今乗っている車は「燃費が悪い」ため、乗り換えを検討しています。トヨタの「ヤリス」は燃費が良いと聞きますが、維持費はどのくらい安くなりますか?
この記事では、乗用車の市場動向調査などを参考に、購入したい車への考え方や燃費について解説し、車の燃費ランキングを紹介します。また、トヨタの「ヤリス」を例に挙げ、乗り換えた場合に維持費(年間ガソリン代)がどのくらい安くなるのかを解説します。
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目次
購入したい車は「燃費効率の高さ」に需要が増加している
一般社団法人日本自動車工業会が実施した「2023年度乗用車市場動向調査」によると、購入したい車への考え方として、「燃費のよい車」「経済性に優れた車」という項目について「非常にそう思う」もしくは「そう思う」と回答した方の割合が、2021年度より5パーセント以上増加しています。
●多少価格が高くても燃費のよい車:78パーセント
●経済性に優れた車:62パーセント
また、ある企業が2023年1月に実施した「自動車の購入」に関するインターネット調査によると、購入したい自動車の動力タイプは半数以上の方が「ハイブリッド車」と回答しました。
以上の2つの調査結果からも分かる通り、近年、ガソリン価格の高騰を受けて、燃費効率が高く維持費を節約できる車の需要が増加しているのが分かります。
「燃費優良車」をはじめ乗用車の燃費は向上している
国土交通省によると、乗用車の燃費平均値は令和3年度時点で18.9キロメートル/リットル(ガソリン乗用車のWLTCモード)で、令和2年度の18.5キロメートル/リットルより向上しています。
なお、国土交通省および経済産業省は、「自動車の燃費性能に対して一般消費者が関心と理解を深めることで、燃費性能の高い自動車の普及を促進する取り組み」を実施しています。
内容としては、「自動車メーカーなどの協力を得て、自動車の燃費性能に係る表示(ステッカー貼付など)の実施」です。「省エネ法で定める燃費基準値以上の燃費の良い自動車には、ステッカーを自動車の見やすい位置に貼付またはカタログなどに表示する」ものとしています。
自動車の燃費ランキング
国土交通省は、令和3年末時点で販売されている乗用車の中から、燃費の良い乗用車ベスト10を公表しました。報道発表資料「自動車の燃費ランキングを公表します!」の「普通・小型自動車部門」のランキングを引用すると、表1のようになります。
表1
| 順位 | 社名 | 通称名 | WLTCモード 燃費値 (キロメートル/リットル) |
|---|---|---|---|
| 1 | トヨタ | ヤリス | 36.0 |
| 2 | トヨタ | アクア | 35.8 |
| 3 | トヨタ | プリウス | 32.1 |
| 4 | トヨタ | ヤリス クロス | 30.8 |
| 5 | トヨタ | カローラ スポーツ | 30.0 |
| 6 | ニッサン | ノート | 29.5 |
| 7 | ホンダ | フィット | 29.4 |
| 8 | トヨタ | カローラ | 29.0 |
| 9 | トヨタ | カローラ ツーリング | 29.0 |
| 10 | ホンダ | インサイト | 28.4 |
出典:国土交通省「報道発表資料:自動車の燃費ランキングを公表します!」
例えばトヨタの「ヤリス」に乗り換えると維持費はいくら安くなる?
トヨタ自動車株式会社のヤリスは「Z」「G」「X」と3つのグレードがあり、ボディサイズは全て同じです。エンジンは、1.5リットル・1.0リットルのガソリン車、ハイブリッド車から選択できます。
※「Z」には1.0リットルエンジン搭載車はありません。
ヤリスの年間のガソリン代を、ハイブリッド車とガソリン車で比較すると表2のようになります。なお、比較条件は以下の通りです。
●年間走行距離:7000キロメートル
●ガソリン代:184.6円/リットル(2025年2月3日時点の全国平均価格です)
●2WD
表2
| ハイブリッド車(WLTCモード) | ガソリン車 | |
|---|---|---|
| 燃費 | 35.4~36.0キロメートル/リットル | 19.6~21.6キロメートル/リットル |
| 年間のガソリン代 | 約3万6503円~3万5894円 | 約6万5929円~5万9824円 |
出典:トヨタ自動車株式会社「トヨタ ヤリス 主要諸元表」を基に筆者作成
ここで、乗用車の平均燃費である約14キロメートル/リットルのケースと比較して、トヨタの「ヤリス」に乗り換えた場合、どの程度ガソリン代が節約できるのか以下の通りに計算します。
●燃費が約14キロメートル/リットルのケースで、1年間にかかるガソリン代
7000キロメートル÷14キロメートル/リットル×184.6円=9万2300円
●ヤリスの「ハイブリッド車」に乗り換えた場合
9万2300円-(約3万6503円~3万5894円)=「約5万5797円~5万6406円」の節約
●ヤリスの「ガソリン車」に乗り換えた場合
9万2300円-(約6万5929円~5万9824円)=「約2万6371円~3万2476円」の節約
まとめ
購入したい車への考え方として「多少高くても燃費のよい車」や「経済性に優れた車」を希望する人が増加しています。加えて、ハイブリッド車に注目が集まるなど、ガソリン代を含めた維持費の節約に注目が集まっているようです。乗用車の燃費平均値は令和3年度時点で18.9キロメートル/リットルで、令和2年度よりも向上しています。
中でも燃費ランキングトップの「ヤリス」は、36.0キロメートル/リットルと平均を大きく上まわっています。平均的な燃費の車と比較すると、年間のガソリン代を約2万5000円〜5万5000円も節約できる可能性があるようです。
もし、車の乗り換えを検討しているのであれば、この記事を参考に燃費がよく維持費を節約できる車を有力候補の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
出典
一般社団法人日本自動車工業会 2023年度乗用車市場動向調査(31ページ)
国土交通省
ガソリン乗用車のWLTCモード燃費平均値の推移(全体)
燃費基準達成ステッカーの表示について
自動車の燃費ランキングを公表します!
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
