貸金庫サービス
手荒な強盗事件が増えています。「家にあった何千万円もの現金が奪われた」と聞くと、どうしてそのような大金を置いていたのだろうと思うのと同時に、そのことを知っていた犯人に驚くかもしれません。
現金を銀行に預けるのと同様に、貴重品などは銀行の貸金庫に預けることができます。貸金庫の契約システムは、以下のようになっています。
●原則として、利用する貸金庫のある店舗で普通預金口座などを開設していること
●申し込みには、印鑑・通帳・本人確認の書類が必要
●事前に審査がある
気になる料金は、取り扱う金融機関や貸金庫のサイズによって変わります。参考までに、三井住友銀行の利用料金例を図表1に示しました。店舗によって種類や空き状況は違いますので、確認が必要です。検討の目安にしてください。
店舗により違いはありますが、一般的には金庫の開閉は暗証番号や専用の鍵を利用します。保管品の出し入れは、店舗の営業時間内ならいつでも自由にでき、個室で行いますのでプライバシーも守られています。銀行の金庫なので、自宅で保管するよりもセキュリティーは高いです。
「大事な書類がどこにあるか分からなくなった」ということはありませんか? 日頃使うことがないので、家の中の“どこか”に大事に保管していることは確かです。不動産の契約証書や権利書、生命保険の契約書、遺言書などが一例です。
いざというときのために、“大事なもの”は一つにまとめて保管し、そのことを家族で共有しておくことが大切です。自宅に家庭用金庫を設置する案もあります。しかし、金庫ごと盗難や災害にあうリスクを考えると、費用はかかりますが、銀行貸金庫の利用も一案だと考えます。
防災サービスも選択肢の一つ
重要書類や貴金属ではないけれど、思い出の品や趣味のコレクション類は自分にとってのお宝でしょう。このような品を預けるサービスがあります。郵便局が行っている、「防災ゆうストレージ」サービスです。
これは、もしものときのために、必要なもの・大切なものを預けておける防災サービスです。地震や災害が起こったときに、全国ネットで届けてもらうことが可能です。使い方は、大きく2つに分類されます。
(1)自分用支援物資(災害に備えて自分用の支援物資を預けておく)
避難生活では入手しにくいけれど、生活には必需品のものを事前に預けておけば安心です。下着類など自分の肌につけるもの、化粧品や衛生用品、コンタクトレンズや常備薬などのほか、ペット用品なども可能です。
(2)大切なものエスケープ(災害に備えて宝物を避難させておく)
家族との思い出の品やアルバム、趣味で集めたお宝グッズなど、普段は使用しないけれど大切なものはたくさんあります。災害時に失くしたくないものを事前に避難させておきます。
郵便局のサイトに、具体的な保管品のチェックリストが掲載されていますので、参考にしてください。専用ボックスは2種類あり、料金などは図表2の通りです。
筆者の友人でゆうストレージを利用しているOさんは、子どもが幼稚園のときに描いた絵や自分のお気に入りのフィギュアを預けているそうです。
災害が起きたとき、自分の身を守ることが最優先であることはいうまでもありませんが、“宝物”の心配をしなくて済むことは安心材料になるでしょう。大事なモノの預け先として、知っておくと便利です。
出典
株式会社三井住友銀行 貸金庫
日本郵便株式会社 郵便局 防災ゆうストレージ
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士