「医療費が戻ってきます」の電話は要注意?還付金にまつわる詐欺の特徴とは

配信日: 2025.02.14

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「医療費が戻ってきます」の電話は要注意?還付金にまつわる詐欺の特徴とは
「還付金を受け取れるからATMで操作してほしい」といった内容の電話がかかってくる還付金詐欺は、令和元年と令和5年を比較すると増加しています。詐欺に遭わないためには、「自分は被害を防げるだろう」と思うのではなく、具体的な手口や対策を知っておくことが大切です。
 
今回は、還付金詐欺の手口や被害件数、対処法などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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還付金詐欺とは

還付金詐欺は、自治体や年金事務所、税務署などさまざまな機関の職員を名乗る人物から電話がかかってきて、「医療費や年金の還付金が受け取れる」などと言ってだます詐欺です。電話の指示に従うとATMやネットバンキングの特定ページなどへ誘導され、知らぬ間にお金を詐欺の犯人へ振り込むことになります。
 
還付金詐欺は、令和元年と令和5年の認知件数や被害金額を比較すると増加しています。警察庁が公表している「令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」によると、令和元年~令和5年までの還付金詐欺の認知件数と被害金額は表1の通りです。
 
表1

認知件数 被害金額(総額)
令和元年 2375件 30億1000万円
令和2年 1804件 24億9200万円
令和3年 4004件 45億1800万円
令和4年 4679件 53億6800万円
令和5年 4185件 51億3200万円

出典:警察庁「令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」を基に筆者作成
 
令和元年と比較すると、令和5年の認知件数は約1.8倍、被害金額は約1.7倍に増加しています。詐欺の手口は巧妙で、意識しておかないと気づかぬうちに被害に遭うこともあり得るでしょう。
 
独立行政法人国民生活センターが公表している実際にあった被害例は以下の通りです。
 

・年金事務所と金融機関を名乗る電話があり、指示されたようにATMを操作したら振り込みをしていた。
・「ネットバンキングでの手続きが必要」と言われ、口座番号と暗証番号を伝えてしまった。

 

還付金詐欺に遭わないための対策

還付金詐欺の被害を防ぐためには、還付金が返還される方法を知っておくことが大切です。還付金を受け取るためにATMやネットバンキングでの操作を自治体や年金事務所などから依頼されることはありません。
 
この前提から考えると、「ATMへ行き、指示通りに操作してほしい」と言われた時点で詐欺と考えてよいでしょう。もし電話でこうした内容を告げられたときは、すぐに警察や家族へ相談します。
 
詐欺電話への対策としては、電話番号を固定電話に表示させる機能を利用したり、防犯機能付き電話を導入したりする方法が有効です。日常生活で国際電話を使う機会がない場合は、国際電話の利用休止を申し込んでおくと、海外からの詐欺電話を防げます。
 

もし詐欺に遭ったとあとで気づいたときは?

もし被害に遭ったあとで詐欺に気づいたときは、すぐに警察と金融機関へ連絡しましょう。手続きが間に合えば、「振り込め詐欺救済法」(正式名称:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)により、被害の全額もしくは一部が返金してもらえる可能性があります。
 
また、すぐに連絡することで犯罪に利用された口座を凍結し、犯人にお金を引き出されることを防ぐ意味もあります。振り込め詐欺救済法により返金される金額は、口座凍結時点での残高が上限です。手続きが遅れると犯人にお金を引き出され、返金されるお金がほとんどなくなる可能性もあるため、注意しましょう。
 

還付金詐欺は増加傾向にあるため注意が必要

還付金詐欺は、ここ数年で増加傾向にあり、令和になってからの被害件数を比較してみると、5年間で約1.8倍に増加しています。被害が増えていることからも、還付金詐欺に自身が遭う可能性は十分あり得るといえるでしょう。
 
還付金詐欺の被害を防ぐには、「ATMで還付金を受け取るために指示されることはない」ということを理解しておきましょう。また、電話の設定を変えることで詐欺の電話自体を防げる可能性があります。
 
なお、実際に被害に遭ったときは、できるだけ早く警察や金融機関への連絡が必要です。
 

出典

警察庁 令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版) 1 特殊詐欺の認知状況 (2) 主な手口別の認知状況(2ページ)
独立行政法人国民生活センター 還付金詐欺が増加しています!-ATMだけじゃない!ネットバンキングを使う手口にも注意-
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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